ブルックリン横丁

ブルックリン在住17年の音楽ライター/歌詞対訳者=渡辺深雪の駄ブログ。 そろそろきちんと再開しますよ。

218:「やっぱりスゴかった!フェラのトリビュート。」

2006-12-05 | ブルックリン横丁
いやーマジでスゴいものを見せて頂きましたよ。前回の日記で触れたフェラのトリビュート@BAM。トリビュートと聞くと、故人にゆかりのあるアーティスト達が入れ違いでステージに現れて順にパフォーマンス?みたいなイメージだったんだけど、ショウの幕開けと共に己のダサい認識を恥じたね。いきなりイェルバ・ブエナ+ミシェル・ンデゲオチェロ+キザイヤ・ジョーンズ+レ・ヌビアンがズラり勢揃いなんだもの。ブッ飛ばされちまいました。幕開けにして観客総立ち。それぞれが主役を張れるレベルの実力派アーティスト達が結集すると、相乗効果でどんどん場のグルーヴというかヴォルテージが上がっていってとてつもないシロモノになる、という幸運があるが、それが90分続いたと説明すればいいだろうか。しかもそこで奏でられる音楽がフェラだもんな。たまらんっす。キザイヤ・ジョーンズがヘロヘロ踊りながら唄い(しかしベースはキレまくり)、一歩間違ったら路上で空き缶集めてそうな出で立ちのミシェル・ンデゲオチェロも両目を閉じて黙々とプレイ。渋すぎ。ワシもあんなオバさんを目指したい。アーバン・アフロなナイスコスチューム&メイクでフロントを張ったレ・ヌビアンは、アメリカのアフロセントリックなアーティストにありがちな鼻息の荒さがなく、いい意味で肩の力が抜けていて、黒く流麗な美しさが際立っててよろしゅうございました。見くびってたぜ!盲目の夫婦デュオ=アマドゥ&ミリアムのワビサビにも目頭を熱くし、トニー・アレンのドラムに昇天…とホントにテンコ盛りに豪華な内容だったのだが個人的ハイライトはペドロ・マルティネスのパーカッション!!アフロ・キューバンとかラテン・パーカッションものについては知識が興味に追いつかない状態で、色々なところでのレヴューなんかを拠り所に当てずっぽうに掘っている段階なのだが、コレでまた一つ気になるヒトが増えてしまった。 つーか彼の猛烈パーカッション・アタックは超絶テクニックが云々、とか言うより前に単純にセクスィ。オーケストラ席の利点を生かしてたっぷりその上腕二頭筋を拝ませて頂きやした。ごっそさん!歌声にも度肝抜かされたっす。

(追記:その後早速彼のソロCDを発見!しかも発売元は日本のintoxicate records。恐るべしジャパニーズ原盤制作パワー!やっぱ日本のレーベルは耳聡いね!タワレコのbounceと同系列のレーベルのようだが、同じ会社からたまに原稿料貰ってる身としてはあんま関係ないけど嬉ピ~、とか思っちゃいました。もちろんamazon.co.jpで即購入、海外発送にも関わらず3日経った今日届きました。これまた日本の流通パワーに脱帽。新しい音や知識を求めてスティルディギンな好事家にはホントいい時代になりました。)

しかしブルックリンでフェラのトリビュート、しかもフィーチャリングにデッドプレズっていう「語感」だけで、例えばブラック・オーガスト的な漆黒右拳系イベント的なクラウドを予想していたのだが、実際は7割くらい白人。しかも推定平均年齢も高め。ヒトの良さそうな老人夫婦だったり、「風呂上がりですか?」みたいにユルみきった風情の妊婦だったり、何だかもう色々。オペラハウス内のオーケストラ席だったからかもしれんが、それにしてもだ。何か自分の思い及ぶところとは全くかけ離れた生活圏に属する人々がそれぞれのフェラ観を抱きつつBAMに集合、みたいな感じで興味深かった。っていうかまぁこれまた私のフェラ・クティの普遍性や人気に対する認識が甘かっただけの話なんですが。切り口の沢山あるアーティスト、ってこともあるし。しかしスライド映像のフェラのブリーフ姿にプッと吹き出すところは皆共通。 ブリーフが結ぶ異文化交流か。

それにしてもやっぱ生音はいいね。CD聴くのとかクラブのスピーカー経由の音とかカーステとかでは起こらないマジックがあるよ。生音のバイブレーションが細胞の隅々まで行き渡る感覚というか。久々だったからかなぁ。