ブルックリン横丁

ブルックリン在住17年の音楽ライター/歌詞対訳者=渡辺深雪の駄ブログ。 そろそろきちんと再開しますよ。

003:「フォクシー・ブラウンに因縁つけられる」の巻

2004-08-10 | ブルックリン横丁

最近ちょっとビビった話がありまして。
今私が住んでいる家って、ブルックリンのパークスロープっていうエリアにあるんですけど、実はうちの数軒隣がフォクシー・ブラウンの実家
なんですよ。ひと頃はニュージャージーの豪邸に住んでたっていう噂の
フォクシーですが、破産したとかその家を売っただかでここ数年は実家に戻って来てまして。家の前の階段とかで頭爆発したまんま、スリッパ履きで電話してたりすることもあったりして。で、うちの旦那はここのブロックで生まれ育ったってことで、フォクシー(地元の人は彼女の本名=インガって呼んでますが)とは幼馴染みなんですわ。なので4才になるうちのコドモもインガさんには頭撫でられたりして可愛がってもらってるんですけど。私もこんな職業なので、以前たまたま取材した時にも「あらーアンタこんな仕事してたのね」とか言われ。以来行き着けのネールサロンで会ったり、道で会った時とかも適当に挨拶とかしてたワケですな。ご近所さんとして。すっぴんでも滅茶滅茶キレイだし、お母さんもそれはそれはナイスな人だし、今まではぜーんぜん問題なく近所付き合いしてきたワケなんですが。しかーし!最近デフジャムを離れ
ワーナーに移ったリオ・コーエンの下でジェイーZが新たにショーン・カーターっていうレーベルを設立し、フォクシー・ブラウンが契約を結んだ、っていう噂を聞きつけたのを良いことに、「これは!」と思って俄然アプローチしちゃったんですよ、インガさんに。「日本の雑誌で取材したいからマネージャーの連絡先おせーて!」って。彼女が所有する白のレンジ・ローバーの座席で快くドン・プー氏(メアリーJのマネジメントもしてたハズ)の携帯#をメモしてくれたインガさん、その時は「オーケー!」ってぜーんぜんご機嫌だったのに。。。

ああそれなのに。それから数回彼女を見かけた時は、カノジョやカノジョと同じ家に住む兄弟の取り巻き連中らに囲まれ、歩道がごった返す程の混み様だったので道路の反対側を歩かざるを得ない状況が何度かあったりして、ついつい挨拶をしそびれてたワケですよ。こっちも子連れだし、コドモがあっちこっち走り回ってるのを追っかけ回したりしてて手を振る余裕が無かったのかもしれないんだけど。で数日前、誰か他の取り巻きのクルマに乗っていたフォクシーさんにまたまたうっかり気付かず通り過ぎようとしていた矢先、にゃんと彼女、クルマから降りて来て「ちょっとアンタ!」って凄い剣幕。ビビった私が振り向くか振り向かないか、っていう物凄い短い間に、「アンタねぇ、アタシにお願いごとがある時だけ挨拶してくんのってどういうことよ?」だって…。ひぇ~。あんたはスケバンか?こっちはもう唖然としちゃって、「えっ?」て感じで。だって知らないヒトの、スモークばりばりきかせたクルマから突然出て来られたってわっかんないっすよ、それはさすがに。で誤解を解こうにもそのまま「プイっ」と踵を返して家の中に入っていってしまったインガさんの後ろ姿を見つつ、こっちもさすがにムカついてそのまま立ち去ってしまったんですが。旦那や彼女を昔からよく知っている家族には「インガは気分屋だからしょーがないよ」とは言われたものの、エクスクルーシヴ・インタヴューが取れるか取れないか、って瀬戸際だけに痛恨の一撃!ってカンジですわ。その後何度か見
かけた時もまたホームボーイズ15人くらいに囲まれてて声かけるチャンスも無かったし。辛いなぁ。どうしよう。でもめげないっすよ。何としても取材してやるぜ!その前に和解しなきゃだけど。つーかどう考えても私、一方的にインネンつけられたっぽいんだけど。ってカンジで最近は家の外に出る度にフォクシーの姿を探しつつちょっとビビってる私でした。和解した時はまたお知らせします。乞うご期待~。


002:「怒涛のサマージャム2004レポート(長文)」の巻

2004-08-10 | ブルックリン横丁
さてさて。早速ですが先日、HOT97主催でお馴染みのサマー・ジャム2004に行ってきました。過去にはジェイZがプロディジーの幼少期の恥ずかしい写真を持ち出して吊るし上げたり、ナズがラキムとタッグを組んでトリを飾るはずが当時の宿敵=ジェイZに見立てた人形をステージ上でリンチするという企画が主催者にバレてダメ出しされ、スネてショウをブッチぎってライバル局の105.1に駆け込んで怒りをブチまけて…と例の「ヒップホップ史上最大のビーフ」のキッカケにもなったという、例年何かしらのハプニングが起こるという曰く付きのイベントなんですが。去年はリル・キムのおっぱいポロリ事件くらいで地味に終わったみたいですけどね。で今年はといえばやっぱりGユニットが暴れてました。ステージ脇のTVスクリーンを使って50セントが認定したアワード
(賞)を贈呈する、という筋書きの映像を流したのですが、受賞者の面々は「最悪アーティスト賞」がジャ・ルールとジョー・バドゥン、
「最多整形手術賞」がリル・キム(他にマイケル・ジャクソンもノミネート)、「最悪マガジン賞」にソース・マガジン(他のノミネートは無し)という顔ぶれ。

ステージングはシャバに戻ったトニー・イェーヨも参加してイケイケのGユニットだったのですが、炎天下で既に10時間以上にも及ぶイベントに疲れたオーディエンスのノリがイマイチだったらしく、シビれを切らせた50が「今日俺達を観に来たヤツらは騒げ!」みたいなことを言い出し、次によせばいいのに「R・ケリーを観に来たヤツらはどこだ?」とか聞き出したんですね。ホントはGユニットがトリだったハズなのに大トリ出演が緊急決定してしまったR・ケリーに対するヤッカミもあったのかもしれませんが。すると心なしかR・ケリーに対する声援の方が大きかったみたいで、もうアチャーって感じだったんですけど。そしてすっかり心外してしまった50セント、何とあの名曲「Bump N' Grind」のサビをパロって、”I don't see nothing wroooong,
peein' on a little girrrrlll”とか歌いだしちゃったんですよ。敢えて訳すなら”オンナのコにオシッコひっかけたっていいじゃ~ん”てなモンですわ。ところがこれが見事にスベりまして。会場が引いちゃったんですね。「そりゃないだろ~」って感じで。もう50後に引けません。結局は「ワンクスタ」もやらずにマイクを床に叩きつけてステージの袖に消えちゃいました。その他Gユニットのパフォーマンス中、客席から飛んできたパイプ椅子を彼らのホームボーイ達がステージ上から投げ返したりしてちょっとした騒ぎにもなり、NJ州警察が鎮静に入ったりもしてました。後から聞いた話ではパイプ椅子を投げ付けたヤツは昔50とツルんでたラッパー仲間で、自分がムショに入っている間に50がビッグになってしまい、出所してからフックアップしようと思ったのに冷たい顔をされた、とかで相当ムカついていたと、そんな感じらしいです。でもステージ前の席なんて$160とかするのに。真面目に払って入場
したんでしょうか。それちょっとカワイイかも。で、そんなことがあって50におちょくられてしまったR・ケリー、主催者側も説得するのが大変だったと見え、ステージに登場したのはGユニットが終了してから約1時間後。その時点で既に夜中の1時とかなんですけどね。で、めっぽう気の抜けた口パクパフォーマンスで「ああ、やっぱりね…」ってカンジだったんですがまぁいたしかたないかと。

ってここまで散々書いておいて何ですが、個人的に一番燃えたのは
アリシア・キーズのショウの間に挿入されたオールド・スクール・リバイバル・タイム!アリシアがピアノでジャクソン5の「ABC」を弾き、ノーティー・バイ・ネーチャーのトレッチがそれに合わせて「OPP」を演りながら登場した辺りから「おっ・」ってカンジだったんですが、
それから「Hip Hop Hurray」で「ヘーイ、ホー」と両手を振ったくらいじゃまだまだちょろいもんで、次はブラック・シープがいきなり
参上、「エンジンエンジンナンバーナイン…」ってひとしきり合唱した後、ステージ中央に躍り出たのはにゃんと!チャック・Dっすよ!もちろんフレイヴァー・フレイヴも一緒で!!もう、あたり構わず騒いじゃったもんね。「 Rebel Without A Cause」「Fight The Power」「Don't Believe The Hype」を3発立て続けにぶちカマすその姿に、もう身悶えしながらヨジれてました、ハイ。ひと昔前ならつけ毛とつけ睫毛が落ちてる勢いですな。エリカ・バドゥ風の巻き物とかも落ちてたかもな。(分かるヒトには分かるネタです。)いや、しまいにゃ「イェ~~、ボィ~~!!」って叫んでましたからね。昭和でいう
と50年代、西暦でいうと80年代生まれがメインと思しき客層の中ではさぞ怪しいアジア人と思われたことでしょう。ケッ、知るか!

ーとまぁ、こんな感じで連載第1回目にしてはかなりの長文になってしまいましたがお楽しみ頂けましたか?毎回こんなにネタがある訳
じゃないので皆様からの情報、タレコミ、質問等など随時募集しまーす!