いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

フライ・ダディ

2014年06月23日 | 韓国映画
とにかく急激にイ・ジュンギくんが観たくなり、
衝動的に視聴いたしました。

《あらすじ》

妻と娘を愛し、家族を守り、
マンションのローンを堅実に返済してきたフツーのサラリーマン、チャン・ガピル。
娘が受けた暴行事件をさかいに、彼の平凡でしあわせな生活は音を立てて崩れた。
暴行した男子生徒テウクは、VIPの息子で将来有望なボクシングの選手。
権力に負け、娘の名誉と心を守ってやれなかったガピルは、
一念発起してとある男子生徒に弟子入りすることにした。
ケンカ無敵のスンソク。
ふたりの奇妙な師弟関係が始まった。
娘の仇を討ってやりたい、娘を守れる父でありたい。
果たしてガピルは、幸福な日々を取り戻すことができるのか?!


こんな感じです~。
とにかくイ・ジュンギ演じるスンソクがいい。
そしてイ・ムンシク演じるガピル(チャンガ)もナイスです。

ただ……映画としてはちょっと……どうかな、と。
愛すべき部分はたくさんあった映画ですので、以下ネタバレしつつ感想です。


代表的な愛すべきシーンがこれです。愛さずにはいられない。

とにかく前半ダルい。
特訓が始まるまでダルいし、
そのうえ特訓が始まってからもダルい。

え~、この感じで最後までいっちゃうんじゃないでしょうね~と、
ちょっと飽きてきた頃、ばちーん!と目が覚める事件が起こります。

なんだかんだで一緒にがんばってきたチャンガとスンソクの間に、
亀裂が生じるんですね。
チャンガは、自分の特訓や勝負について、学生たちが賭をしていることを知ってしまいます。
必死でやってきたのに、みんなも応援してくれてると思ってたのに、
俺のことをバカにしてたのか!賭の対象にして、かげで笑ってたのか!と傷つくわけ。

でも、スンソクは言うの。
「俺たちが何をしていようが関係ない」って。
だってチャンガの目的は何?
強くなって、テウクを娘と同じ目にあわせてやりたいわけでしょ?
ちっぽけなお前の自尊心が傷ついたってか?
じゃあもうやめるのか?
何のためにお前は特訓を受けているんだよ?

スンソク、クールな男なんで、ここまで言いませんよ。
「俺たちが何をしていようが関係ない」
しか言わないんだけど、心の内はそういうことなんだろうな、と思っただけ。

しかも、この時のみんなの煮え切らない態度のわけが後からわかるという……。
後半クライマックスで、スンソク始め学生たちの隠れた応援が心を打ちます。
じ~んと来たなぁ!

だから、物語としてはすごくいいと思うの。
前半のぬるさが、後半の盛り上がりをより盛り上げてくれる。
チャンガがバスと最後の勝負をするシーンはとっても長いんですけど、
これまでの積み重ねがあるから、結果がわかっていても、ドキドキしながら観ていられるんです。

前半の部分の展開がぬるいのは、そういう仕掛けなんだから、
せめてテンポをあげてほしかった。
コミカルな部分もあって、クスッと笑えたり、
チャンガへの親近感が深まったり、エピソードはいいので、
そこをもっと上手にみせてほしかったなーと思います。

スンソクとチャンガは、師匠スンソク弟子チャンガ、という上下関係で特訓していたのですが、
この事件がきっかけで、
父チャンガ息子スンソクという関係性が出来上がります。
この関係性は、彼らの裏の関係になるのね。

表層的な師弟関係の裏に、もっと深い関係性が隠れて立ち上がり、
物語が厚みを増してきます。


顔の傷はナイフで切られたもの。悪夢の中の犯人の赤い目。

クールでかっこよくて、「人に雇われる生活なんてイヤだ」と若者らしくとんがったスンソク。
でも、彼が抱えている弱さ、優しさが一気に見えてくるの。
もう、ここからのスンソクがいとおしくて仕方がない。
チャンガが見せる父親の表情が素晴らしい。
ラストの「ダディ!」に素直に感激できる要因だと思います。

毎日毎日娘さんの病室へでかけ、お父さんのがんばってる写真と、
体重・体脂肪率を伝え続けたダンスが超うまい男の子。
きっと心の傷を抱えた娘さんは、男子に会うの最初はイヤだったと思うのね。
それが、最後はにっこりして写真を受け取るシーンがあって、すごく癒やされた。私が。


「ありがと」「えへっ」みたいな。

これ、娘さんがまったき暴力を受けた、という設定で助かってるよね。
あのままレイプされてたら、もう陰惨な事件で、
こんな爽やかな終わり方にはどうしてもならないんだけど、
まだ、殴られただけですんだ、ということで観る方が少し救われている。
それでもキツいけど、あの写真を受け取るシーンを見せてくれて、本当にホッとしました。

もしもお父さんが、ただ負けて帰ってきたとしても、
もう、奥さんや娘さんの心は癒やされてる。
もし、負けたままお父さんが泣いて帰ってきても、
これからは、奥さんと娘さんが、お父さんを再生させてあげられる。
そういう風に感じました。

どんだけがんばっても、中年のフツーのおっさんが
高校生ボクシングチャンピオンにかっこよく勝てるわけがない。
殴られまくる最後の試合はリアルだったけど、
ラストは映画的に爽快感を感じさせてくれて嬉しかった。
そうだよ、そうだよ、映画だもん、お話しだもん。
最後はこうでなくちゃ。


ぼろぼろだけど、いい顔になったよね。

チャンガもかわったし、スンソクもかわった。
ふたりの再生の物語がとてもよくて、こうして感想を書いてみると、
なかなかいい映画だったなーと思いました。

編集さえもうちょっとがんばってくれたら、お薦めの映画になったと思いますが、
やっぱちょっと惜しかった気がする。
でも必要な「間」だったんだ、って気もするし、難しいなぁ。
日本版観てみたいけど、お父さん役が堤真一さんでしょ?
わたしすごく好きな俳優さんだけど、この役にはかっこよすぎるね。
チャンガを演じたイ・ムンシクさんが最高だった。
あのおなか、あそこまでしぼったんですよ?
こういうリアルが映画には必要。
ラ・サール石井さんなんかが、イメージとしてはいいんじゃないですかね。

何度もいいますが、ストーリーはとってもいいので、
小説版を読んでもいいなーと思います。
注※韓国語版しかなかった……。金成一紀 著 ちゃんと日本語版があります。
図書館でわたしが探せなかっただけ……。勘違い情報ミアネヨ。
ちなみに原作は「フライ ダディ フライ」
韓国版映画は、なぜフライをひとつ取ったタイトルにしたのかな?


エンドロールのオマケ映像、キレキレダンスはよかった。
あのダンスもうちょっと観たいな、と思っていたので、満足でした。
オマケらしいオマケで、こういうの好きですよ。

またわたしの大好きな役者さん(イ・ジェヨン)が悪い教頭先生役だった。
あの人こんなんばっかじゃない……。
でも好き。

さ、ダラダラ書きましたけど、家族の笑顔でお別れしましょうね。
アンニョン!お幸せに!





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2 コメント

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この話… (HARU)
2014-06-24 20:02:00
原作って金城一紀の小説ですよねー?
私、彼の作品全部読んでて、これも映画は見てないけど原作は読みました♪
堤真一だと、かっこよすぎるっての同感です!!
が、母は映画見たけど結構良かったと言ってた気がします♪
筆者自信が在日朝鮮人だということもあり、だいたいどの作品にも登場人物の一人として出てくるんですが、どのキャラもクールでかっこいいです確か(笑)

韓国版はジュンギオッパなんですね~!
知りませんでした~
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コマウォヨ (ビスコ)
2014-06-24 22:37:40
そう!そうなの!金城一紀の小説!
本文訂正しておくね、ありがとう!
図書館の蔵書検索では韓国版しか出てこないから
おかしいなぁと思ってたんだよ~。
「GO」とかはあるのに~。
もう一回行って司書さんに探してもらおう。

実はわたし、堤真一さんも岡田くんもすごく好きなんです。
SPの映画もちゃんと封切り直後に映画館で観たもん!
だからそのうち邦画も観ると思う。
HARUママは「結構よかった」のね?
そうよね、「俺はまだ本気出してないだけ」の主演を務められる力量の堤さんですもの、
ダメ親父だって余裕で演じてくれるはず……。
でも基本格好良すぎだからな~。

イ・ジュンギくん良かったわ。
クールでかっこよかったです。原作のとおりですね。
金成さんの小説、他の作品も読んでみたいな。
「GO」は発表当時、話題になりましたね。映画化されたし。
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