◆断食についての問答
9:14 そのころ、ヨハネの弟子たちがイエスのところに来て、
「わたしたちとファリサイ派の人々はよく断食しているのに、
なぜ、あなたの弟子たちは断食しないのですか」と言った。
9:15 イエスは言われた。「花婿が一緒にいる間、
婚礼の客は悲しむことができるだろうか。
しかし、花婿が奪い取られる時が来る。
そのとき、彼らは断食することになる。
9:16 だれも、織りたての布から布切れを取って、
古い服に継ぎを当てたりはしない。
新しい布切れが服を引き裂き、破れはいっそうひどくなるからだ。
9:17 新しいぶどう酒を古い革袋に入れる者はいない。
そんなことをすれば、革袋は破れ、ぶどう酒は流れ出て、革袋もだめになる。
新しいぶどう酒は、新しい革袋に入れるものだ。
そうすれば、両方とも長もちする。」
(マタイによる福音書)
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断食による重要性は、パリサイ人たちも認めており、
洗礼者ヨハネも弟子たちに断食をするように教えていました。
ヨハネの弟子たちは全てを捨てて、神を求め、神に従っていました。
だからこそ、彼らはイエス様の弟子たちが
断食をしないことに深い疑念を抱いていたのです。
イエス様は、断食に価値をみとめていなのだろうか。
なぜ、自分の弟子たちに教えないのだろうか。
彼らの疑念の根底には、ヨハネのほうが、
イエス様より霊的指導者として優れているのではないか
という思いがあったのではないでしょうか。
イエス様はそれに対して、
「花婿が一緒にいる間、婚礼の客は悲しむことができるだろうか。」
と不思議な答えかたをされました。
さらに、その花婿は、しきに取り去られるとも述べました。
それは花婿であるイエス様ご自身が十字架上で死なれ、
弟子たちはそのあと、ヨハネの弟子たちと同じくらい
断食をするようになることを意味しています。
ただし、その断食は、イエス様を求めての断食です。
イエス様はこのヨハネの弟子たちの質問を機に、
新しい断食を紹介したのです。