一杯の水

動物であれ、人間であれ、生命あるものなら誰もが求める「一杯の水」。
この「一杯の水」から物語(人生)は始まります。

一杯の水(3)

2005年05月14日 21時43分45秒 | インドの小さな物語
しかしある晩のことです。 雨季の降り続く雨に耐え切れず、ついに河の堤が決壊しました。村は、洪水に襲われ、村中瞬く間に水浸しになりました。家はつぶれ、家畜や人々は押し流されていきます。ナーラダも逃げました。左手に妻を、右手に二人の子供を抱え、もう一人の子供は肩に乗せ、ナーラダは、高台目指して押し寄せる濁流の中を進み始めました。しかし、その流れの速さにナーラダが足をとられた瞬間、肩に乗せていた子供が . . . 本文を読む
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一杯の水(2)

2005年05月14日 00時55分51秒 | インドの小さな物語
ナーラダは水を求めて、ある家の戸をたたきました。 「水を一杯いただけないでしょうか」。 すると出てきたのは、類無く美しい一人の娘でした。 「聖者様、どうぞおあがりください」と、彼女は尊敬の念をこめてナーラダを家に迎え入れました。 彼女はナーラダをもてなしながら、家のこと、家族のこと、そして自分のことを語りました。ナーラダが相談にのっているうちに、いつしか辺りは夜の帳に包まれていました。 「聖者様 . . . 本文を読む
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