
1979年の邦画で、『太陽を盗んだ男』という作品がある。(沢田研二、菅原文太主演)
沢田研二扮する中学の理科教師が、鹿島原発からプルトニウムを盗み出し、アパートで核爆弾を製造する。身のまわりで用意できるものを駆使して水溶液のプルトニウムを爆発する大きさの金属プルトニウムへ仕上げていく。
完成した核爆弾で、政府を恐喝し、ローリング・ストーンズの日本公演を要求するといった内容。(当時はまだ、日本での公演はなかった)
邦画にしては、じめっとしたところのない当時としては珍しい傑作。映画そのものには賛否あると思うが、驚いたのは、核爆弾が驚くほど簡単にできるというところ。
映画の中で、「プルトニウムさえ手に入れば、大学生程度の専門知識があれば作る事は可能」と紹介されている。作る本人が被爆する危険はあるが。
原発はプルトニウム製造工場という側面もある。ウランを燃やし、プルトニウムができる。その過程で出る熱を利用して発電している。
日本では、そのプルトニウムを再処理して再び発電に使用することを考えている。いわゆる高速増殖炉だ。実験炉の『もんじゅ』が福井県にある。一時期は臨界点に達し、成功するかに思えたが、ナトリウム漏れ事故により長い間運転が停止していた。先日、再び運転を開始することが決定したという記事が出ていた。
プルトニウムを燃やせば、何故かプルトニウムは最初より増えてしまう。資源のない日本には夢のような話ではあるが、プルトニウムはウランの数万倍毒性が強い。
冷却に、通常の原発で使用する水ではなくナトリウムを使用する。この制御が極めて困難だという。開発を断念した国が多い中、日本では今でも高速増殖炉を推進している。
もしかしたら、原発のある国は核爆弾を作ることは、さほど難しい事ではないのではないのかもしれない。兵器として配備することは簡単ではないと思うが。
でも、当時のジュリー、かっこ良かったなあ。