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まあどうにかなるさ

日記やコラム、創作、写真などをほぼ週刊でアップしています。

人口減少社会は怖くない

2015-05-09 21:07:34 | 社会問題

週刊新潮の4月30日号で『悪い話ばかりじゃない 人口激減社会の利点検証』という特集が組まれていた。

日本は人口減少に歯止めがかからない。新聞等ではお先真っ暗といった論調がズラリと並んでいる。しかし、悪いことばかりとは限らない。我々の生活は却って豊かになるという意見もあるのだ。

確かに人口減社会は切実である。ピークだった2008年から100万人も減少しており、少子高齢化もますます進んでいる。65歳以上の高齢者は3300万人に増え、14歳以下の2倍を超える。

昨年5月『日本創成会議』が公表した試算によると2040年までに1800を超える自治体のうち、896の市町村が消え失せてしまうと結論付けている。それは北海道、東北地方の約80%、山陰地方の約75%、四国地方の約65%の自治体が消滅可能性都市に該当し、東京の豊島区もリスト入りした。

一方で東京は保育園不足など劣悪な子育て環境に置かれている。東京は『人口のブラックホール』と呼ばれている。地方から若者を吸い寄せるだけで、そこで人口が増えることがないからだ。出生率は全国最低の1.13という有り様なのだ。

 

しかし、人口減少は果たして、悪いことばかりなのだろうか?

「人口減少社会に見合った社会をつくること、つまり、成長拡大社会から成熟濃縮社会を目指すことで、むしろ、私たちの生活は豊かになります」と現代社会研究所の古田隆彦所長は指摘する。

徳川吉宗が8代将軍に就いていた1730年ごろ、江戸時代の人口はピークを迎え、3200万人に達したと推定されている。しかしその後の約70年間で、飢饉や天変地異によって、人口はおよそ300万人減少した。ところが、まさにその時期、蘭学などの学問が栄え、さらに歌舞伎、浮世絵、戯作などの文化が花開いたのだ。

農民は人口が減ったため一人あたりの耕作面積は拡大した。労働力不足に対応すべく新たな農器具を開発し、その結果作物の収穫量は拡大した。豊かになった農民が貨幣を使うことによって経済が活性化したのである。

14世紀のヨーロッパでも同じようなことが起こった。

ペストの大流行によって約7400万人だったヨーロッパの人口はわずか10年の間に5100万人にまで激減した。そのことにより働き手が減っても創意工夫をすることによって農業生産量は保たれていた。少なくなった働き手の賃金は高騰し、その富によってルネサンスが生まれたのだ。

経済規模が変わらないままに人口が減れば、当然一人当たりの取り分は増え、その分豊かな生活を送れることになる。

 

日本では7軒に1軒が空き家だと言われているが、十分に住むことが出来る家も少なくない。スエーデンなどの北欧でも30年以上前に空き家問題が生じている。それによって『ダブルハウジング』という考え方が浸透した。平日は都市部の家で、週末は郊外の家で過ごすというライフスタイルである。日本でも普通のサラリーマンが当たり前のように家を2軒持つことが夢ではなくなるかもしれない。

 

日本が導入した『市場原理主義』によって失った終身雇用など社員を大切にする日本型経営を取り戻すチャンスにもなり得る。

明治大学の飯田泰之准教授は言う。

「90年代の終わりから2000年代いっぱいにかけて、日本は景気が芳しくない状態が続き、失業率も5%半ばまで上昇しました。企業は人材確保が容易だったために、従業員をまるで原材料の一部であるかのように扱いました」

その結果非正規雇用の蔓延などの使い捨て型経営が押し進められたのである。

しかし、人口減少によって人手不足になってくると、従業員こそが一番大切であることがわかってくる。日本企業が伝統的に行っていた『人を中心に据える経営』が見直されることになるはずである。

 

移民受け入れという政策についてはどうだろうか?

お茶の水女子大学の藤原正彦名誉教授はこう語る。

「ヨーロッパの現状を見てみれば議論の余地はありません。移民の数は増加していますが、例外なく受け入れた国で暴動が起き、放火や強盗、殺人などの犯罪が多発するスラムが形成されています」

日本の場合は西欧諸国より深刻な事態を招くのは間違いないという。

日本は他国に比べ単一民族で国家を形づくってきたため、歴史や文化の異なる民族が入ってくることに慣れていないためだ。

それでも移民の話が消えないのは、経団連を筆頭とする財界が賃金を抑えるために人口減少を吹聴しているからであり、失業者や定年後の人々を考慮すれば労働力は十分にある。

 

日本が世界の羨む『1億総中流』の社会を構築したのは70年代、今よりも人口が2000万人も少なかった頃だ。

特集は見方を変えれば人口減社会は恐るるに足らずであると、結んでいる。


少年犯罪の実名報道について

2015-03-14 23:57:33 | 社会問題

中学一年生の上村遼太君は真冬の川で無理やり裸にされて泳がれたあと、刃物で切りつけられて殺害された。

極めて残虐な「川崎中一殺人事件」は少年3人が逮捕される。

先週発売の「週刊新潮」に主犯格の18歳の少年の実名と写真が掲載され、話題になっている。但し、主犯格の少年とともに逮捕された2人の少年については従属的な立場だったとして顔にモザイクをかけ、匿名で報道している。

ネットではすでに実名や写真は出回っているが、マスコミの報道としては初めてである。

少年法には罪を犯した少年の氏名や容貌を報じてはならないとある。テレビや新聞、他の雑誌でも実名報道はしていない。

 

週刊新潮の同じ号に3ページに渡る『「少年法」と「実名・写真」報道に関する考察』とされる記事が掲載されていて興味深い。

少年法をそのまま適用すれは、週刊新潮の記事は違法という事になる。この法律に罰則規定はなく、同誌では過去にも何度か少年犯罪について実名で報道し、顔写真の掲載に踏み切っている。

同誌の言い分として、過去の判決をあげている。98年に起きた「堺市通り魔殺傷事件」で、19歳の犯人の実名を報じたケースだ。少年法に抵触していることから、犯人が名誉毀損で訴えてきたのである。この裁判の控訴審で新潮側は逆転勝利しているのである。

判決の要旨は『仮に一部の市民が(報道によって)名前を記憶していたとしても、そのことによって直ちに更生が妨げられることになるとは考え難い』としている。

そもそも現在の少年法ができたのは昭和23年のこと。戦後の物のない時代、空腹に負けてパンなどを万引きするような非行少年を想定していた。

しかし、最近は大人顔負けの少年による残虐な犯罪が増えてきている。18歳選挙権と合わせて少年法の適用年齢を引き下げるべきという議論は当然起こってくると考えられる。

20歳の青年が万引きで実名報道される一方で19歳の凶悪犯罪犯が自動的に匿名になる。この論理矛盾を説明できるだけの合理的な理由は見当たらないと思われる。

それでも、僕は少年の実名報道には反対である。

少年法は犯罪への罰則という事より更生させるという側面がある。

 

1988年東京都足立区綾瀬で起きた女子高生コンクリート詰め殺人事件。

4人の少年による実行犯が女子高生を猥褻誘拐し長期間監禁、そして強姦、暴行を繰り返した。その期間は2か月にも及ぶ。その後殺害しドラム缶に遺体を入れてコンクリート詰めにして遺棄した残虐な事件である。

4人の少年の犯行は極めて悪質である。そして、監禁は実行犯の一人の自宅で行われており、周囲の大人がなぜ救えなかったのかということも衝撃的だった。

この事件で主犯格の少年は20年の実刑判決を受け服役した。

その後、出所した当時の主犯格の少年のことがテレビで放映されていた。

顔もモザイクがかけられ、声も変え、もちろん匿名である。彼が住む場所なども特定できないように構成してあったが、何と彼は結婚して子供をもち、幸せそうな家庭を築いていたのだ。結婚相手には事件のことを打ち明けたという。

奥さんへのインタビューが印象的だった。

事件のことを打ち明けられ、ずいぶん悩んだが彼との結婚を選んだという。

奥さんと子供にとってはかけがえのない夫や父となっているのだ。

更生したと考えるべきである。

それでも遺族は彼を許すことはできないだろうと思う。

凶悪犯はたとえ刑期を終えても幸せになる権利などないという考えもあるだろう。

だが、人から更生する機会を奪うことはできないはずである。少年であればなおのこと、実名報道によってその機会が奪われる可能性がある以上、するべきではないと考える。

実名報道を伏せたところで、ネットで拡散してしまうので規制は意味がないかもしれないが、だからといってなし崩し的に容認するのは違うと思う。


商品を棚の奥からとる

2015-02-28 22:36:11 | 社会問題

スーパーなどで買い物をするとき、パンなどの商品を棚の手前からではなく、わざわざ奥から取り出す人がいる。

たいがい棚の手前の方が製造日は古く、奥の方が新しい商品が並んでいるためである。商品を見比べると、手前より奥に並べてある方が賞味期限の長い場合が多いだろう。かといって、手前の商品も賞味期限ぎりぎりというわけではなく、十分な消費期間はある。

値段が同じなら何となく新しい方がいいと思う気持ちはわかる。

だが、みんなが奥から商品を取り出すと、手前にある商品はいずれ賞味期限を過ぎてしまい、店側としては廃棄するしかなくなる。

それは、回りまわって価格の上昇となって消費者に跳ね返ってくる。

例えば、本来なら全て売れているはずの商品なのに1割が売れ残ったとすると、単純計算としてメーカーや店側としては、1割値上げせざるを得ない状況となる。

廃棄された商品は客が棚の手前から取れば、売れ残らなかったかもしれないのだ。

賞味期限以内であれば、品質に問題はないはずである。

客の事情で、消費する日が少し先で、どうしても賞味期限の長いものを選ばなくてはならない場合を除き、手前から取るのが、結果的には消費者の得になると思う。

それでも、奥から取り出す人が後を絶たない。

店側も、商品を並べる回数を増やし、店頭にはなるべく賞味期限の同じ商品を並べておけばいいのかもしれないが、それでは店員の手間が増え、人件費が上がる可能性があり、商品の価格を押し上げる原因になってしまう。

棚の奥から商品を取り出す人は、それほど悪気はないとは思う。売れ残り分の価格上昇などはあまり考えず、一人くらいがやってもどうということはないと考えているだろう。

でも、そこは消費者側の想像力が必要なところではないかと思う。


「学校にエアコン」住民投票

2015-02-08 21:19:49 | 社会問題

所沢市の小中学校にエアコンを設置すべきかどうかを問う住民投票が15日に行われる。

エアコン設置の是非を問うのは市立47小中学校のうち航空自衛隊入間基地周辺にある29校である。市は2006年に基地に近い3校に試験的に先行設置することを決めたが、1校のみ設置された後、藤本市長が設置に反対したため、エアコン設置は取りやめとなった。

これに反対した保護者らは8000人の署名を集め、住民投票条例の制定を直接請求した。昨年12月に条例が可決された。

全国の公立小中学校の教室のエアコン設置率は32パーセント以上に上るそうである。

つまり約3分の1にエアコンが設置されている。意外と多い。

僕が小中学生の頃にはエアコンの設置されていた公立小中学校はほとんどなかったのではないかと思う。

所沢で唯一エアコンが設置されている小学校は、かつて息子が通っていた学校である。

入間基地の飛行機の騒音がうるさく、夏でも窓を閉めていたそうだ。当時エアコンはなかったので、授業中は扇風機をかけていた。それでもかなり暑い思いをしたと思う。

この小学校に限っていえばエアコン設置はやむを得ないかもしれない。

だが、窓を開けられる環境ではエアコンは過保護なのではないかと思う。

市長はこう言っている。「扇風機でも暑さには対応できる。便利さや快適さを優先させてきた生き方から自然との調和を図っていく方向に進むべきだ」

僕はこの考えに賛成である。

そもそもこんな事で住民投票というのはいかがなものだろう。

そういうことをきちんとしてもらうために市長や市議を選んでいるのだが。

 


プチイラ

2014-11-24 17:36:20 | 社会問題

イライラするほどの事ではない。

腹を立てることもまずない。

怒ると言うには程遠い。

他人に話しても「そんなこと気にするな」とまず間違えなく言われるほどささいなことではある。

でも、微かにイラ立ち感を感じるプチイラ。

そんなこと身の周りにないですか?

 

●自動ドアなので開くのを待っていると『(ボタンを)押してください』と書いてある。

 それは自動と言えるのだろうか…

 

●喫茶店でビミョウにうるさい。

 騒がしいわけではなく、話し声は小さいのに時々笑い声が異常に大きくビックリしてしまう。

 

●パソコンの電源を切るとプログラムの更新が始まり、なかなか終わらない。

 ノートブックは畳んで閉まっておきたいのに…

 

●バスで誰かが間違えて『つぎ降ります』のボタンを押してしまい、バスが止まったのに誰も降りない。

 「すいません、間違えました」とひとこと言ってほしい。

 

●エスカレーターで左に立つ人、荷物が多いのでビミョウに右に寄っている。

 右を通り抜けるには荷物に当たってしまう。(大阪では左を空けるるそうだが)

 

●本屋で本を取り出そうとすると、ぎゅうぎゅうに詰めて入れてあり取り出しにくい。

 もう少し余裕をもって入れておいてほしい。

 

●改札で前の人がICチップをきちんとタッチしなくて止められてしまう。

 やり直したらちゃんと通れるのだから最初からしっかりタッチお願いします。

 

●満員電車で目の前でスマホの操作をされる。

 せめて顔面の前からは少し位置を変えてほしい。

 

●満員電車でリュックを背負ってスマホをしている乗客。

 

●雨の日、電車の中で座っていると、前に立った乗客の傘がズボンに触れる。

 混んでいるので仕方がないのかもしれないけど、本人はスマホをしていて気が付かない。

 

●満員電車で異常に他人に触れるのを嫌がる乗客。

 

●スーパーでパンなどをわざわざ棚の奥から取り出す客。

 そのせいで期限切れが増え、結果売れ残りが増えて値段が上がるのだが…