バリ記 

英語関係の執筆の合間に「バリ滞在記」を掲載。今は「英語指導のコツ」が終了し、合間に「バリ島滞在記」を連載。

英語指導のコツ23 英語は語順に厳しい

2019-11-21 10:07:04 | 私の英語講習
英語と日本語の違いを考えていると、日本語は自分を主張すること、意見を述べること、議論することには向かない言語だなあ、と思います。俳句や短歌などを見ているとまた微妙なことが表現できると思うのですが、高校生たちに俳句甲子園を見ていると、批評し合うのですね。こういう批評ということが高校生らもやり始めているわけです。日本語だけで暮らしている多くの人は自分の喋っている言語が当たり前だと思っているわけですが、ここに英語という言語体系を持ち込んでみると、例えば、You ということを考えてみても、だれにでも You を使うわけで、日本の「あなた」「おまえ」「君」「あんた」「てめえ」、私の暮らす紀州尾鷲弁ではさらに「いな」「われ」が加わってきます。これらの言葉「力関係」「序列意識」「年齢意識」が入っているもので、英語とは全く違います。なんだか民族独自の言語がある限り、この国は変わらないような気もしてきます。インドネシアは新しい言葉を作りました。学校教育で標準インドネシア語を話し、書けるようにしました。そして文字もアルファベットにしました。大改革でした。マレー語を参考に、シンプル化したのです。バリ島ではカーストによって使う言葉が違っていましたが、それもなくなりました。「言語の改革」を唱えている日本列島人を私はまだ知りません。

 さてさて、こんなところで、今日の課題です。


英語は語順に厳しいぞ
  日本語は寛容で、どうでもいいところがあるぞ


「昨日僕は車で東京に行きました。」
 という文を並び替えて同じ意味の通じる文にしてみます。
 幾とおりでもいいのです。
    僕は昨日東京に車で行きました。
    昨日車で僕は東京に行きました。
    車で昨日東京に行きました。
    東京に昨日車で行きました。
  このぐらいですかね。だいたい4通りですね。
 これを英語にしてみると、
   I went to Tokyo by car yesterday. か
   Yesterday I went to Tokyo by car.

  この2通りです。「昨日=yesterday」が動かせるくらいです。
  しかも決まっています。前か後ろって。
英語というのはとても語順に厳しいのです。日本語のほうは結構単語を
 動かせます。英語は 
 I went to Tokyo by car.

  は動かせないのです。
 だから日本語を勉強する英語圏の人ははじめ戸惑うかもしれませんね。 逆に英語を習う日本人も戸惑うはずなんです。英語は語順に厳しいのですから。

 Let's have a meal at Happy Bali Restaurant tonight.

 と言えば、場所の次が時を表す言葉がくるとか、こういうことにもうるさいのが英語です。その点日本語は楽です。 どこで 「ハッピーバリ」 を言おうと、「今晩」を言おうといいのですから。

 だいたい、誰が、何する、何を、どこで、いつ ぐらいの文の要素が
世界の言葉の普遍的な要素です。それが言えればわかるみたいなところってあります。英語はこの点はシンプルです。入れ替えなしが原則だから、何を順番で並べたらよいか。それは5つしかないのですから。
 前回にも並べましたが、
  ①だれだれは なになにする。 例えば、
  I run. みたいなもの。(私は走る。)
  ②だれだれは なになにである 例えば、
  I am a teacher. みたいなものの。(私は教師です。)
  ③だれだれは なになにを なになにする。
  I bought a watch. みたいなの。(私は時計を買った。)
  ④だれだれは だれだれに なになにを なになにする。
   I gave him my pen. (私は彼に自分のペンをあげた。)
  ⑤だれだれは なになにを(だれだれを)なになにと する。
   I call her Sue. (私は彼女をSueと呼ぶ)

 これだけですね。例外的には なんだ?これって、いうのはあります。こんな文です。
 There is a post office near here. みたいなものです。
 ほとんど例外なく文はこの5つの並べ方におさめなさい、というのが
英語なのです。これさえ覚えておけば、喋るには十分です。
 それに場所を表す語句と時を表す語句が加わればぐんと文っぽくなります。
  Tell way station.で 何を言っているかわかりますね。
  この間にくる meや the とか to  など必要ないのです。
  Could you などというのも要らない。態度でわかってしまいます。
  話す場合は、要素だけで事足りるわけです。読む場合もそうです。The とか to とか気にしないことです。きちんとした文書を書く場合はそうはいきませんが。
この5つを呪文のように覚えればいいのです。 それに単語を置き換えるのです。こまかいthe とか to はまたいずれ話します。
語順についてでした。