バリ記 

英語関係の執筆の合間に「バリ滞在記」を掲載。今は「英語指導のコツ」が終了し、合間に「バリ島滞在記」を連載。

リスニング練習は体を通して

2019-11-12 10:53:17 | 私の英語講習
パート2 英語のリスニング力をつける

リスニング力はからだを通して

 何を言っているかさえわかれば。なんとか単語を駆使して話をしてみることもできそうです。何を言っているのかわからないと困ったことが起きるので、及び腰になってしまいます。
 英語学習の初期にリスニング力をつけるのは、「身体を通して」しかありません。直接自分の耳に聞こえてきて、自分が何かをしなければならない。教科書に書かれているものをいくら聞いても直接自分のこととは関係ありません。教科書のなかでの話です。

ところが、ALTの先生が、英語がまったくわからない子供に、 Stand up, please と言います。生徒は何を言っているのかわかりません。 先生はまた同じように Stand up,please. と言います。生徒は「なんだかスタン アップ・・と言っているなあ」と思います。耳にそう聞こえているのです。でもまだ意味がわかりません。先生は、また Stand up, please. と言って、手のひらを上に向け、上の方に、なんども腕を上げます。生徒は、「あれ、立て」と言っているのかな、と思い、立ってみました。すると先生は Good boy と言い、にっこりしています。すると先生は Raise your right hand. と言いました。
「ウレイズヨアアイハン」と聞こえます。先生は手をさして hand, hand と言い、右手を指してright hand 左手を指して left hand と言います。生徒は、「手が ハンドで、ウライハンは 右手のことかな、と思います。先生はまた Raise your right hand, please. と言います。ウレイズヨアがわかりません。先生はまた Raise your right hand, please と言います。生徒はわかりません。先生は生徒の右手をとって、Raise your right hand, please. と今度はゆっくりと言って、生徒の右手を上げました。生徒は、「ウレイズ というのは上げろということか」と思います。「そうか右手を上げればいいんだ」と思い、右手をあげてみると、先生は Good boy と言いました。すると先生は、Then, raise your left hand, please. といいました。レフトと聞こえます。さっき左手を指して レフトハン レフトハン と言っていました。生徒は左手を上げました。先生はにっこり笑って Good boy と言いました。先生は Sit down,please. といいました。同時に手を下のほうに動かし、なんだか「座れ」と言っているようです。それで、思い切って、座ってみました。先生は大喜びして Good boy と言いました。
 ほっとして椅子に座ったら、また先生が Stand up, please.と言いました。今度は、すぐにすっと立ちました。

先生の言う指示を聞いてからだを動かす。これが最高のリスニング力の養成のしかたです。準備するものも何もいりません。
 先生は文法めいたことは一切言いません。

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 さて、一昨日の朝日新聞の読者投稿で「英語は読み書きをしっかりと」という意見で「読み書きができていれば、リスニング力、スピーキング力はなんとかなっていくものだ、というような意見が載っていました。
 ぼくはこの意見には反対です。スピーキングについてはほぼ同意見です。なんとかなります。
 なんとかならないのは「リスニング力」である。これは慣れが必要です。何度も何度もいろいろな文を聞いて理解できるようにする訓練が必要なのです。これを大人になってからやれ、というのはちょっと酷です。もういいや、となってしまいます。それではだめなのです。
 
 ぼくの友達はフランスに居ます。フランスで日本人同士結婚をし、子供が二人。今はその子供も働いています。驚くのはパリの学校に行っているとそうなるのでしょう。まず、男の子は、フランス語、日本語、英語、それの中国語ができます。結局香港の女性と結婚しました。今は日本に住んでいます。
 次女の子はフランス語、日本語、英語、ドイツに留学したことがあるので、ドイツ語、現在イタリアで仕事をしていて、イタリア語もできるようです。

 たぶんこれは環境のせいなのです。雅子皇后もそうです。いろいろな国にいたという環境です。
 日本列島人はこの点が不得手なところです。せめて英語。これを獲得させる。そして次の言語と進めばいいのです。