バリ記 

英語関係の執筆の合間に「バリ滞在記」を掲載。今は「英語指導のコツ」が終了し、合間に「バリ島滞在記」を連載。

英語指導のコツ22 省いてしまう日本語

2019-11-20 13:09:03 | 私の英語講習
「誰が」と「何」をよく省いてしまう日本語
  「誰が」と「何を」が重要で、省かない英語


 この日本語を見てください。

 A: どこへ行くの?
 B:: ちょっとそこまで。
 A:: どう、このごろどうしてる?
 B:: まあ、元気でやっているよ。

 どうですか。何を思いますか。普通の日常の会話ですよね。話しがすべて「あいまい」だとは思いませんか。 英語だったらこうなります。
 A: Where are you going?
  B: :I'm going over there.
  A: How are you doing now?
  B: Not bad. I am good.

 こんな風です。
 比較しますと、英語は「誰が」を必ず言っています。
「どこへ行くの?」は当然誰がどこかへ行こうとしているのはわかっているんだから、別に言わなくても、と思うけど、英語では絶対「誰が」を言います。。よく見ると日本語は主語を省略してしまっていますね。

「誰が」というのを英語は絶対に省きません。
 「何を」に相当する言葉も日本語はよく省いてしまいます。「何を」って聞き返すことが 多いのです。日本人は簡単に「何を」を落として言ってしまっています。
 A: 食べる?(誰が? 何を?)
 B: うん、ありがとう。 (誰が感謝するのか)
 A: どうこのごろ?(何が?)
 B: まあまあ、ってとこだ。(何がまあまあなのか)

  これを英語にしたら、
 A: How do you like it?
 B: Thank you.
 A:  How are you?
 B: Not bad.

 日本語の方は 「誰が」と「何を」がありません。雰囲気、状況でわかるのです。これも昔からの名残りだと思います。日本は昔村落共同体があって、周りには人がいっぱいいて、プライベートというのなんかなくて、厳密な言葉で喋る必要はなかったんでしょう。ところが英語の国では早くから「個人主義」が発達しました。「個人の義務も責任も権利」も発達したのです。
 日本では自分を主張することも憚れます。得手が悪いのです。それが主語を省いてしまう習慣になったのでしょう。「何を(目的語)」を省略してしまうのは、言わなくたって、何を言っているのか周りのものはわかったんでしょうね。。英語の国は言葉をきちんと厳密に話をして相手と話すことを余儀なくされた。それは早くに村落共同体を捨てたからだと思います。

  英語では主語(誰は)と目的語の(何を)は絶対言わなければならない言葉なのです。日本人のデベイト下手はこんなところに言語の違いがあるからなのかもしれません。ここは決定的に違うところです。よくこの違いは覚えておきましょう。
 言葉の背景には文化や歴史があります。日本語は省略は平気。英語は省略はだめ。でもみんなの前で話す人って「誰が」「何を」「どうした」ははっきり言うから話がよくわかるんだ。話し上手は「ツボを外さないこと」です。
 ところが実際の日本語の会話はツボはずしばかりで、外国人が日本人と
会って話をしたとき、そのあいまいな表現のしかたには相当戸惑うのではないでしょうか。
 英語って、

  ① だれだれは する
  ② だれだれは なになにです。
  ③ だれだれは なになにを なになにする
  ④ だれだれは だれだれに なになにを なになにする
  ⑤ だれだれは なになにを(だれだれを)なになにと呼ぶ(なずける)

 シンプルにこれだけが文の基本要素です。それが順番に言えたり書けたら、だいたいが話せるようになるし、書けるようになります。話す時は a とか the とか s とか in や at など気にしたらいけません。順番に大事な単語を言えばいいのです。そのときに「誰」「何」を絶対に言うのを忘れないのです。