バリ記 

英語関係の執筆の合間に「バリ滞在記」を掲載。今は「英語指導のコツ」が終了し、合間に「バリ島滞在記」を連載。

英語指導のコツ17 強く聞こえる音

2019-11-13 15:35:11 | 私の英語講習
強く聞こえてくる語をとらえる
 
英語には強く言うところと弱く言うところがあって、強く聞こえてくるところを聞き逃さず、何を言っているのかとらえたらいいのです。
 例えば
  Could you tell me the way to the station? といいまわしは、tell way station が聞けたらわかるのです。これは日本語の言い方とはまったく違います。日本語はどれも平等にひとつひとつの音をはっきりいいます。「Eki he iku michi o oshiete itadakemasuka」 英語では could も you も me も the も to も弱く聞こえます。あんまり重要じゃないから音が弱いのです。
  先生とのやりとりで、そんなことがわかってきます。こういう訓練をしていない人は、弱い音がききとれず、そこに気をとられてパニックになってしまい、あわててしまいます。
 どうでもよいことに気をとめず、肝心なところだけ聞き取る。まずはそんなところから始めましょう。
 しかし、教える側は、どんな指示文を順序だてして教えていくか、という台本のようなものがなくてはいけません。生徒は台本は知らなくていいのです。からだを通して言葉がなんとなく入っていきますから。

 私には他に初期英語指導でのリスニング力を速効でつけていく妙案がこれ以外に浮かびません。ゲームですると言ってもゲームを作る手間。それに英語文の限界があります。

 私たちはお母さんのお腹の中にいて耳が聞こえるようになってきてから、お母さんやお父さんが話しているのが聞こえていました。嬉しそうな会話も、悲しそうな会話も、お父さんが怒っているときの声も。お母さんがときどき、お腹のほうに向かって語りかけてくれたことも。そして、オギャアと言って産まれてからも1年、2年としっかりとリスニングをしてきたのです。そのリスニンの基礎があって、喃語に始まり、やっと言葉を口にし始めたのです。
 これと同じ道をたどるのが「からだを使ってリスニング練習」です。
 Total Phsical Response と英語でいいます。TPRと呼びます。。

 ここでは英語圏の先生もこの台本が使えるよう巻末の台本をのせてあります。マニュアル、または参考として利用してください。
日本文は ローマ字で書きます。



 TPR 1 はじめ

1. Stand up. Tachinasai.
2. Look to the side. Yoko o minasai.
3. Look forward. Mae o minasai.
4. Look back. Ushiro o minasai.
5. Raise your right hand. Migite o agenasai.
6. Put your right hand down. Migite o sagenasai.
7. Raise your left hand. Hidarite o agenasai.
8. Put your left hand down. Hidarite o sagenasai.
9. Clap your hands. Te o tatakinasai
10. Sit down. Suwarinasai.

これに、please をつけると丁寧になること教えます。
ここではしませんが、やがてはCan you ~ Will you ~ would you~ Could you ~ と丁寧な順につけていくこともできます。
 生徒は your という意味はなんとなく「あなたの」という意味であることがわかってくるかもしれません。来ないかもしれません。しかしそれはどちらでもいいのです。やがて必ず気がついてきます。

TPR 2  身体の部分 と your my his her

1.Touch your face. Kao o sawarinasai.
2. Feel your cheek. Hoho o nadenasai.
3.Pat your shoulder. Kata o tatakinasai.

(Poin to –)
4. your face my face anatano kao watashino kao
5. your nose my nose hana
6. your eyes my eyes me
7. your mouth my mouth kuchi
8. your lips my lips kuchibiru
9. your hand(s) my hand(s) te
10.your finger(s) my finger(s) yubi
11.your arm(s) my arm(s) ude
12. your head my head atama
13. your back my back senaka
14. his shoulder his shoulder kata
15. his leg(s) his leg(s) ashi
16. his foot(feet) his foot(feet) ashi
17. his knee(s) his knee(s) hiza
18. her toe(s) her toe(s) tsumasaki
19. her eyebrow(s) her eyebrow)s) mayu
20. her chest her chest mune
21. her stomach her stomach onaka
22. her neck her neck kubi
23. my hip your hip oshiri
24. my tongue your tongue shita
25. my teeth your teeth ha
26. my cheek your cheek hoho
27. my chin your chin ago
28. my elbow(s) your elbow(s) hiji
29. my forehead your forehead hitai
30. my nail your nail tsume
31. my ear your ear mimi
32. my skin your skin hifu(hada)

こんな調子です。一度でできなければ2つにわけて。なんどもなんどもすればいいのです。子供のやわらかい頭はどんどん吸収していきます。
his や her がでてきますが、his は男子にher は女子につけて言うのか、と思うぐらいで結構です。日本語の子供の世界では「彼の」とか「彼女の」という言葉は使いません。「お母さんの」「おとうさんの」「○○ちゃんの」と具体的です。ここも日本語と英語の大きな違いなのです。

 ALTの先生が参考になるよう、TPR No.1からNo.90 まで付録として巻末におさめています。だいたい中学1年生ぐらいまでに使えるものです。必要なものを選んでいただいて利用するのも結構です。わりあいとくどく載せていますので、削っていただいても結構です。

このTPRの台本はこのホームページからダウンロードができるようになっています。