【老子の道】
天之道、利而不害。 (天の道は利して害せず)
聖人之道、為而不争。(聖人の道は為して争わず)
(「老子」第八十一章)
≪パン国連事務総長、再任演説に「老子の名言引用」―中国新聞網は22日、今年いっぱいで任期の切れる潘基文(パン・ギムン)国連事務総長が次期も続投することが決定し、老子の言葉を引用して再任演説を行ったと伝えた。国連の公式ページによると、任期は来年1月1日からの5年間。潘事務総長は、1945年のサンフランシスコ会議で用いられたオリジナルの「国連憲章」の上に左手を乗せ、右手を掲げながら再任を宣言。就任演説では中国の古代哲学者である老子の「天の道は利して害せず、聖人の道は為(な)して争わず」という文言を引用し、「このような普及の知恵を今の仕事に生かし、百家争鳴の中から行動の統一性を見いだす」ことを強調した。また、気候変化、金融危機など世界規模の危機が訪れる時代において協力関係を強め、協力的かつ一致した行動を取らなければならないとし、「国連事務総長として全力を尽くしたい」と意気込みを新たにした。≫(6/22 サーチナ)
∇【国際連合憲章】前文:≪われら連合国の人民は、われらの一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い、基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小各国の同権とに関する信念をあらためて確認し、正義と条約その他の国際法の源泉から生ずる義務の尊重とを維持することができる条件を確立し、一層大きな自由の中で社会的進歩と生活水準の向上とを促進すること並びに、このために、寛容を実行し、且つ、善良な隣人として互いに平和に生活し、国際の平和及び安全を維持するためにわれらの力を合わせ、共同の利益の場合を除く外は武力を用いないことを原則の受諾と方法の設定によって確保し、すべての人民の経済的及び社会的発達を促進するために国際機構を用いることを決意して、これらの目的を達成するために、われらの努力を結集することに決定した。よって、われらの各自の政府は、サン・フランシスコ市に会合し、全権委任状を示してそれが良好妥当であると認められた代表者を通じて、この国際連合憲章に同意したので、ここに国際連合という国際機構を設ける。≫
∇1944年、 米国、英国、中国、ソ連の代表がワシントンD・C郊外のダンバートン・オークス・ガーデンで会議を開き、憲章の原案となる「一般的国際機構設立に関する提案」を作成、45年10月24日正式に成立した。日本は1951年(昭和26)9月8日、サンフランシスコ平和条約を全権委員(吉田茂首席全権)が署名し、1952年、日本国として国際連合への加盟申請を行うことを閣議において決定、56年に加盟した。加盟国は2010年現在192カ国である。前文にある≪基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小各国の同権≫≪共同の利益の場合を除く外は武力を用いないこと≫≪すべての人民の経済的及び社会的発達を促進する≫等々は、実際のところ“謳い文句”で終わっている。老子の「利して害せず、為して争わず」という名言の実現を望む者である。その為のキーポイントは、第六十七章にある、所謂“老子の三宝”の実践にある。曰く、≪我に三宝有り。持して之を保つ。一に曰く、慈。ニに曰く、倹。三に曰く、敢て天下の先とならず≫と。先ずは相手に対する慈=慈しみの心、温かい思いやりの心。ニには、倹=倹約、つつましやかなこと。自分ばかり欲張らないこと。そして三つ目が、「オレが/\」、とシャシャリ出ないこと。他者に譲る精神を持つこと。それが出来れば世界は間違いなく“四海の内は皆な兄弟”(「論語」顔淵篇)たり得る。──是非そうあって欲しいものだ。暑いので今日はこゝまで。
天之道、利而不害。 (天の道は利して害せず)
聖人之道、為而不争。(聖人の道は為して争わず)
(「老子」第八十一章)
≪パン国連事務総長、再任演説に「老子の名言引用」―中国新聞網は22日、今年いっぱいで任期の切れる潘基文(パン・ギムン)国連事務総長が次期も続投することが決定し、老子の言葉を引用して再任演説を行ったと伝えた。国連の公式ページによると、任期は来年1月1日からの5年間。潘事務総長は、1945年のサンフランシスコ会議で用いられたオリジナルの「国連憲章」の上に左手を乗せ、右手を掲げながら再任を宣言。就任演説では中国の古代哲学者である老子の「天の道は利して害せず、聖人の道は為(な)して争わず」という文言を引用し、「このような普及の知恵を今の仕事に生かし、百家争鳴の中から行動の統一性を見いだす」ことを強調した。また、気候変化、金融危機など世界規模の危機が訪れる時代において協力関係を強め、協力的かつ一致した行動を取らなければならないとし、「国連事務総長として全力を尽くしたい」と意気込みを新たにした。≫(6/22 サーチナ)
∇【国際連合憲章】前文:≪われら連合国の人民は、われらの一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い、基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小各国の同権とに関する信念をあらためて確認し、正義と条約その他の国際法の源泉から生ずる義務の尊重とを維持することができる条件を確立し、一層大きな自由の中で社会的進歩と生活水準の向上とを促進すること並びに、このために、寛容を実行し、且つ、善良な隣人として互いに平和に生活し、国際の平和及び安全を維持するためにわれらの力を合わせ、共同の利益の場合を除く外は武力を用いないことを原則の受諾と方法の設定によって確保し、すべての人民の経済的及び社会的発達を促進するために国際機構を用いることを決意して、これらの目的を達成するために、われらの努力を結集することに決定した。よって、われらの各自の政府は、サン・フランシスコ市に会合し、全権委任状を示してそれが良好妥当であると認められた代表者を通じて、この国際連合憲章に同意したので、ここに国際連合という国際機構を設ける。≫
∇1944年、 米国、英国、中国、ソ連の代表がワシントンD・C郊外のダンバートン・オークス・ガーデンで会議を開き、憲章の原案となる「一般的国際機構設立に関する提案」を作成、45年10月24日正式に成立した。日本は1951年(昭和26)9月8日、サンフランシスコ平和条約を全権委員(吉田茂首席全権)が署名し、1952年、日本国として国際連合への加盟申請を行うことを閣議において決定、56年に加盟した。加盟国は2010年現在192カ国である。前文にある≪基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小各国の同権≫≪共同の利益の場合を除く外は武力を用いないこと≫≪すべての人民の経済的及び社会的発達を促進する≫等々は、実際のところ“謳い文句”で終わっている。老子の「利して害せず、為して争わず」という名言の実現を望む者である。その為のキーポイントは、第六十七章にある、所謂“老子の三宝”の実践にある。曰く、≪我に三宝有り。持して之を保つ。一に曰く、慈。ニに曰く、倹。三に曰く、敢て天下の先とならず≫と。先ずは相手に対する慈=慈しみの心、温かい思いやりの心。ニには、倹=倹約、つつましやかなこと。自分ばかり欲張らないこと。そして三つ目が、「オレが/\」、とシャシャリ出ないこと。他者に譲る精神を持つこと。それが出来れば世界は間違いなく“四海の内は皆な兄弟”(「論語」顔淵篇)たり得る。──是非そうあって欲しいものだ。暑いので今日はこゝまで。