残照日記

晩節を孤芳に生きる。

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2011-06-23 18:39:39 | 日記
【喧々諤々】
≪ナニ、誰を味方にしようなどと云ふから、間違ふのだ。みンな、敵がいゝ。敵が無いと、事が出来ぬ。国家と云ふものは、みンながワイ/\反対して、それでいゝのだ。≫(「海舟座談」より)

≪菅首相、続投に意欲=「復興へ燃え尽きる覚悟」 菅直人首相は23日午後、今後の政権運営に関し、「(東日本大震災からの)復旧・復興と、福島第1原発事故の収束に向け全力を挙げ、燃え尽きる覚悟でこのことに取り組みたい」と述べ、続投への意欲を表明した。沖縄県糸満市内で記者団の質問に答えた。≫ (時事通信)

∇70日の会期延長劇は、当然ながらマスコミの一斉批判を受けている。例えば6大新聞の今朝の社説の題名をあげれば、中味が推察できる。<70日会期延長 政治の機能不全極まれり>(産経)<国会会期延長 首相延命策には付き合えない>(読売)<延長国会―さっさと懸案片づけよ>(朝日)<国会70日間延長 政治の原点を忘れたか>(東京)<70日延長 国会こそ復興の道歩め>(毎日)<延長国会で懸案処理し退陣へ道筋を。>(日経)──批判の内容は常識的に鑑みれば誰もが同感するであろう「茶番劇」のことで、全紙それを糾弾している。問題は今後どうすべきか。相も変わらず首相の早期退陣を叫んでいるのが読売・産経だ。<早急に首相の職を辞すべきだ。新しい体制を築く以外に政治再生への道はない。>(読売)<できる限り早く、衆院解散・総選挙を行い、民主党政権の是非に対して、国民の審判を仰ぐべきである。それが難しいなら菅首相は一日も早く退陣して「新たな体制」を構築し、東日本大震災という国難を克服せねばならない。>(産経)

∇何故未だに“早期退陣”“菅降ろし”を訴えねばならないのだろう。殆どの新聞が<政治空白をこれ以上広げてはなるまい>と尤もらしい言葉でそれを表現しているが、「政治空白」は現実にあるのか。あるとしたらどの点で空白があり、それは菅首相が退陣表明をしないからか。与野党こぞって「菅降ろし」のみに明け暮れているからではないのか。マスコミの使う常套語でぼかされてはいけない。この点は再度自分の頭で検証してみる必要がある。もう一つ日経がこんな指摘をしている。<すでに退陣を表明し、与党内の支持を失った菅首相がいつまでも政権の座にとどまれば、日本の国際的な地位低下をさらに加速させかねない。> これも尤もらしく聞こえ、かつよく用いられる言葉であるが、<日本の国際的な地位低下云々>には疑義を感じる。早期退陣をしないからそうなるのか。仮に<国際的な地位低下>があるとしたら、恐らく、この大震災の最中、菅首相+与野党の繰り広げる「茶番劇」全体を以て、日本の政治のレベルの低俗性を失笑するだけの話だろう。他国のことに彼らも構ってはおれない事情を抱えているからだ。

∇<自民党は首相の退陣をめぐり民主党内の模様眺めだった。首相の下では人災が広がるなどとして、「一日も早い退陣」を求めていた対決姿勢はどこへいったのか。>と、自民党を責めたのは産経のみだった。賛成だ。今回の一連の「菅降ろし」劇は、喧嘩両成敗だ。そこで、次の朝日の提案は一考すべきだと思うがどうだろう。<内閣不信任案が否決されている以上、首相を引きずりおろすのは容易ではない。 ここは、すべての国会議員が大胆に発想を変えたらどうか。 「首相おろし」で与野党が協調できるのならば、首相が意欲を示す政策課題に取り組み、さっさと片づけてしまうのだ。 慎重を要する審議を早く打ち切れというのではない。進めるべきことをきちんと進める。それだけで、首相がとどまる理由を消していける。>と。例えば、「特例公債法案」「 再生エネ法案」等の<成立を引き延ばして首相を追い込む戦術を改め(早期に)成立させるのだ>と。結局、70日延長をどう活用するか、が大切だ。<菅直人首相の退陣時期を含めすべてが先送りされた観があるものの、新ステージに入ったのも事実だ。これを機に国会の再生を強く望む。>(毎日)<与野党合意なき延長で対立激化が避けられないとしても折角の国会延長だ。国民、特に被災者の思いに応える論戦を交わしてほしい。>(東京)


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