残照日記

晩節を孤芳に生きる。

地球温暖化

2011-11-29 15:56:03 | 日記
【富や福という字の意味】
≪富という字はウカンムリに一口の田。福はシメスヘンに一口の田。一口とは一人の口の意。一人一人が食うだけの田圃を頂くことが福。今日一日生きていかれることが福。今日暮らせるだけの財産があることが富である。今日暮らせることを感謝することが、人生の一番大事である。≫(山田無文「遺教経講話」)

≪COP17開幕。カナダが京都議定書から離脱示唆──約200カ国が参加する気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)が28日、南アフリカのダーバンで開幕した。京都議定書の期限切れが2012年末に迫る中、13年以降の温室効果ガス排出の削減に向けて協議する最後の機会となる。温室効果ガスの排出削減をめぐっては、先進国と発展途上国の主張の溝は深く、進展は厳しい見通し。化石燃料を使用する権利は認められるべきと主張する途上国側に対し、先進国は主要な新興国もガス削減に従うべきだとしている。…カナダの地元テレビは、同国が年末までに京都議定書から離脱する見込みだと報道。これに対し同国のケント環境相はコメントを控える一方、京都議定書は「過去のもの」だと指摘。議定書に署名したことは当時の政府による「最も大きなミスの一つ」と述べた。同国は温室効果ガス排出の削減方針を支持するとした上で、中国やインドを含めたすべての国が対象となるべきだと主張している。≫[ダーバン/オタワ 28日 ロイター]

∇「京都議定書」(1997年に採択)では、先進国を対象に2008年から12年までの二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量を90年比5%削減するとした数値目標を設定した。我が国に至っては、2年前、政権交代に伴い、2020年までに00年比で室温効果ガスの25%削減という高い目標を掲げた。だが、大震災、原発停止等により削減目標達成が至難な日本、雇用・経済不況・金融危機に直面する欧米諸国にとって、「温暖化対策」の関心は薄れがちだ。もともと、中国やインドなど発展途上国には削減義務が設定されておらず、米国は離脱している。野田政権も29日、COP17の対応方針を決めた。≪2012年末で温室効果ガス削減の義務づけ期間が終わる京都議定書について、次の約束期間をつくる「延長」には加わらないことを確認。仮に延長が決まった場合には参加を拒否し、先進国に削減義務を課す「京都体制」から離脱する姿勢を鮮明にした。 …対応方針では、世界一の排出国である中国に義務がなく、2位の米国が批准していない京都議定書は世界の排出削減につながらないとして、米中も含めて削減義務を課す新体制を目指すとした。≫ (11/29朝日新聞)

∇米エネルギー省の速報(11/3付け)によれば、2010年の世界全体の二酸化炭素(CO2)排出量は09年と比べて約6%増の335億トン。1年間の増加量としては過去最高の伸びを記録したそうだ。日本が排出する約1.7倍の量が1年間で増えた勘定になるという。増加量の多いのは米国と中国で、この2国だけで世界の増加量の半分以上を占めているとも……。AP通信によると、排出量の増加は、今世紀末の平均気温が20世紀末に比べて4℃上がるとした「最悪シナリオ」の想定を上回る勢いで、更なる気温上昇の恐れも出て来ているとしている。されば、カナダが、≪温室効果ガス排出の削減方針を支持するとした上で、中国やインドを含めたすべての国が対象となるべきだ≫と主張したり、我が内閣が≪対応方針では、世界一の排出国である中国に義務がなく、2位の米国が批准していない京都議定書は世界の排出削減につながらないとして、米中も含めて削減義務を課す新体制を目指す≫、とするのは妥当だといえる。≪海面上昇や異常気象で毎年数百万人が洪水被害に遭い、生物種の4割以上が絶滅──。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)報告書が警告を鳴らした被害が現実になる恐れは高まっている。≫(11/29朝日新聞)。本当にそうなのだろうか? そうだとするなら、世界全体で「経済至上主義」をどこかで“やめる”しか手立てはあるまい。どうする?!