残照日記

晩節を孤芳に生きる。

住めば都

2011-11-25 17:38:50 | 日記
 【住めば都】
≪同じくは是に留まり給ふべし。
   住めばいづくも都なり。
(最初の三味線歌謡集「松の葉」)

∇≪日本で一番幸せな都道府県は?≫を研究した、法政大学院政策創造研究科坂本光司教授らによる「幸せ度」に関するランキング付けは、地域住民の幸福度を端的に示していると思われる平成22年度までの40の指標を抽出・加工し、10段階評価を行なって、指標ごとの評点の平均値(総合平均評点)を計算し、順位を出したのだそうである。詳細は、以下の4部門40分野。

■生活・家族部門(9指標)〈1.出生率 2.未婚率 3.転入率 4.交際費比率 5.持ち家率 6.畳数 7.下水道普及率 8.生活保護費率 9.保育所定員比率〉■労働・企業部門(10指標)〈10.離職率 11.労働時間 12.有業率 3.正社員比率 14.就業希望者比率 15.就業期間 16.完全失業率 17.障がい者雇用比率 18.欠損法人(赤字企業)比率 19.平均工賃月額〉■安全・安心部門(12指標)〈20.刑法犯認知数 21.公害苦情件数 22.交通事故件数 23.出火件数 24.労働災害率 25.地方債現在高 26.負債現在高 27.貯蓄現在高 28.老人福祉費 29.手助け必要者比率 30.悩みストレス比率 31.相談できない人比率〉■医療・健康部門(9指標)〈32.休養時間 33.趣味・娯楽時間 34.医療費 35.病床数 36.医師数 37.老衰死亡者数 38.自殺死亡者数 39.平均寿命(男)40.平均寿命(女)〉

∇その結果、総合ランキングは、昨日述べたものを再掲すると次の通りだった。第1位:福井県、第2位:富山県、第3位:石川県と北陸3県がベスト3を占める結果となった。以下、4位=鳥取県、5位=佐賀県、6位=熊本県、7位=長野県、8位=島根県、9位=三重県、10位=新潟県がベスト10。ワースト10は、38位=東京都、39位=福岡県、40位=青森県、41位=沖縄県、42位=京都府、43位=北海道、44位=埼玉県、45位=兵庫県、46位=高知県、47位=大阪府──。老生思うに、坂本教授らが評価対象とした「4部門40分野」と「幸福度」との相関・連関に意味があるのか、再考してみるべきだと考える。ほんの一例として挙げれば、〈30.悩みストレス比率 31.相談できない人比率〉等は、如何なる方法でデータを収集したのか、又、それが全体の「幸福度」とどう結びつくのか不可思議である。

∇≪指標からは見えてこないものもある。たとえば完全失業率。福井は全国2位の低さだが、敦賀駅前通りにはシャッターが下りた店が目立つ。商店街で女性(60)に聞くと「そんなん、原発やで」とばっさり。福井は、日本有数の原子力関連産業以外は職が少ないといい、「うちの子どもは就職口がないから大阪に出た」と話した。≫(11/24 朝日新聞) 「日本一不幸せ」な大阪は、≪「すべての部門で改善が必要」とされ、刑法犯認知件数や生活保護率、完全失業率は最低の1点だ。…JR大阪駅前で聞くと、「最下位」とされても「幸せ」と答える人が目立つ。Aさん(26)は「何が基準かで変わるのでは。自然が好きな人やったら福井がいいやろうし」。休養時間は全国1位。趣味娯楽時間は2位と、大阪人は生活を楽しんでいるようすもうかがえる。≫(同上朝日)≫

【知足安分】
≪汝等比丘、若し諸の苦悩を脱せんと欲せば、当に知足を観ずべし。知足の法は、即ち是れ富楽安穏のところなり。知足の人は、地上に臥すと雖も、なお安楽なりとす。不知足の者は、天堂に処すと雖も亦た意(こころ)に称(かな)わず。不知足の者は富めりと雖も而も貧し。知足の人は貧しと雖も而も富めり。不知足の者は、常に五欲の為に牽かれて、知足の者の憐憫する所となる。≫(「遺教経」)