残照日記

晩節を孤芳に生きる。

TPP賛否世論

2011-11-15 19:20:08 | 日記
≪「国益損ねて参加せず」──野田佳彦首相は15日午前の参院予算委員会で、環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加方針を表明したことに関し、関係国との事前協議の結果によっては参加しない可能性もあるとの認識を示した。自民党の山本一太氏が「交渉に参加しない選択肢もあるのか」と質問したのに対し、首相は「何が何でも、国益を損ねてまで参加することはない。百パーセント、とにもかくにも(参加)ということではない」と述べた。鹿野道彦農林水産相も、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議や日米首脳会談での首相のTPP交渉をめぐる発言について「私は交渉参加を前提とするものではないと理解している」と述べた。首相はまた、自身が日米首脳会談で「全ての物品、サービスを貿易自由化交渉のテーブルに乗せる」と発言したとする米側発表について、「一言も言っていない」と否定。発言がなかったことを米政府も認めていると指摘した上で、発表の訂正は求めない考えを示した。≫(11/15 時事通信)

∇TPP交渉参加を巡る国会論戦が始まった。ハワイでの日米首脳会談に於ける、首相のTPP交渉をめぐる発言について、早くも、米側発表と食い違うとして「野田首相は二枚舌だ」「日本外交は稚拙過ぎる」等と喧しい。事の真偽は別として、世論はTPP参加に関してどう思っているのか。こゝ数日間に、幾つか最新の世論調査が発表されているのでまとめておこう。「賛成派」(賛成又は評価する)対「反対派」(反対又は評価しない)は百分率比で、34:21(NHK)、46:21(朝日)、51:35(読売)、46:35(産経+FNN)、34:25(毎日)と、大きくばらついた。然し、比率で比較すると、賛成派が反対派の1.4~2.2倍の差があり、現段階では、概ねTPP推進を容認する趨勢にあると見てとれる。尚、内閣支持率は、読売49%、毎日42%、NHK45%、産経G42%、朝日40%だった。支持政党は民主対自民が、朝日23:15、NHK21:20、毎日21:19、産経G19:21とほゞ拮抗している。

∇TPP関連の補足情報は次の通り。NHKは≪TPPの交渉に日本が参加するかどうかを判断するための政治の場での議論が十分だと思うかどうか聞いたところ、「十分だと思う」が5%、「不十分だと思う」が61%、「どちらともいえない」が27%だった。≫ 朝日新聞は≪野田内閣の国民への情報提供が「十分だ」という人は7%にとどまり、84%が「不十便だ」と答えた。≫ 読売新聞では≪首相が自らの政策や考えを国民に十分に説明していないと思う人は86%に達した。≫ 産経真新聞とFNN)の共同調査では、≪首相が11日の記者会見で「交渉参加に向け関係国との協議に入る」とあいまいな表現をとったことについては、71・0%が「混乱を招く」と否定的な見方を示した。この問題での首相の指導力不足を指摘する声も62・7%を占めた。≫ 毎日新聞は、≪「わからない」も39%に上った。≫ 実のところ国民は(或は議員たちも)TPPの何たるかをよく知らない。政府は勿論のこと、有識者・メディアも、与野党のつまらぬつつき合い報道を避けて、先ずはTPP参加のメリット・デメリットを徹底的に抉り出してもらいたい。賛否を問うのはそれからだ!