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うちらのひとりごと。

酒と映画をこよなく愛する、多趣味な男(ことら)ときまぐれ女(こじか)のブログです。

大いなる陰謀

2008-05-13 22:37:20 | 映画


邦題「大いなる陰謀」
原題「LIONS FOR LAMBS」
直訳すると「羊のための獅子」
劇中の言葉通りに訳すと「羊に率いられた獅子」
…なんのことやらピンと来ないでしょ?
これは第一次大戦中に、ドイツ軍がイギリス軍を皮肉った言葉だそうで。
兵士は勇猛果敢なのに、それを指揮する司令官が無能と。
ロバート・レッドフォードは、この言葉をそのまま現在のアメリカに当てはめた訳です。
作品からは、今のアメリカの閉塞感に対する怒りすら感じられました。
はっきり言ってエンターテイメント性は皆無です。
数々の前フリに対する結論もありません。故に、観た後はものすごい消化不良感。
これはロバート・レッドフォードからの、”アメリカ人”に対する問題提議であり、純粋な意味での映画では無い…かもしれません。

つまりは、「アメリカの私的な映画」です。
日本人であるうちらには、言いたいことは分かるんだけど、残念ながら本質的なところは理解してあげられない。
そりゃもう、民族のこととか、人種、貧困、世界警察たろうとするアメリカのメンツ・プライド、堕ちた政治に、怠惰な若者etcetc…
これでもかってくらい、現在のアメリカの状況を見せつけられます。
で、それが理解できるか?と言われると、日本で生まれ育った者には無理でしょう。
シャッターを下ろしてる訳じゃなくてね。
理解はしてあげたいんだけど、知ったかぶりするのは相手に対して失礼って、そんな感じです。
日本でリメイクしないと、うちらには理解できないかもしれないなぁ…。
インファナル・アフェア」が「ディパーテッド」になった…みたいなことになるんだろうけど。。。


ただ、「アメリカってすごいな。」って思うのは、こういった、言ってしまえば自らの恥を、あっけらかんと世界に発表してしまうってことなんですよね。
ベトナム戦争しかり。
後何年か経てば、湾岸戦争やイラク戦争の話も出てくるでしょう。
9/11だけは分からんが…。
あれが本当にアルカイダの仕業か、あるいは政府の陰謀か、真実は最後まで出ないんだろな。
で、ひとつ気づいたのは、9/11がテロと思うか、陰謀と思うかで、トム・クルーズ演じるアーヴィング上院議員の見え方がまったく変わるんですよ。
本当に正義感に溢れているのか、民衆を扇動して陰謀張り巡らせているのか。
そこまで考えて「大いなる陰謀」って邦題付けたのかなぁ…?

前述のような勘ぐりをしない限りは「大いなる陰謀」という邦題は、またしても「内容と違うやん!」です。
陰謀らしい陰謀は劇中では描かれません。
ただ、この作品の「その後の世界」は、おそらくもの凄い陰謀が渦巻くことだろうけども。

映画っぽくない映画だけど、作品の出来はすごくいいですよ。
一番の見所はアーヴィング(トム・クルーズ)とジャニーン(メリル・ストリープ)の掛け合いかな。
すごく議論を交わすんだけど、お互い本音は言わない(言えない)。
イラクに兵を送ったのは政府とマスコミのせいだと迫るアーヴィング。
そうとは認めたくないジャニーン。
やがて、報道局が買収され、おもしろおかしいニュースしか流せなくなったことをジャニーンは認めます。
アーヴィングから新作戦のスクープを与えられるも、それがマスコミを使った世論の操作だと勘ぐるジャニーンは、記事を書くことをためらう。
でも悲しいかな、結局は会社の一社員。
アーヴィングの言ったままを記事にし、やりきれない思いでタクシーに乗り込む。
道すがら、ホワイトハウス横のアーリントン墓地を見て涙します。
…このくだりは「フィクサー」のラストシーンに通ずるものがあって、かなり感動的。
ただ、ストーリーが完結してるのはここだけ。
特殊部隊による作戦が成功したかどうかは不明。
アーヴィングがこの後大統領になるか失脚するかも不明。
類い希な能力を持ちながら、怠惰な生活を送る学生が、マレー教授(ロバート・レッドフォード)との話し合いの後どんな行動を取ったかも不明。
上映時間はやけに短い92分。
極端な話、3時間にしてもいいから、この学生がどうしたかだけでも最後までやって欲しかった…。
でも、この学生は今のアメリカの大衆を象徴する存在だから、作品の中で結論を与えちゃいけないんだろうね。
この作品の目的は、観た人全てに考えさせることだから。


深読みするか、何かを考えるか…。
いずれにせよ、観て疲れる映画ではあります。
覚悟して観ましょう。



トム・クルーズ演じるアーヴィングは、軍の経験がある上院議員。
部屋には軍属の頃の写真がいっぱい。
情報部所属ってことだったんだけど、こっそりパイロット姿も入れるくらいの茶目っ気が欲しかったような…って、そんなことしたら台無し??
それにしても、アーヴィング上院議員を演じるために現在のアメリカのこと・政治のことなんかをかなり勉強したというトム・クルーズ。
感化されやすい人だから、これをきっかけに変な方向へ行かないかと心配…

フィクサー

2008-04-22 00:11:30 | 映画
※当ブログは基本的にネタバレありで書いてるので注意してください。



みなさんは予告観てストーリーを想像したりしませんか?
…本人は「観たまんま」受け取ってるつもりなんだけどね…。
まぁ、その想像は良くも悪くも裏切られるんだけども。

「アイ・アム・レジェンド」では
何故一人だけ生き残ったか?という謎解きかと思ったら、ゾンビがうじゃうじゃ。
「ジャンパー」では
ジャンプ能力を得た者と、ジャンプ能力を管理する者の追いかけっこと思ったら、古から続く狩り。
そしてこの「フィクサー」では
表の顔はしがない会社員。
裏の顔は敏腕フィクサー(もみ消し屋)
と思ったんですが…。

「罪を消したければ、彼に頼め。」
…この作品のコピーだけど、誰だ?こんなの考えたの。
全然そんな作品じゃなかったよ。
もっと大人。
ただ、全編に渡る緊迫感はもの凄かったけども。。

「フィクサー」というかっこいいタイトルとは裏腹に、実はフィクサーというのはそれほどかっこいい意味では無いっぽいです。
ジョージ・クルーニー演じるマイケル・クレイトンは、表も裏も、法律事務所のしがない社員でした。
ちょっとやり手ではあるんだろうけど。
フィクサーというかジェネターというか、つまり「もみ消し屋」というのは、言わば不具合の後処理をする雑用係だそうで。
マイケルはそれに飽き飽きしてて、担当変えて欲しいとずっと嘆願してるのに、受け入れてもらえないというかわいそうな役柄。
だから原題は「Michael Clayton」なんだろな…。
「ワールド・トレードセンター」まではいかないにしても、ちょっと内容と邦題が離れてないかい??

マイケルはそれほどかっこいい役では無いんだけど、そこはジョージ・クルーニー。
すごく渋いです。
スクリーンに出てくるだけで絵になる。
画面の雰囲気がどこかで観た感じ…と思ったら、ディレクターにスティーブン・ソダーバーグの名が。
だからか。
なんでマイケルの横にブラッド・ピットが居ないんだろ?って思ったのは。

この作品はことらとこじかで評価が真っ二つになりまして…。
たまにあるんだけどね。
「鉄コン筋クリート」「硫黄島からの手紙」「世界最速のインディアン」「スウィーニー・トッド」なんかがそうでした。
あ。「トランスフォーマー」や「スパイダーマン」「スーパーマン」は言わずもがなです。「ナイト・ミュージアム」も微妙。「パイレーツ~」もか?
そういう作品はこっそり一人で観に行くってのが暗黙の了解で…「スピードレーサー」もそうなるだろな。

で、この「フィクサー」
こじかは「もう1回観たい!」というほどお気に入りの作品になったようです。
・とにかくジョージ・クルーニーがかっこよかった。
・中年男の悲哀が出てた。最後のやるせなさもなんともいえない。
・ストーリーはよくある話だけど、それをよくここまでまとめたな。
・音楽もかっこよかった。

一方のことらは、こじかが言うところは認めつつも、
・前フリ長っ。冒頭が実はラスト10分前かよ。
・表の顔・裏の顔って作品ちゃうやん。
・長かった前フリも終わって、U・ノース社を追いつめる材料も揃ってきて、さぁいよいよ盛り上がって参りました!
 …って思ったら、いきなり本丸攻めたよ。あっさり陥落したよ。。

と、この3点がどうしても腑に落ちないのです。
まぁ、表の顔・裏の顔ってのはこっちの勝手な想像だから仕方ないにしても、もうちょっともみ消し屋らしいところは観たかったなぁ…と。

とはいえ、完成度は非常に高い作品ですよ。
先入観なしに観てたら、ことらももっと評価してたかも…?
エンドロールのジョージ・クルーニーは秀逸だと思ったし。
ただタクシーに乗ってるだけなんだけど、その表情から色んなドラマが読み取れるんですよ。
それだけに惜しいなぁと、個人的には思っとります。
やっぱ、予告で想像し過ぎちゃイカンのねぇ。
でも、ある程度ストーリー見えないと観に行こうって気にならないし…。
予告観ると、ストーリー想像してしまうし…。
でもなぁ~(略



ドライバー目線での運転シーンというのが結構出てくるんだけど、
いやぁ、結構怖いね。この乗せられてる感覚。
いきなりなにか飛び出してこないか?ってドキドキしてしまう。
横に乗ってるこじかが、しょっちゅうキャーキャー言うのがよく分かるよ…。
運転が怖いんじゃなくて、道路状況が怖いそうで。
特に最近、無茶な運転する人多いからねぇ。
注意しましょ。ホント。

魔法にかけられて

2008-03-31 22:07:29 | 映画
※当ブログは基本的にネタバレありで書いてるので注意してください。



予告の時からうちら好みのバカらしさ全開だった「魔法にかけられて」です。
「これは観なきゃ!」と早ンヶ月。
かなり早いうちから予告流してたように思うんだけど、気のせい??
原題は「Enchanted」
直訳すると「魅了される」。
これはうまい邦題だなぁ。
意味の分からんカタカナ邦題にちょっと食傷気味なんで、なんか安心します。
内容もさすがディズニー。
大人から子供まで、安心して観れる作品です。
ストーリーは、ぶっちゃけ、シンデレラ実写版現代アレンジって感じですね。
色んなおとぎ話のオマージュ満載なので、そういう意味では大人の方が楽しめるかも?
赤ずきんちゃんの話が完全に入れ替わってるのは、かなり面白かったんですが。
主役のプリンセス・ジゼル(エイミー・アダムス)の世界では、赤ずきんがオオカミを襲って、それをリスが助けるらしいです。
で、ロバートの娘・モーガン(レイチェル・コーヴェイ)が「話が違う。」というと「それは赤ずきんがすり替えたの。」と。
他にも笑えるところが満載だったんだけど、何故か笑ってるのはうちらばかり。
他の方々は結構シーンとしてたのよねぇ。
夢見る夢子の妄想全開話だから、ついてこれない人は全くダメなのかなぁ…?
うちらは最初からバカ映画(褒めてます)として観に行ったから、期待通りでかなり面白かったんですが。

あまりに夢見てる感じで、現代では「ちょっとイッちゃってる?」的扱いを受けるジゼル。
偶然助けてもらったロバート(パトリック・デンプシー)を振り回すことになるんだけど、最初は煙たがってたロバートもジゼルの純粋さに触れるうちにどんどん優しい人になっていくんですよね。
さすがのジゼルも現代で暮らすうちに少しずつ影響は受けていくんだけど、そこはそれ。
夢ばかり見てた娘が、ちょっと現実的になるっていう、きわめていい方向の影響です。
今まで知らなかった怒りの感情を初めて覚えて、それに感激して、怒りながら喜ぶなんていうキテレツなことも。

反面、王子であるエドワード(ジェームズ・マースデン)は完全バカキャラ。
ロバートが現実的なキャラだから、その対比という意味でも非常に面白い存在です。
まぁ、ロバートは普通の現代人なんだけどねぇ。
おとぎの国であるアンダレーシア側の各人たちがみんなぶっ飛んでるから、とても固いキャラに見えてしまいます。

ナザニエルはアニメーション部分の時から「これは絶対ティモシー・スポールだろな。」と思いましたねぇ。
それくらいそっくり。
それにしても、ここまでファンタジー系の小悪党が似合う人もそうそう居ないよね。
「ハリポタ」や「スウィーニー・トッド」でも存在感発揮してたし。
まぁ、最後は味方になる?のが、これまでとは違うところだけども。

一番特筆すべきはリスのピップですね。
いやもう、かわいいのなんのって。
めちゃめちゃ表情豊かなんですよね~。
現代世界では話すことが出来ないからジェスチャーでなんとか意志を伝えようとするんだけど、その動きがすごくコミカルでかわいい~。
ある意味一番の見所かな??

女王…ドラゴンにわざわざ変身したのに、飛べないのかよ…。


完全バカ映画かといえば、全然そんなことは無いんです。
ジゼルのあまりの純真さ・無垢さに心洗われます。
大げさに言うなら、現代社会が失いつつある、夢や優しさ、人を信じる気持ちなんかを再認識させてくれる作品かな。
離婚でもめてる夫婦の前で「別々に暮らすなんて、ものすごく悲しいことよ。」とボロボロ泣き出すジゼルには、なんかハッとさせられました。
…結果、ジゼルのおかげで、この夫婦はヨリを戻すんだけどね。
おとぎの国の住人だから、これくらい純真で当たり前かもしれないけども。

近年、現代社会を表したドロドロした作品が多いけど、今の世の中に必要なのはこういった夢ある作品かもしれません…。

ジャンパー

2008-03-15 17:14:15 | 映画
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アナキン・スカイウォーカーとメイス・ウィンドゥのスターウォーズコンビでお贈りする娯楽作品「ジャンパー」です。
「どこでもドア」を始めとする、瞬間移動には誰しも憧れたのでは??
悟空が瞬間移動したときは、人差し指と中指を額に当てるポーズが大流行したしねぇ。(うちの周りでは…ね

まぁ、そんな重厚な作品でもないし、お客さんはカップルばかりだろうと思ってたんです。
そしたらまぁ、意外や意外。
ほとんどのお客さんがお歳を召した人だったんですよ。
ひょっとするとスターウォーズファンなのかな…?
あるいはダグ・リーマン監督人気??
ジェイソン・ボーンシリーズって、そんなにお歳を召した方に人気あったっけ??
…ちなみにダグ・リーマン監督は、「ボーン・アイデンティティー」では監督を。
ボーン・スプレマシー」「ボーン・アルティメイタム」では製作総指揮を務めていたそうで。

上映時間が88分と、昨今の作品にしては随分と短いので、展開はとてもスピーディです。
スピーディ故、デヴィッド(ヘイデン・クリステンセン)とミリー(レイチェル・ビルソン)の旅行シーンは中だるみかなぁ?
唯一、作品のテンポが落ちるところなので。
アクションシーンは、さすがボーンシリーズの監督。
瞬間移動で飛びまくりのアクションを、とてもおもしろく観せてくれます。
ただ、東京でのベンツで大暴走は、かーなりCG臭かったんだけどねぇ。。
でも、こういったハリウッド作品に、身近な都市の風景が出てくるというのは、なんか嬉しいですね。
日本語も飛び交ってたし。

正直なところ、内容は無いです。
古代から続く、ジャンパーとパラディンの追いかけっこを描いたっていう、それだけ。
出てくる人物も悪人ばっかりだしねぇ。
デヴィッドは飛べることをいい事に銀行からお金拝借したり、ケンカ相手を遙か彼方に置き去ったり。
唯一の仲間?グリフィン(ジェイミー・ベル)は、目的の為には手段選ばないし。
ローランドは特に理由無く「ジャンパーは悪だ。」と決めつけて、狩りまくり。
ミリーはちょっと頭弱い??

ただ、ラスト間際のローランドの「してやられた。」という( ̄ー ̄)ニヤリ顔はなかなかいい表情でした。
一番印象に残ったなぁ~。

ジャンパーって何者?パラディンって何者?という事は考えちゃいけません。
そういう人達が居るってことみたいです。
映画観る前は「ツケを払わずにすむと思うな。」ってセリフがあったから、なんらかの理由でデヴィッドがジャンプ出来るようになった。
で、その理由の部分に関わる人がローランドで、「うちの能力勝手に使って飛びまくりやがって。」ってことで、デヴィッドを追いかけてくる…みたいな話だと思ったんだけどねぇ。
考えすぎでした。
とはいえ、何も考えずに観れる作品なので、デート向きではあるかな??
人気が出たら3部作になるらしいし、現在の人の入りだと、十分に有り得る話だろうねぇ。
次作でもっと盛り上がる要因があれば、観に行くかもな…。

L change the WorLd

2008-03-03 21:24:46 | 映画
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「デスノート」「デスノート the Last name」と続いた、映画版デスノートのスピンオフ作品「L change the WorLd」です。
Lの最後の23日間を描いた作品ということでかなり期…待・・・はしてませんでした。はい。
やっぱねぇ、このシリーズの真髄はライトとLの頭脳戦だと思うんですよ。
双璧の片方が崩れた今、果たしてどこまで面白い作品が出来るだろう?と結構疑問でした。
原作もねぇ、Lがお亡くなりになってからはグダグダだし…。

とはいえ、松山ケンイチ演じるLはかなりハマリ役だし、それは観たい。
それに、ここまで映画も見続けてきたんだから、やっぱ見届けねばならんでしょうと思い、劇場まで行ってきました。

結論から先に言うと、まぁ、ほぼ思ったとおりというか…。
なんかねぇ、前2作のクオリティの高さはどこへ行ったんだ?って感じなんです。
全体的にアラが多いし、キャストもミスキャストが目立つというか…。
観に行く前から一番疑問だったのは、最期に感動的な別れをした夜神総一郎が、何故この作品に出てないのさ??でした。
後でパンフレット読んで知ったんだけど、あの後捜査本部は解散、捜査官は連日事件後の取り調べを受けていて、ほぼ軟禁状態…という設定らしいです。
それからいくと、この作品中はずっと取り調べ受けてて、Lの最期の時にようやく解放された…と思えなくは無いけど、それならそれで、ちょっとくらい説明あっていいんじゃないかと。
あと、前2作と繋がるシーンがいくつかあるんだけど、基本的に前作のキャストは今回は新シーンが無い(例外あり)んで、全てのつながりが唐突なんです。
おかげで流れにすごく違和感がある。
新しいキャストに関しては…L、ワタリ、教授2人、子供2人、高嶋政伸はすごく良かったんです。
特に高嶋政伸は、普段のいい人キャラを封印して、ねちっこーい、とてもイヤな悪役を好演してました。
逆に工藤夕貴…。
どうしたんですか??
正直、もっとうまいと思ってましたよ。
ハリウッドデビューもしてることだし。
なんかねぇ、新人俳優が初出演がんばりました!みたいな話し方に聞こえたんです。
存在感はすごくあっただけに、とても惜しい。
英語のセリフの方が良かったかも知れないねぇ。
他の悪役陣もねぇ。
高尾山先生(笑)は良かったんですよ~。出番ほとんど無いけど…。
ナンチャン…FBIに見えないよ…

この作品の致命的なトコは、Lが頭脳戦をしていない所かと。
やっぱLと言えば頭脳使ってナンボでしょう。
そこにライトという好敵手が居たから、あれだけストーリーが白熱して盛り上がった。
この作品の中でLが一番Lしてたのは、キラ事件集結直後に、世界中の事件を一気に片付けていくシーンでした。
パソコンの前にL座りして、的確に指示出して人を使って解決していく。
やっぱLが身体張っちゃダメでしょう。
状況的に仕方ないところだったけども。
でも、ママチャリ乗ってるLはちょっと愉快だったけどね。

今回扱ってる事件は殺人ウィルス。
そのウィルス抗薬の開発に成功した教授が自ら命を絶つシーンがあるんだけど、ここは…さすがホラー監督。やりたいことやっちゃいましたねぇ。
ちょっとしつこくて「おいっ。」でした。
子供も観てるってのに…。

なんともネガティブな記事になりましたが…。
「L」というキャラが好きな人は観るべきでしょう。
松山ケンイチ、今まで以上にLを熱演してます。ここは好感持てる。
でも、「デスノート」という作品が好きな人は観ない方がいいかも…。
ツッコミどころ満載なもんで。。

アメリカン・ギャングスター

2008-03-02 22:21:10 | 映画
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予告を観た時は「オール・ザ・キングスメン」「ラストキング・オブ・スコットランド」的雰囲気を感じた「アメリカン・ギャングスター」です。
なんでそう思ったかって、デンゼル・ワシントン演じるフランク・ルーカスが政治家に見えたからなんです。
ちょっと悪事に手を染めて力付けて、それから政治の表舞台に上がったと、そう思ったんですね。
そして、その悪事を執拗に追う刑事がラッセル・クロウ演じるリッチー・ロバーツかと思ってました。

実際はそうじゃなく、フランク・ルーカスは生粋の暗黒街のカリスマ。
そしてリッチー・ロバーツは、その時代には不相応な、頑固な正義感を持った刑事でした。

この作品は1970年頃の実話を元にした作品であり、フランク・ルーカス、リッチー・ロバーツ共に、実在の人物だそうです。
デンゼル・ワシントン、ラッセル・クロウ共に、御本人から話を聞いて役作りをしたとか。

おもしろいのは、この2人の目的が似てること。
フランクは、それまでのカリスマであったバンピーが亡くなったことで、無秩序となった暗黒街に秩序をもたらしたい。
リッチーは、汚職まみれの警察を浄化したい。
この頃の警察はそこらのギャングよりたちが悪かったようで、横領なんて当たり前。ちょっと悪党の弱みを握るとそれをネタにゆする。
ギャングもそれを分かってるから、簡単に警官の買収に走る。
ところがリッチーは賄賂はいっさい受け取らないという、この時代には珍しい警察官。
それどころか、相棒と共に見つけた、犯罪者が持つ100万ドルすら、横領せずに署に届ける始末。
信じられないことに、このおかげで彼は干されてしまうんですよ。
どんな警察やねん…。
そんな警察に嫌気が差したリッチーは、司法試験を受けて弁護士を目指します。
ところがそんな実直さが認められ、彼は新しく設立される麻薬捜査班の責任者に抜擢されます。
その頃市場に出回ってた麻薬というのが、純度100%、値段は半分という「ブルーマジック」。
そして、その販売元がフランク。
ところが、たいへん慎重なフランクは全く尻尾を出しません。
販売ルートが全く掴めないまま、捜査は難航するのでした。

暗黒街の大ボスとなり、あらゆる力を付けたフランクなんだけど、その姿勢には結構共感するモノがありました。
簡単に言えば「よりよい品を、より安く。そして自分は質素に。」
扱う品が麻薬ってのがアレだけど、会社に置き換えれば、とても優秀な経営者だったんじゃないかな??
いい品を安く手に入れるため、麻薬の製造元へ直接赴き、マフィアを通さずに買い付ける為に中間マージンが発生せず、安く市場に出せる。
その為にマフィアはフランクに屈せざるを得なくなります。
そしてそれは敵意を生む。
劇中の台詞が印象深い。
「成功して敵を作るか。失敗して友を作るか。」
…究極の選択だねぇ…。

この市場倫理?は、実は冒頭にバンピーが語っています。
その頃のアメリカ市場は日本商品が席巻し始めた頃。
店にはアジア商品が並び、個人商店は潰れ、街にはスーパーが溢れかえる。
「個人へのサービスはどうなる!」と、バンピーは憤ります。
この言葉を聞き、何とかしたいと思って行動したはずのフランクが、気付けば諸悪の根元となる。
街には安いドラッグが溢れ、それまでの販売者・マフィアが潰され、そしてジャンキーで溢れかえり、中毒で命を落とす者が後を絶たない。
なんというか、人の悲哀だねぇ…。

そして皮肉なことに、それまで質素に目立たなく目立たなくしてた彼が、一夜だけ、嫁さんから贈られた5万ドルものコートを着て外出したおかげで、リッチーに目を付けられるのよね…。
これが崩壊の始まり。

こんなフランクを、デンゼル・ワシントンは見事に演じてたと思うんですよ。
実直なワルだから、彼に非常に合っていたと。
そしてリッチーのやさぐれた、エロい警官ぶり(笑)は、ラッセル・クロウが好演。
非常に渋い配役だったなぁと。

個人的に良かったなぁと思うのは、フランクが逮捕されて物語が終わるのかと思っていたのに、そうじゃなかったこと。
ご多分に漏れず、フランクはリッチーを買収して事なきを得ようとするんだけど、リッチーは絶対に賄賂を受け取りません。
困ったフランク。
「何が望みだ?」
「(警察を)浄化したい。」
そこから2人の協力のもと、賄賂や横領で美味しい目をしてた汚職警官たちの一斉検挙が始まります。
なんかこのエピソードは大変痛快。
それまでに汚職の嫌な部分をさんざ見せられているので、まさに溜飲を下げたって感じです。
この一連のシーンのおかげか、リドリー・スコット作品にしては娯楽性が強いと言われていて、物足りないって意見をよく耳にするんだけど、うちらとしてはかなりお気に入りの作品となりました。

すごく質が高い、「ハリウッドもたまにはやるじゃないか。」的作品だと思います。



…ちなみに、原題は「AMERICAN GANGSTER」です。「一匹狼」ってな意味らしいです。
「アメリカのギャングの星」じゃないですからね。


スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師

2008-02-18 18:55:56 | 映画


ティム・バートン監督ということは、かなりマニアックな内容だろうと覚悟はしていたけど、ちょっとやり過ぎ??
オープニングからグロさを醸し出していたので、やっぱりという感じでしたが・・・。

有名なミュージカルということで、内容を御存知の方も多かったようですが、私もことらさんも初見だったので、ストーリーに引き込まれました。


もともと万人向けの作品ではナイと思うので、こういう仕上がり(スプラッタ?)になったんでしょうね。
監督は満足なんだろうな。

スウィーニー・トッド(ジョニー・デップ)が本当にハマり役で、ミュージカルに初挑戦してくれたのも、すごく見物。 
とても心に響いて、せつないです。。
さすが、ミュージシャン。

それにしても、シザーハンズから18年経ってるとは思えない。
白髪でもお顔に皺があっても、やっぱり素敵なんです。
オーラは変わらないですよね。
むしろ、若い時より格好よくなってる。

パイ屋の女主人ミセス・ラベット(ヘレナ・ボナム=カーター)監督夫人だったんですね。も、おそろしい内容の歌詞をポップに歌い上げていて、圧巻でした。最後もせつなかったなぁ。。

R-15どころか、R-18でもいいような。
子供が観てはいけません。夜寝られなくなるぞ。
大人の私達でも、直視できないシーン続出でしたが、そこには人間の悲哀があるので、お芝居としては必要なんですよね。全部。

唯一、ミセス・ラベットがトッド、トビーと海辺で暮らすのを夢見るシーンは、笑える。
ジョニー・デップの無表情さが最高でしたね。

そんなこんなで、私としては観て良かったですが、付き合い始めのカップルは観ないように!!
会話がなくなるぞ。

できれば、レンタルして一人で部屋でこっそり観る方がいいです。
 





陰日向に咲く

2008-02-11 12:09:22 | 映画
※当ブログは基本的にネタバレありで書いてるので注意してください。



時折マトモな事は言うけど、基本ぶっ飛んだ性格の「ぶっさん」。
普段は抜けてても、イザという時は眼光鋭い「井上薫」。
この2人のキャラがかぶってしまうのは、演じる岡田准一が~と言うよりも、脚本を担当した金城一紀が岡田作品をよく見てた結果なんだろうね。
キャラ生かしてるもん。
…って、「SP」の話じゃなかったですね。
そんな岡田准一主演作品「陰日向に咲く」です。

いや、なにが言いたかったって、「木更津キャッツアイ」「SP」で、岡田准一は2人のキャラを見せてくれたと思う訳ですよ。
(まぁ、「竜二」はほぼ「ぶっさん」ってことで…)
そして今回は3人目のキャラを見せてくれたなと。
岡田演じるシンヤは、とにかくダメダメな人物。
ギャンブル狂で借金まみれ。
普段の態度もオドオドしてて、情けないったらもぉ。
で、そんな人物像を見事に体現してるんです。
ホント器用だねぇ。
この調子で行ったら、10年後にはどんな俳優になってるだろ…?
V6で唄歌ってる姿にめちゃめちゃ違和感感じるんで、今後俳優一本でやれば??
なんつって。

正直なところ、この作品にはあまりピンと来てませんでした。
「岡田准一主演」ということでこじかは観たがるだろうなと思ってたんだけど、ことら的には「劇団ひとり」てのにちょっと引っ掛かって…。
ぶっちゃけると、「タレント本」ってだけでもてはやされてるんじゃないの?と、ちと冷めてたんですよ。
で、鑑賞後、自らの偏見を猛反省しました。
これはやられたなぁ…と。
いや、スゴイ才能の持ち主なんですね。。
今後は作家としてやっていった方がいいんじゃないか??

本作は、非常にしっとりした作品です。
派手なシーンもないし、爆笑することもない。
出る人出る人みんな底辺の人ばかりなんだけど、それが逆に共感を呼ぶ。
「居るよね~こんな人。」みたいな。
キサラギ」で小栗旬は「小さな愛が一杯詰まってる作品。」と言ってたけど、その真似をするなら「小さな感動が一杯詰まってる作品。」ってとこかな~。
劇場内、あちこちでみんなオイオイ泣いてたしなぁ。
ちなみにことらがグッと来たところは、三浦友和演じるリュウタロウが「もう、息子を待つのにも疲れました。全て捨てます。」と話すところ。
なんとも切なかった~。

「日の当たらない9人の物語」なんだけど、決してオムニバス形式じゃないです。
最後には全て繋がっていって、1本の話になる。
唯一、アニ(塚本高史)演じるゆうすけと平山あや演じるみゃーこのエピソードだけが、どこにも繋がらないんだけど、これはこれで非常に心温まるお話でした。
みゃーこの崖っぷち振りも、ゆうすけの秘めた想いも、とても感動的。
それにしてもアニはうまくなった~。昔から見てるけど、感慨深いな~。

ホームレスのモーゼ(西田敏行)がどこに繋がるんだ?リュウタロウの元上司か?とか考えてしまうんだけど、彼の落ち着きどころはかなりビックリで、ここでも

でした。
ある意味、一番の中心人物だな。
結婚以来、人妻オーラ全開(笑)の宮崎あおいは一人二役なんだけど、これまたやはり中心人物。
主演:岡田准一とはいえ、正直なトコ、シンヤの陰は薄いです。
本人も「主演というより、オムニバスの中のひとつの話。」と言ってるし。
まぁ、それだけ周りが濃かったし、またそれぞれのエピソードが秀逸なのよね。
全然関係ないと思ってたジュピターさんも、びっくりするところで絡んでくるし…。

改めて、これだけの話を書いた劇団ひとりの才能はすごいと思いましたよ。
ホント。
映画の方はある程度オリジナルの設定や脚色が施されてるとのことなので、今度は原作の方も読んでみたいです。
でも、この映画に関して言うなら、原作知らずに観た方が楽しめるんじゃないかな?
人物関係を全く分かってない方が「おぉっ?!」って感嘆できるし~。
うちら的にはかなり大当たりな映画でした。
実はことらもこじかも期待してなかったので、お得度というか満足度はかなりのモノ。
色んな話が詰まってるので、もう1回観れば、また違った印象になるかな~。



…ことらは子供の頃から、風邪ひいて熱出すと「桃缶」が食べたくなる人なんです。
理由も根拠も全く無いんだけどねぇ。
ともあれ、そんな擦り込み?があるから、食べたら治る気がするんだよね~。
シンヤが「風邪には桃缶がいいよ。」と言ってたのには( ̄ー ̄)ニヤリでした。

ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記

2008-01-27 21:47:11 | 映画


邦題「ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記」
原題「NATIONAL TRESURE BOOK OF SECRETS」
直訳すると「ナショナル・トレジャー 秘密の本」
”と”を入れると「ナショナル・トレジャーと秘密の本」
…魔法学校の話みたいですなぁ。

と、くだらん話はこれくらいにして。

昨年末からなにかと忙しく、終了間際のこの時期になって、よーやく観てきました。
今週中には終わってしまうのよね。。
で、こんなギリギリだし、もしかしたら貸切状態じゃないか?なんて思ってたんだけど、意外と人の入りは良好でした。
もしかしたらリピーターが居たんだろか??

前作は、劇場公開時になんだかんだで忙しく、結局見逃してしまったんです。
で、初見が、結婚して新婚旅行でハワイから帰る時の機内。
そういう意味では思い出の作品でもあります。
今回の鑑賞にあたってDVDで見直したんだけど、やっぱりオモシロイ。
テンポの良さと脚本の秀逸さかな?
普通こういう作品だと「んなアホな。」ってのがあるんだけど、そういうのを感じなかったです。警察に追われたりして、状況がなかなかリアル。
某教授の冒険譚では、ミイラがわんさか襲ってきたり呪いが掛かったりなど超自然的な出来事が多いんだけど、こちらはそんなの全く無く。
やってることは夢のようなことなんだけど、設定そのものは現実からそう離れていないところが面白かったんです。

で、今回の「リンカーン暗殺者の日記」。
ますますアメリカの黒歴史に食い込むようで、なんとも興味を惹かれました。
いや、ホントにアメリカって謎の多い国だと思うし…。
個人的には「エリア51」にかなり興味アリですが…ライリーとはいいお友達になれそうだ~
あまり余計なこと書いて黒服の男達が来ても困るんで、この辺で…。

作品の印象を先に言ってしまうと、良い意味でとても長く感じましたね。
それくらい内容が濃密でした。
気分的には2時間30~3時間くらいの満足さ。
で、観終わって時計見ると「あれ??2時間???」みたいな。
実際には2時間4分だそうで。

全体通じて一番印象的でもあり、( ̄ー ̄)ニヤリだったのが、前作で恋人同士になったベン・ゲイツ(ニコラス・ケイジ)とアビゲイル(ダイアン・クルーガー)が、破局状態からだんだんヨリを戻していくのと、離婚したベンの両親、パトリック・ゲイツ(ジョン・ボイト)とエミリー(ヘレン・ミレン)が同じくヨリを戻していくこと。
夫婦仲が怪しくなったら大冒険すればいいんやね~って、なんでやねんっ
でも、こういうほのぼの要素は好きだ~

一番( ̄ー ̄)ニヤリとしたシーンは、ロンドンでのカーチェイスシーン。
ウィルキンソン(エド・ハリス)に追われるベン達がクルマに飛び乗るんだけど、「僕が運転する!」とライリー(ジャスティン・パーサ)が張り切って左座席に座る物の、そこにはハンドル無し。
ベンの冷静なツッコミ「イギリスでは右だ。」
ハンドル握るポーズのまま固まってるライリーは爆笑モノでした~

今作では、謎解きにはそれほど時間掛けられてなかったです。
「謎解き映画」を期待した人には、ちょっと肩透かしかも??
どちらかというとアクションに比重を置いた印象。
でも、アクション映画と言うほどアクションだらけでもなく。
適度なバランスだったと思います。
カーチェイスも引っ張りすぎてなかったし。
ストーリーや設定にも破綻したところは見当たらなかったと思います。
唯一「ん?」だったのは、ラストの黄金都市からの脱出のところ。
みんなを脱出させる為に水門を開けておく為に残ると言ったベンと、真っ先に脱出しようとしたウィルキンソンが、いったいいつの間に入れ替わったんだ??というトコでした。
もう1回観たら理解出来るかな??


前作でよーやくゲイツ家の汚名を晴らしたのに、ウィルキンソンのおかげで今度はリンカーンの暗殺に荷担したという汚名を着せられるんです。
絶望してよろよろになるお父さんにベンが掛ける言葉が
「黄金都市を発見して、祖父が正しいことを証明する!」でした。
で、冷静に考えれば分かったんだけど、観てる最中に「んあ?」となったのが
「なんで黄金都市を発見すると、トーマス・ゲイツの汚名を晴らせるのか?」でした。
なにがあったというと、
南軍に荷担していた者がトーマス・ゲイツに暗号の解読を依頼する。

トーマス・ゲイツはそいつが北軍の裏切り者と気付く。

解読しかけてた暗号のメモを燃やす。
でした。
そのメモにはゲイツの名が残されており、そのせいで「トーマス・ゲイツはリンカーンを暗殺した裏切り者に荷担し、南軍の為に黄金都市を発見しようとしていた。」という汚名を着せられるのでした。
ベンの考えは
「黄金都市が発見されていなければ、トーマス・ゲイツは南軍に荷担していない。
発見されていれば、南軍に荷担したのだろう。」ということだったんですね。
納得。


なんというか、さすがディズニー。
夢があるよね~。
観終わった後にニッコリ出来るおもしろさ。
それに、下手したらアメリカの歴史を知らないと分からないって話になるところを、誰にでも分かる話にうまくまとめてる。
ドロドロした部分も無く、老若男女、誰が観ても安心して楽しめるというのは、最近のハリウッドにはなかなか出来ない事よね~。

さて、次は「大統領の本」の47ページか~。

アイ・アム・レジェンド

2008-01-05 21:29:29 | 映画
※当ブログは基本的にネタバレありで書いてるので注意してください。



劇場予告で、そのミステリアスな雰囲気が気になった「アイ・アム・レジェンド」です。
始めに言っておくと、この映画はホラー映画です。
しかも、ホラー映画としては「中途半端なホラー映画」です。
うちはことらもこじかもホラー映画を好まないので、正直なところ、途中で帰ろうかと思いました。

劇場の予告はすごく良かったと思うんですよ。
その一方で「よくある最近のハリウッドだろうなぁ。」という危うさも感じたのですが…。
期せずしてそれが当たってしまった事に、がっかりと言うか「あ~あ。」と言うか。。

予告の時は、何らかの理由で一人だけ生き残ってしまい、生存者を捜しながらサバイバルしているヒューマンドラマと感じたんです。
こじかは、「またつまらんハリウッド。」と感じながらも、誰も居ないニューヨークの街並みに惹かれたらしいです。
なにしろ、9.11前にニューヨークを訪れていて、あのWTCにも登ったそうですから…。

で、なーんとなく興味あるということで観に行くことに決めたある日、ことらはTVで「アイ・アム・レジェンド」のCMを見たんです。
そこにはゾンビがうじゃうじゃ出ていました。
「おいっ。」と思う以前に「やっぱりそうかー。」とがっかりしたんです。
とりあえずこじかには「CM見んほうがええで。」とは伝えましたが…。
前々から言ってることだけど、CMで重要なシーンを流すのは本当に止めてくれませんかねぇ。
ぱっと思い付くだけでも「マトリックス」「デスノート」「パイレーツ(略」etcetc...
「アイ・アム・レジェンド」は劇場予告で「なんで一人になったの??」と引っ張って引っ張って、ぱっとTV点けたらゾンビがうじゃうじゃ。
あのねぇ。
ちなみにパンフレットにはゾンビの”ゾ”の字も出てこないんですよ。
笑けますね~

で、まぁ、ゾンビが出てくるのは最後の最後だろう。始めはなんで一人だけ生き残ったか?という謎解きで話が進むんだろう。と、極力ポジティブに考えて劇場へ向かったんですが…冒頭で科学者がインタビューされてます。
曰く「ガンを克服しました。」「病原体を遺伝子操作することで治療薬とすることが出来ます。」
「あ、バイオハザードですね~。」と一気にネタが分かってしまい、なんとも冷め冷めになったのでした。

という訳でこの作品は「何故一人だけ生き残った?」という謎解き映画ではなく「ゾンビ vs ウィル・スミス」という映画です。
なんというかねぇ…劇中初めてゾンビが出てきた時、そして本編終了直後、とても場内がざわめいたんですよ。
おそらく、ほとんどの方がうちと同じで、こんなゾンビ映画だとは思わなかったんじゃないかと。
でも、短時間というのと、割と展開がスピーディだったんで、帰るタイミングを逃したんじゃないかなぁ…??

あの劇場予告ではゾンビなんて気配すら無かったし、もっとストーリーで観せる作品だと思ったんですよ。
ところが、フタ開けるとゾンビがうじゃうじゃ。
最初からゾンビ映画と分かってたら観に行かなかったのに…。
まぁ、TVのおかげで事前にゾンビ出るのは知ったんだけど、まさかここまでのゾンビ映画だとは思わなかったし。
ホラーが苦手だから、ゾンビも嫌なんですよね。
宣伝の仕方に問題有りですねぇ。
サプライズとしたかったのかもしれないけど、ホラーが苦手な人も居るんだから、その辺は考慮してくれないと。


ホント、ウィル・スミスさん大丈夫ですか?
もうちょっと作品選んだ方が良くないかい??
そうそう、ウィル・スミス演じるネビル博士が飼っている犬はすごく良かったです。
とても賢い。
あんな犬なら飼いたいなぁ~。
彼がゾンビ化するのは涙でした。



…新年早々、こんなネガティブ記事を映画第1弾にしたくなかったなぁ…。
ポイントでタダで観たから良かったようなものの。。



【追記】
予告の件でオモシロイ話が。
某○フーの映画レビューを読んでたら「JAROに電話しました。」って記事が。
よっぽど頭に来たんでしょうね~。
で、そこから推察するに、当初はTVCMでもゾンビは出てなかったんではないかと。
それでJAROが動いて、指導が入ったと。
「映画の内容が分かるCMにせいっ!」みたいな。
そして作り直したCMを見たことらさん。
果たして、ゾンビが出ることを知ってた方が良かったのか、知らなかった方が良かったのか…。
知らずに観てたら、きっと途中で泣きながら退席してるな。。