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うちらのひとりごと。

酒と映画をこよなく愛する、多趣味な男(ことら)ときまぐれ女(こじか)のブログです。

デトロイト・メタル・シティ

2008-09-25 23:23:07 | 映画


この作品、はっきり言って、まったくノーチェックでした。
どのくらいノーチェックだったかって、本来観ようとしてた作品が時間的に合わなくて、
急遽代替えで観たってくらい。
ホントは「ダークナイト」を観ようとしてたんですよ。今更だけど。
バットマンはあまり知らないけど、とにかく「ダークナイト」はあらゆるところで評価が高い。
となると、観なきゃならない?と思いまして…。
ところが、もうほとんど終わりかけ。
レイトショーでしかやってないし、パークスしかないし。
とりあえず観るつもりでなんばに行くも、やっぱ遅くなり過ぎるなぁと。
…実はここにものすごい勘違いがあってねぇ…。ホントは十分観れたんだけど、まぁ、それは言うまい。はははははは。
でも、せっかくなんばまで来たんだし、なにか観て帰りたい。
なんか気楽な物ってことで選んだのが「デトロイト・メタル・シティ」でした。
こんな状態で観てるが故、まったく期待感とか無しでした。
なにしろ消去法で~だからなぁ…。
でも、劇場入ってびっくり。
いくらナンバマルイとはいえ、公開されて1ヶ月だってのに、劇場は満員。
「なんだなんだ??」状態でした。
確かに評判いいのよね。この作品。

前知識も何もなく、ほぼ「無」の状態で上映を待ってた訳なんだけど、始まった途端、あっさり世界観にはまりました。
そして爆笑。
何回か出てくる
「ママー怖いよー」「見ちゃいけません!」は最高やね~。
特にガラス越しのがよかったなー。
姿はクラウザーさんなんだけど、行動は根岸ってのが、とても滑稽で愉快。
松山ケンイチにとっては「L」以上のはまりキャラじゃないかな?
脚本もキャラも「松山ケンイチのために用意された?」と思うくらいハマってたし。
それにね、なにもかもがホントにベタなんですよ。
全球直球ド真ん中!みたいな。
「こう来るだろなー。」と思ったら、ホントにその通りに来る。
ベタすぎるところが逆に心地よかったです。
神出鬼没のクラウザーさんにはホントに笑わせてもらいました。
「べえべえ」
「農家の息子みたいだ!」


根岸の、理想と現実のギャップから来る葛藤とジタバタ振りが、本人には悲劇なんだけど、こちらからすればどー見ても喜劇で…。
ここが本作の一番面白い部分であり、それを松山ケンイチが熱演してます。
こんなキャラも出来るのかーと感心してみたり。
「ホントに同一人物か?」と思うくらい、クラウザーさんははっちゃけてて、根岸はくにゃくにゃしてました。
実は根岸の方が、演じるのは難しかったそうで。
相当エネルギー使ったろうなぁ…。
女社長:松雪泰子。
めちゃめちゃ楽しそうでした。
ホントに生き生きしてた。本人もかなり楽しんだんじゃないかな?
岡田義徳が、うっちーに近い髪型で出てました。吹き出しそうになった。
最近見かけないなーどうしてるのかなーと思ってただけに、一安心。

ホントのバカ映画なんだけど(注:褒めてます)、ちゃんと人間描いてるところが好感。
特にお母さん(宮崎美子)はいい味出してるな~。
DMC狂の弟をたしなめるためにクラウザーさんが登場するシーン。お母さんにはクラウザーさん=根岸ってバレバレなのね。
クラウザーさんのおかげで弟がおかしくなって迷惑してるハズなのに、面白がって優しく迎えるところが、なんともいいな~と思ったです。
夢を諦めようとしてる根岸を諭すところとかもね。
あまりに夢夢言うから「ROOKIESか?」って思ってしまったけど…。
ライブシーンが短めなのは、全体のテンポを考慮したのか、デスメタル苦手な人に配慮したのか、どっちだろ?
こじかは一瞬「スピード・レーサー」状態になりかけたらしいけど、シーンが短かったんで、平気だったらしいです。
ただまぁ、ホントのデスメタル好きな人には物足りない?だろうけどねぇ。
でも、作品の柱はデスメタルではなくて、根岸の悲喜劇だから、個人的にはちょうどいいバランスと思いましたね。
原作は読んだこと無いんだけど、エピソードの順番をバラバラにして、映画として筋が通るように再構成してるらしいです。
だから6巻のエピソードが1巻のエピソードの前に出たりしてるみたい。
原作知らない者の意見としては、破綻のない一本の作品として観れました。
「ナイス・タンバリン!」ならぬ「ナイス脚本!」ですな~。

見終わって「楽しかったなー」と思える作品でした。
同じバカ映画でも「舞妓Haaaan!!!」とは双璧かも?
あちらは観客選ぶけど、こちらは誰が見ても楽しめると思うんで。


…そういえば、根岸と公彦って同じ髪型だな…。


劇中、DMCのベーシスト・和田君が「Mステに出るのが夢。」と言ってるんだけど、実際にDMCとして出演依頼が来て、松山ケンイチが「勘弁してください。」って断ったとかなんとか…。
(「依頼が来たらどうしますか?」って質問だったかな…?)

パコと魔法の絵本

2008-09-18 00:07:25 | 映画
※当ブログは基本的にネタバレありで書いてるので注意してください。



阿部サダヲ主演と言っても過言じゃない作品「パコと魔法の絵本」です。
いや、ホント、良くも悪くも阿部サダヲが全面的に出演してるってのは、もっと伝えないとダメじゃなかろうか??
舞妓Haaaan!!!」がダメな人は、ひょっとしたらパコもダメかも…?
うちらは阿部サダヲはかなりツボなんで、それだけで観に行く指数が上がるんですが。
実際、予告を観ただけでは「カラフルなファンタジーやなぁ~」くらいにしか思わず、食指は動かなかったんですよ。
ところが、こじかが会社の方に誘われて試写会に行ったところ「思った以上に面白かった。」と。
あと「阿部サダヲ主演って言ってもいいかも。」と。
こうなったら観に行かなきゃなりませんよねー。



観客は、一応子供向けってことで、子供連れの方が多かったです。
下手すりゃポニョより多かったんじゃないかな??
…まぁ、ポニョはかなり遅くに観に行ったんで、なんとも~だけど。
後から考えると、いかにも阿部サダヲ目当ての人も居たり…って、うちらか。

さて、物語は「お前が私を知ってるってだけで腹が立つ!」が口癖の超偏屈ジジイ:大貫(役所広司)が、
交通事故の後遺症で、記憶が1日しか保てない女の子:パコ(アヤカ・ウィルソン)と知り合うことにより、
最後には「私はこの子の心の中に居たいんだよ!」と叫ぶくらい、いいお爺さんになるというお話。
大筋はこんな感じ。
…めちゃめちゃざっくり書いてますが…。
大貫を、狂言回しである堀米(阿部サダヲ)がおちょくりまくり、個性ありすぎる他の出演者がかき回し、笑いあり涙ありの作品に仕立て上げています。
ホント、ある意味パタリロ的ノリだよー。
どっちかというと笑いの比重の方が高いかな?
でも、大貫が心開いていく様子は、結構感動的。
CGアニメのキャラと被せながら心情描いてるんだけど、それが絶妙で。
ちょっときましたねぇ。
パコをぶん殴るくらいのクソジジイが、パコの記憶が1日しか保てない事知って反省して大泣きし、罪滅ぼしにと、毎日絵本を読んであげる。
その絵本の中のガマ王子に自分を重ね合わせ、自らの人生も振り返るという。
ホントにうまく構成されてます。
で、ここに阿部サダヲが絡みまくるんで、決して重くならない。
…まぁ、鬱陶しく感じる人も居るでしょうけど…。
他に印象的なのはヤクザの龍門寺(山内圭哉)やな~。
「サルや。」
「ドリフか。」
は、かなりツボでしたね~。

ラストはちょっと意表突かれました。
ストーリーの流れからして「あぁ。これで最期なんだな…。」と思ったら、なんと…。

「ことらはCGに食傷気味~」と最近よく書いてるんだけど、パコに関してはほとんど気にならなかったです。
そりゃもぉ、出演者達がCG並にメイクしてるし…って、そういう訳じゃなくて。
実写部分とアニメ部分の色調や雰囲気が、見事に一致してたんですね。
だから、パコとガマ王子が手繋いでても、何も違和感が無かった。
ファンタジーだから出来たと言えばそれまでなんだけどね。
でも、見せ方次第なんだなぁーと、感心しました。

全体の絵は、確かに子供向けなんだけど、ストーリーは大人向けのように感じます。
この作品で癒される人かなり居るんじゃないかなぁ?
それに古典的楽屋オチがあちこちに散りばめられてるんで、やっぱある程度の年齢の人の方が、より楽しめるかも??
観て良かったーと、素直に思った作品でした。
…ホント、「ポニョ」を先に観ててよかったよ…。

ポニョ vs パコ

パコ圧勝。

崖の上のポニョ

2008-09-12 20:45:36 | 映画


「ハウルの動く城」から、実に4年振りとなる宮崎駿監督作品「崖の上のポニョ」です。
そんなに時間経ってたんだねぇ。
全然そんな気しないのは、やっぱ「ゲド戦記」の喧噪がもの凄かったからかなぁ?
ま、それはともかくとして「ハズレのない宮崎駿作品」ということで観に行ってきました。

「子供のために作った。」という公言通り、難しい内容はなかったです。
「ファンタジーやな~。」ってのが、見終わってすぐに出た感想。
まぁ、環境破壊はかなり匂わせてましたが…。
絵の見せ方や、動き、サブキャラまで生き生きしてる等々、「さすが。」と思わせるところは多々あるものの、
なんか物足りない。
いや、作品的にはかなり上質ですよ。
観てて引き込まれる。
ただ、「宮崎駿」の看板で考えると、やっぱ過去の作品と比べてしまってねぇ。
正直言うと「なにが描きたかったのかなぁ…?」と思ってしまいました。
宗介が自分の親の名前呼び捨てなのも「?」だったし…。
5歳の子供だからなぁ。ぶっさんが「公助!」と言うのとは訳が違う。
でもリサは、そんなにお母さんお母さんしてないから、これで「お母さん!」だと違和感あったのかも。
ひょっとすると、アフレコ時に急遽台本変えたのかもね。

声優にタレントや俳優を起用というのは相変わらず。
これってかなり諸刃の剣だよねぇ。あちこちで言われてるけど…。
一度、全キャラ本職の人でやってもらいたいような。。

過去作品に比べると物足りないというのは否めないんだけど、個人的にはツボなところが結構ありました。
子供の頃に一度やってみたいと思っていたのが、家中至る所を目張りして内部を水で満たして泳ぎ回るということ。
…こんなことしたら大目玉だったろうけどねぇ。
不謹慎ながら、水没した町の風景がこのこと思い出させて、ちょっとワクワクでした。
道路に沿って魚が泳いでるトコとかね。
もうひとつは、おもちゃが大きくなって、それに乗れるということ。
ドラえもんでペーパークラフトのUFOで空飛ぶみたいな回があって、それにすごく憧れてたんで、ポンポン船が大きくなって乗ることが出来るというのは、かなりツボでした。
確か作ったなぁ。ポンポン船。うまく動かなかった気がするけど…。

CGに食傷気味なことらとしては、全編手書きというのは、観ててすごく安心しました。
逆に新鮮に思うくらい。
これは駿監督の狙い通りなんだろうけど、絵が動く楽しさってのを再認識した気がします。
特に津波?魚?に乗ってポニョが走るシーン。
考えてみればとんでもない状況なんだけど、あのシーンはかなりワクワクしましたね~。
「手書きとCGは両方やらなきゃいけない。」という押井守と
あえてCGを捨てた宮崎駿。
この2人にはまだまだ作品作ってもらいたいですね~。
でも、若干ポニョは「ネタ切れ?」的なところがあったけど…全体の雰囲気はトトロだし、ところどころ千と千尋だし…。



それにしてもリサの運転はものすごいな。
たぶん、あの一帯では最速なんだろな。
パッと出の高性能車より、毎日通勤で走ってる軽トラの方が速いというのはよくある話だけど、
それを地でいってるよな。

インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国

2008-08-20 20:24:32 | 映画


なんと20年振りの新作「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国
」です。
ハリソン・フォードは御歳66歳!
さすがに老けたな~って印象は否めません。
アクションはきついってことでシャイア・ラブーフに声掛かったのかな?と思ったんだけど、なんのなんの。
バリバリにアクションしてますよ。
しかも、ほとんどのスタントを自らこなしたらしい。
見た目はともかく、中身は歳取らないのか、この人は???

今回のこの作品、ちょっと前知識が必要なようです。
・ロズウェル事件
・エリア51
・水晶の髑髏(クリスタルスカル)
ことらは知ってたから問題なしだったんだけど、こじかは知らなくて、話について行けなかったらしいです。
それにしても、考古学から一気に宇宙人ネタに飛ぶとは…。
「突飛やなぁ。」というのが、観終わった後の素直な感想でした。
でも、ホントの意味での娯楽大作。
軍隊アリの気色悪いシーンはあるものの、基本的には老若男女楽しめるのはさすが。
なーんにも考えずに観れるんで、いい気晴らしなりました~。

それにしても、インディの新作はずっと噂されてて、そこから聞こえてきたのが
「スピルバーグ・ルーカス・ハリソンの3人が納得する脚本でないと、続編は作らない。」
だったのよね。
で、今回。
ホントに納得したのか??という疑問が…。
だってね、今回の話簡単に言ってしまえば、
「クリスタルスカルは宇宙人の骸骨で、それを返しに行ったらUFO出てきてちゃんちゃん♪」
ですよ。
なんか~、描いてたインディのイメージとは違ったような…。
同じネタをナショナル・トレジャーで~って訳にもいかないしねぇ。
あちらは超常現象無しだから。
インディが超常現象出まくりなのは分かってたんだけど、まさかオチがUFOとは…。
むむむ。
面白かったからいいんだけども。


歴史ある作品故、観客の皆さんはお歳を召した方が結構多かったです。
エンドロールで誰も席立たなかったのが、なんか印象的。

クライマーズ・ハイ

2008-08-19 22:42:47 | 映画


この作品、日航機墜落事故の話だと思って観に行った方は「???」だったんじゃないでしょうか?
ん年前にNHKのスペシャルドラマ見た時のうちらがそうでした。
確かに日航機がらみなんだけど、なにやら新聞社で喧々囂々とやってる。
かと思ったら、山登ってる。
正直、「なんじゃこりゃ??」でしたね。
いや、俳優陣の迫真の演技には引き込まれましたが。
こんな感じなんで、予備知識はあった方がいいと思います。
原作読んでから観るのが一番いいのかも?

物語は、架空の新聞社で巻き起こる、日航機墜落事故の報道を巡っての、社内でのドロドロした争いを描いてます。
そして、突然全権デスクに祭り上げられた主人公:悠木の苦悩と葛藤。
…なんかね、この姿がね、今のことらの状況とかぶってしまって、なんともやるせなくなったんですよね~。
いや、うちの会社はこんなにドロドロしてないし、手柄横取りされる!みたいな嫉妬もないんだけども。。
まぁ、一人で抱え込んで奮闘してる姿がね。なんかね~。

自分の意見をしっかり持って、それを貫き通すためには、部長達はおろか、社長に噛みつくことも厭わない悠木なんだけど、それと反して、結構慎重なところもあります。
それをよく表してる台詞「チェック。ダブルチェック。」
これは、悠木が新聞記者を目指すきっかけになった映画に出てる、主人公の台詞だそうで。
この人、ベルトして、なおかつサスペンダーもしてるらしいです。
で、人にそのことツッコまれると「常に二重にチェックするように、自分を戒めているんです。」と答える。
悠木も、どんなスクープがあっても、裏が取れないと、載せることをよしとしません。
そのおかげで、事故原因は圧力隔壁という、最大のスクープを逃がす。
でも、誰も悠木を責めないし、責められません。
社長を除いては。

なんかもぉ、この辺の心境がすごくよく分かってね~。

本気で仕事してる、人間臭い男を、堤真一が熱演してます。
周りの俳優陣も豪華。
堺雅人もすごくよかった。
新撰組以来だったけど、やっぱこの人は存在感あるな~。
それよりなにより、マギーがよかった~。
彼が唯一の息抜きというか、なんというか。ちゃっかり笑い取ってるし。
NHKでは赤井英和が演じた、悠木の山仲間。
入院中に目覚まさなかったっけ?なんかそんな記憶があるんだけど…。
高嶋政宏は目覚ましませんでした。
その後どうなったのやら…。


ラスト、ニュージーランドまで息子の順に会いに行く悠木。
結局会わずにクルマで立ち去ったのかと思ったぞ…。

カメレオン

2008-08-17 20:33:43 | 映画


この作品、ほとんど宣伝されてなかったですね~。
パンフレットもちゃちでねぇ…撮影以外にはお金掛けないってスタンスだったんだろか…?
そんな「カメレオン」、うちらが知ったのは「身毒丸」を観に行った時に、その劇場で。
「ほぉ。こんなのやるのか。」と期待したものの、そこからまったく音沙汰無し。
よーやく、なんかの映画観に行った時に、一度だけ予告観て「よかった。ちゃんと作ってたんだ。」
と、一安心。
その後なんだかんだと忙しく、「公開終わってしまう!」と、あわてて観に行ってきました。
すでに上映回数は1日1回のみ。しかも晩の7時。
入場開始の案内流れるも、誰も劇場に入っていかない。
「おいおい、貸し切りか??」と心配していたら、開始直前によーやく男性が1名。
合計3名での鑑賞となりますた。
…こんなの初めてだわ…。

もともとは故・松田優作が主演するハズだった作品だそうで。
お蔵入りしてた企画を、主演・藤原竜也で再始動させたそうです。
それ故か、全体の雰囲気はなんともレトロというか、昭和というか。
ストーリー的にも、一昔前の映画のような感覚があります。
それが悪いって言ってるんじゃないですよ。
観終わって、冷静になって、いかにも松田優作だなぁ~って思ったわけで。
じゃあ、藤原竜也じゃダメなのか?と言ったら、全然そんなことはないです。
見事に役にはまってました。
胡散臭い感じがすごく出てた。
こういうキャラ演じるのは、おそらく初めてじゃないかな??

なんでタイトルが「カメレオン」かって、状況状況で色んな表情見せるからってことらしいんだけど、劇中、そういう描写はほとんどないです。
ヒロインのねーちゃんが勝手に言ってるだけ。
藤原竜也演じる「ゴーロ」は、「カメレオン」というよりは「得体の知れないヤツ」。
詐欺師なんだけど、元傭兵上がり(本人曰く、テスト生)なんで、やたらと強い。
交渉術と体術に長けてるから、大抵の人間は手玉に取られるわけで。
国が関与する陰謀に巻き込まれながらも、一人生き残るのは、そういった部分なんだろね。
…「主人公だから。」と言ってしまえば、元も子も無いわけだけど…。

最後は、きっちり復讐果たすんだけど、観てるこちらはなんだかスキッとはしない。
でも、モヤッともしない。
それこそ一昔前の映画ってこんな作品が多くなかったですか?
レトロな感じが楽しめて、藤原竜也の違うキャラも観れて、うちらとしてはかなり面白い作品でした。


仲間が次々とやられていくなか、仲間のじいさん達に危害及ばなくてよかったよ…。
じいさん達まで殺されたら、救い無いもんな。。

スピード・レーサー

2008-07-07 23:31:26 | 映画
※当ブログは基本的にネタバレありで書いてるので注意してください。



ことらが子供の頃、一番遊び倒したおもちゃのひとつが、マッハ号のプラモデルでした。
確かゼンマイで走って、偵察機であるギズモ号がスプリングで飛ばせるというギミック付きでした。
アニメの方はと言うと、見てたはずだけど、内容は全く覚えてません。
ただ、マッハ号の特殊装備であるノコギリやジャンプなんかはよく覚えてるんだけどね。
あと主題歌も。「マッハGoGo♪マッハGoGo♪マッハGoGoGo~♪」
ってフレーズは、ものすごく耳に焼き付いてます。
そもそも放映年が67~68年。まだ産まれてませぬ。
90年代にリメイクされたみたいだけど、そちらは全く知らず。
こちらは、マッハ号はそのまま、キャラは現代アレンジだったみたいで、なんか違うなぁって印象。
今作「スピード・レーサー」は初代の「マッハGoGoGo」を元にしてるみたい。
スピードのヘルメットが初代のヘルメットそのままだし。

そんな訳で、どう実写化されてるか?という興味で観てきました。
1人で行くつもりだったけど、「よく断ってるから。」と、気を遣ったこじかも同行。
ところがこれが大誤算に…。

作品の印象はというと、正直なところ、残念。
残念なのは以下の点。
・弟がうっとい。サルもうっとい。
・弟に絡んで、カンフーの変なアニメ処理がうっとい。
・人物がパンして、それでシーンが変わるというのが、しつこい。
・カーレースのところはともかく、人物が出てるときの背景のCGが手抜き過ぎ。
・極彩色で目が痛い。こじかはピカチュウ症候群に陥った。
・実写映画と言うよりもCGアニメ。
・エンディングがひじょーにうっとい。

もうね、(略

某クローバーフィールドみたいに、事前にWARNING必要じゃないかなぁ?
極彩色の絵が目まぐるしく変化したら、気分悪くなる人続出すると思うんだけど…。
こじかさんヘロヘロになってしまって、大変だったんだからね。
頼むよ、広報。

ストーリーはこんなもんじゃないかな。
言ってしまえば、家族愛を中心に据えた、勧善懲悪物。
よく言われるプロパガンダは、別に感じなかったです。
そもそも企業買収なんてドロドロしたものだし、どうにも防げないとなったら、出来るだけ高値でって考えるだろうし。
あんなもんじゃないかなぁ?買う側も。買われる側も。

レースシーンに関しては、クルマの性能が性能だし、コースがコースだし、現実離れしたゲーム的な映像でもいいと思うんですよ。
原作もあんなだったかはともかくとして。
そもそも出てるクルマも「マッハ6号」という、この映画だけのオリジナルだし。
レースシーンは4回あるんだけど、そのうち3回は「マッハ6号」での、ジェットコースターみたいなコース。
「マッハGoGoGo」らしいレースは1回だけ。原作通り「マッハ5号」が7つの特殊装備駆使して激走するラリー。
ここが一番それっぽくて面白かったな~。
もっとも、レースというよりは「スターウォーズ Episode1」でのポッド・レーサーのバトルみたいな感じだけど…。
最後のグランプリはなかなか熱い展開で、これはこれで良かったんだけどね。
ただ「マッハGoGoGo」でこんなレースあったのか?って思ってしまったのがね…。
覚えてないからなんとも…なんだけど。

でも、一番残念なのは、ひたすらCGだったってことかな。
「スターウォーズ Episode1~3」で、作品に入り込めなかった理由のひとつが
「あまりにCG過ぎ。」だったんです。
逆に「スターウォーズ Episode4~6」は大好き。
こちらはほとんどCG無しでしょ。確か。
ミニチュアを人の手で動かして、カメラワーク工夫して、広大なセット組んで。
やっぱ、そうやって撮影すると、ちゃんと戦闘機が人の意志で飛んでるように見えるんですよね。
それをCGでやると、スムーズに飛びすぎて、なんか違和感。
トランスフォーマー」でマイケル・ベイ偉い!って思ったのは、ロボットはCGで仕方ないけど、それ以外を出来るだけリアルにしようとしたこと。
壊れるクルマや建物は”極力”ホントに壊して撮影したらしいです。
だからあれだけの臨場感が出せた。
現実世界ってアナログな物なんだから、やっぱそれが感じられないと気持ち悪いんですよね。
その点「マトリックス」は、うまくデジタルとアナログを融合させてたと思うんだけどね。

たぶん「スピード・レーサー」はウォシャウスキー兄弟の実験映画なんでしょう。
おもっきりCGだらけにしたらどうなるか?みたいな。
だったらいっそ、CGアニメとして公開して欲しかったような…。
実写とアニメの境界が曖昧だなぁと思う、今日この頃…。



音楽はよかったですよ~。
画面に反して重厚だったし、「マッハGoGo♪」のフレーズ使いまくりで。
これで軽い音楽だったら、目も当てられない作品になっただろうな…。

ラスベガスをぶっつぶせ

2008-07-01 22:14:31 | 映画
※当ブログは基本的にネタバレありで書いてるので注意してください。



「金の無いところに金は来ない。」某野村監督の迷言です。
ことらも変に納得したもんでした。
ところが、この作品の主人公たちは、金の無いところに、錬金術のようにお金を生み出していくんです。
これが実話だというから驚き。
…もっとも、だいぶ脚色されてる気はするけども。。

内容は簡単に言えば、勉強以外に取り柄のない学生がギャンブルに目覚めて、没落していく話…
な、訳は無いです。
主人公ベンは親から「もっと遊びなさい。」と心配される程の勉強の虫。
その甲斐あってハーバード医科大に受かるものの、学費がない。
奨学金に申し込むものの、面接官からは
「我々を感嘆させた者が奨学金を得る。君は何か驚嘆に値する物があるかね?」
と、突き放されます。

シーンは変わって講義の場面。
数学の天才振りを発揮したベンは、教授のミッキーに見初められます。
この教授、実は優秀な生徒を集めて、ラスベガスで荒稼ぎをするチームのボス。
チーム入りを勧められ、最初は断るものの「学費分が貯まったら止める。」と、チーム入りするベン。

ここでだいたい想像付きますよね。
遊びを全く知らない子供が、ギャンブル覚えて、大金手にしたら…。

ブラック・ジャックの必勝法「カウンティング」を覚え、チームでカウントし、どんどんお金を稼ぐベン。
案の定、のめり込んでしまい、学費分はとっくに貯まったのに、手を引く事をしません。
「変わってしまった。」と、友達は離れ、チームのルールを無視して大金フイにし、荒稼ぎしすぎでカジノ側にマークされてボコボコにされ。

まさに「やっちまったなぁ~!」ですよ。
この辺りは、観ててヒヤヒヤというか、ハラハラというか、イタタタというか。
人生そんなに甘くないってことです。
誰しも経験あるでしょ?余計にイタイんですよね。。

それでも止めないベン。
ベンをチームに誘い、そして全てを奪ったミッキーに泣きつきます。「もう一度やらせて欲しい。」と。
…実はこれ、カジノの用心棒?であるコールと取引した、ミッキーを誘い出す為の口実。
最後は見事リベンジに成功して溜飲を下げるんだけど、この映画の痛快さはココじゃないのよね~。


「これって驚嘆に値しません?」
シーン戻って、奨学金の面接。得意げに話すベン。
今までのは全部回想だったのかよ!
なんとも、「やられた!」って気分になりましたよ。
そして、この話を聞いた面接官の表情。
これはもう、「インファナル・アフェア」のヤン、「デスノート the Last name」のライトってくらいの最高の表情でしたー。

むろん、これで奨学金に受かった訳ではないでしょう。
「一度は別れた友達も、友情が戻れば計算は得意だった。」
またチーム作ってカウンティングで荒稼ぎー!
ま、今度はちゃんと学費分で手引いたみたいだけども。

ハラハラドキドキの痛快映画です。
ラスベガス物は他にも色々あるけど、その中でもかなり面白い部類じゃないかなぁ?
やっぱ、実話を元にしてるだけあってリアルだし。
抑止が効かない辺りなんかが特にね…。
だからことらはギャンブルしないんだ。
のめり込むの目に見えてるんでね~。


ベガスはこの作品のおかげで「カウンティング」が横行してるのかな…?
でも、並の人間に出来る芸当じゃないぞ。。。
ちなみに「カウント」に関しては、劇中では「さらっ」としか触れてません。
パンフレットに詳しく書かれてるんで、そちらを参照しましょう。

幸せになるための27のドレス

2008-06-28 12:40:59 | 映画


ようやく観てきました。
御存知「プラダを着た悪魔」のスタッフの作品ですね。

迷ってたんですけど、会社の派遣友達が誘ってくれたので観に行くことに。
もちろん水曜狙いです。OLっぽい。
ところが、当日に行くと17時30分の回はチケット完売。
が~ん。

この日は諦めて、翌週に再チャレンジ。
今度は月曜にチケットを購入しておきました。
やれやれ。


内容はと言いますと、超王道のラブストーリーです。
プラダのようなオサレ感、スタイリッシュ感はなく、普通にどろくさい。
ある意味、昭和のラブストーリーのような懐かしい感じです。
プラダと比べる必要はないと思います。
本作はこれでいいのです。

最後はこうなるんだろうな。って言うのは、観ている人皆わかってる。
いかにしてそのラストに持っていくか。
この紆余曲折な女心が、なかなか上手く表現されていたと思います。
絶賛!!というほどではないですが、観て損はない作品でした。

まぁ、主人公が美人なんだけど、美人すぎず。(木の実ナナにしか見えない。)
相手役の男子も二枚目過ぎず。(「魔法にかけられて」の王子様。)
それがいいんです。
リアルなんです。
現実の恋というか、結婚はリアルなものです。

それにしても、やっぱりNYの風景は素敵。
観ているだけで、ワクワクしてしまいます。
あ~、もう一度行けたらなぁ。


ちなみにエンドロールはかなりオサレ。
最後は皆、主人公に拍手を贈りたくなる、そんな作品です。

最高の人生の見つけ方

2008-06-16 21:45:12 | 映画


ある日突然「余命6ヶ月」と宣告されたらどうしますか?
某ぶっさんのように「俺、死ぬんだ。」と仲間に宣言してダラダラ過ごすのもアリ。
臨床試験受けて、新薬に希望を託すのもアリ。
でも、エドワードとカーターの2人のじいさんはどちらもヨシとせず、「やり残したことを全てやる!」と旅に出てしまいます。
これはこれでステキな考え方だ~
残された家族はたまらんだろうけど。。。

エドワードは、金だけは腐るほど持ってるけど、孤独な男。
カーターは、夢をあきらめて、家族を守り通してきた男。

たまたま病室で一緒になった、どう考えても水と油な、この2人の共通点は「余命6ヶ月」ということ。
入院中、2人が徐々に心を通わせていく様は、見てて微笑ましいです。
そんなある日、なにげにカーターが書いたのが「棺おけに入るまでにやりたいこと」を書き連ねた「棺おけメモ」。
そして、助かる見込みがないと悟ったある日、エドワードは決心します。
「やり残したことを全てやる!いや、やるべきだ!!」
最初は懐疑的だったカーターが、いつの間にやらエドワードよりもメモの遂行にこだわるようになるのは、ちょっと人生の悲哀が出てるかな…?
よっぽど自分を押し込めてきたんだなぁ…と。
そして面白いのが、それまでの人生で(自分の娘を除いて)他人の心配なんてまったくしたことが無かったであろうエドワードが、本気でカーターのことを心配すること。
いい影響を受けたんやね~。

旅の途中で女性から「部屋を取ってあるの。」と女性から誘われるも、それを断るカーター。
妻への想いを新たにしたのか、エドワードに「帰ろう。」と。
実はこれ、エドワードが、カーターを家族の元に帰らせるために行った策略。
そしてアメリカに帰り、カーターを送るはずが、クルマが向かったのはエドワードの娘の所。
娘に嫌われてると思ってるエドワードは憤慨。2人はケンカ別れして、日常へ戻っていきます。

旅から帰って、2人はそれぞれ、何が自分にとって一番大切だったかを再確認。
カーターは、家族に囲まれて満足そうな笑顔。
エドワードは、孤独にさいなまれてすごく寂しそう。
そしてやってくる、永遠の別れ。
それをきっかけに、エドワードは娘と再会。
温かく迎えられます。

最初は「やり残したことをやる」旅が、いつの間にやら自分を見つめ直す旅になり、そして「自分のやってきたことは無駄ではなかった。」と気付く。
その報われる様を観て「人生っていいもんだなぁ。」と思ったもんでした。


なんというか、映画が良すぎて、何書いても陳腐に思えてしまうのよね~。
ロングランになってるみたいだし、たくさんの人に観てもらいたい映画です。
客層は、やっぱりというか、お歳を召した方が多かったんだけど、どちらかというと若い人に観てもらいたいかも?
昨今、人生投げやりになった若い人が事件起こしてるけど、そういった人こそ観るべきですよ。この作品は。


「棺おけメモ」で最後まで残ってしまった項目
「世界の絶景を見る」
エドワードの秘書の手により、エドワードとカーターの遺灰はエベレストの山頂に置かれます。
これでメモは達成。
絶景眺めながら、再開祝ってカードしてるんだろな~。