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うちらのひとりごと。

酒と映画をこよなく愛する、多趣味な男(ことら)ときまぐれ女(こじか)のブログです。

時をかける少女

2010-03-24 22:14:16 | 映画


一体、何回目の映像化ですか?の「時をかける少女」です。
主演はアニメ版でヒロイン・真琴の声を演じた仲里依紗。
予告を観る限りでは、アニメ版の雰囲気に近いと感じていました。
よく走るヒロイン・あかりと、コケティッシュな仕草と、たぶん能動的なタイムリープと。
が、実際は、むしろ原田知世版に近い感じでしたね。まーったりしてる。どちらかといえばスローモー。
ストーリー的にも原田知世版の続編と言い切っていい内容なんで、あえてまーったりした作品にしたのかもしれません。
もっと笑いもあるかと思ってたんだけどねぇ。ほとんどないです。
くすっとさせられるところは3,4カ所あるけど…。
切なさ重視の作品でした。

前述のように、ストーリーはホント続編です。
深町一夫に会うためにタイムリープの薬を独自開発(!)した芳山和子は、実行前に事故に遭い、代わりに娘の芳山あかりがタイムリープするという内容。
「時をかける少女」と言っても、あかりの意志でタイムリープするのは1回だけです。
真琴のようにタイムリープしまくるってことはないんで、ちょっとタイトルに偽りあり?

おもしろかったのは、今風の女の子が30年前に飛ぶと、めちゃめちゃ浮きまくりってこと。
言ってしまえば、一人だけアカ抜けてるって感じなんで、周りとの対比がなんともおかしかったですね。

脚本はよく出来てると思うんだけどねぇ…うちらとしては、もっと抑揚を付けて欲しかったです。
良く言えば、まーったり。悪く言えば、だらーな作風が、ちょっと物足りなく感じました。
最後のバスのシーンもねぇ、もっと盛り上がるかと期待したんだけど…サラッと流されてしまった感があって。

仲里依紗は可愛いですよ。
彼女目当てに観に来たであろう男性客も何人も居たし。
前述のように周りとの対比もあるし、主要キャストがもう一人・中尾明慶と2人だけというのもあって、ほとんど仲里依紗のプロモーション映画と言ってもいいのかも??
ただ~二宮和也に似てるなぁ~と思ったのはことらだけではありますまい。

中尾明慶は名バイプレーヤーでした。
彼が居ないとこの作品は成り立たない。
すごく昭和な雰囲気を出してて、アカ抜けなくて、でもいい人っていう(褒めてるんか?)。
Rookiesの頃からいいなぁと思ってたんだけど、このままいけばいい役者さんになってくれることでしょう。
今後の活躍に期待っ。
もし実写版スラムダンクが有れば、リョータ君役ハマると思うんだけどなぁ~。
あ、期せずして今回の役名も涼太だった…。

いや、良くできたいい作品ではありましたよ。
個人的に、もっとテンポ良くやって欲しかったって思うだけで。
まぁ、前作の踏襲と、切なさ重視っていう観点で見れば、この作風は正解でしょう。
実際、原田知世版と続けて観ても違和感無いだろうなって思うし。…CG等、技術的な面での違和感はあるだろうけど…
ただ、やっぱアニメ版観た後では、ちょーっと物足りなく思うんですよねぇ。
うちらの中では「トキカケ」最高峰はアニメ版なんで。

インビクタス ‐負けざる者たち‐

2010-03-05 23:16:42 | 映画
※当ブログは基本的にネタバレありで書いてるので注意してください。



南アフリカという国は、なんとややこしい国なんだろうと、ことある事に思います。
ブラッド・ダイヤモンド」しかり。
歴史を全然知らないから、余計にそう思うんでしょうね。
正直、南アフリカに白人が居るなんて思いもしなかったし。
そんな考えを呼びさまれつつ、でも非常に安心して観ていられた作品「インビクタス」です。

ストーリーは、ネルソン・マンデラ大統領の就任直後から、1995年ラグビーワールドカップでの南アフリカ優勝までを描いています。
マンデラ氏は元々、反アパルトヘイト運動を行っていた人物。
それにより27年間も投獄され、色々有った末に大統領にまで上り詰めた人物。(不勉強…)
国のトップが黒人となったことで、大統領府で働く白人達はクビを覚悟するんだけど、そこでマンデラ氏が語ったのが「肌の色に関係なく、和解し、協調すること。」でした。
それは大統領を警護するSPも例外ではなく、白人と黒人の混成チームに。
その頃のラグビー南アフリカ代表チームというのは、とにかく弱く、「南アフリカの恥」とまで言われていたのです。
そしてこのチームはアパルトヘイトの象徴であり、黒人達からは忌み嫌われ、黒人大統領が誕生した今、チームは解散の危機なのでした。
そのことに断固反対したのが、ネルソン・マンデラ大統領。
「今、白人達からチームを奪うのは、かつて彼らが我々にしてきたことと同じだ。それではこの国の発展はない。復讐ではなく赦しを行おう。彼らも南アフリカ国民なのだ。」と。
(セリフは全く合ってません…大体こんな感じのことを言ってたってことで
そして、チームの主将:フランソワ・ピナールを鼓舞し、1年後のワールドカップ優勝を目指すのでした。

とにかく、この頃の南アフリカはややこしい。
黒人と白人は仲が悪い。
(たぶん)白人は裕福。黒人は貧困。
白人は、マンデラ氏が大統領に就任したことで、報復されると思っている。
法律的にはアパルトヘイトは廃止されたけど、まだまだ根強い。
などなど。

象徴的なのが、ラグビー南アフリカ代表「スプリングボクス」の試合。
白人達はボクスを応援。
黒人達はボクスの敵を応援。
同じ国なのに、ナショナルチームを巡って民族真っ二つ。
その頃はスポーツといえば、黒人達はサッカー、白人達はラグビー。
そんな、南アフリカの「白人の」代表チームだったのが、ホントの意味での「南アフリカ代表チーム」に成長していく様は、観てて気持ちいいです。
きっかけは、マンデラ氏とピナールの直接会談。
「ワールドカップで優勝しろ。」なんて一言も言わず、「君は自分を鼓舞する時どうする?」「仲間に実力以上の力を引き出させる時どうする?」と尋ねます。
「チーム全員を奮い立たせろ。」と暗に言ってるんですね。
結果は自ずとついてくる。

この後、W杯のPR兼ねて貧しい子供達にラグビーを教えるという活動を行うようになり、そこから急にチームが強くなります。
尺の関係か、ホントに突然強くなるんだけど、ストーリー的に考えられる理由としては、肌の色なんか関係無しに「南アフリカ代表」って意識が目覚めたからだと思うんですよね。
ということは、もともとフィジカル面では問題無かった。
あとは気の持ちようだけ…だったのかなぁ?と。
黒人達がスプリングボクスを受け入れていったっていうのも大きいだろうけども。

…こうやってウダウダ書いてますが、映画ではこういうややこしい事はサラッと流しています。
こんなの説明してたら、映画としては鬱陶しくて仕方ないやねぇ。
この辺はクリント・イーストウッドの手腕なんだろうね。
映像的にはさわやかな映像。でも、こういったことを色々考えさせられるという。
さすがだね~

この作品は実話を基にしているんだけど、史実を知らないもんで、ニュージーランド・オールブラックスとの決勝戦は大興奮でした。
さながら「世界最速のインディアン」の再来でしたね~。
また盛り上げ方もうまいんだわ。
ホントに、余計な演出無しの素直な映像で、観てて気持ちいい作品でした。
ある意味「パレード」とは真逆だねぇ。



オールブラックスのハカ。
何回聞いても「がんばってーがんばってー」と聞こえる…

パレード

2010-03-04 21:46:23 | 映画
※当ブログは基本的にネタバレありで書いてるので注意してください。



この作品ってほとんど宣伝されてないですよね?
普段劇場に足を運ばない人には、ほとんど目に触れること無いんじゃないでしょうか?
うちらは「ANJIN」の時に「今度こんな映画やるのか」と気付いた「パレード」です。

いやはや、なんとも不思議な作品でした。
よく言えば、出来のいい自主製作映画。
悪く言えば、行定勲監督の独りよがり。
たぶん、あまり観客のことは考えられてないんじゃないかな…?と。
良くも悪くも「観たければ観てね。」というスタンスに感じられました。
「…って、おいっ!」的な、説明無しの事柄があまりに多くてねぇ。

重大なネタ晴らしについてもサラッと書いてしまおうと思うんで、未見の方は御注意を。

正直言うと、付き合い始めのカップルにはお勧めできない映画です。
普段あまり映画観ないけど「なんか面白い作品ない?」という人にもお勧めできない映画です。
なにしろ、あまりに生々しい。
そういう映画だとは思わなかったんで、ちとびっくりでした。

内容は、ルームシェアリングしてる男女4人に5人目が加わることで、それまでの日常が少しずつ変わっていくというお話。
メンツがなかなか生々しくて。
先輩の彼女を好きになってしまい、セクースして三角関係になる男と、
妊娠してしまったけど、中絶して、彼と別れる決心する無職女と、
レイプビデオ見ることで自分の臆病さを打ち消してる女と、
一見一番まともだけど、実は通り魔の男。
で、ここに身売りしてる男が加わる。

…箇条書きすると壮絶やな…。

昨今よく言われる「隣は何をする人ぞ。」これのルームシェアリング版なんですよね。
同じ屋根の下に暮らしながら、実はその人の深い部分は知らないし、探ることもしない。
何故しないって、そんな事すると今の生活が壊れてしまうから。

象徴的なセリフも色々と。
林遣都演じるサトルが初めてその部屋に来た時に、貫地谷しほり演じる琴美に尋ねた事。

「4人で暮らすってウザくないの?」
「ここって、インターネットで言うとチャットや掲示板みたいな物。それもマナーのいい掲示板。」
「ふーん。じゃあ、上辺だけの付き合いなんだ。」
「えっ…?」

香里奈演じる未来が、藤原竜也演じる直輝にサトルのことを尋ねた時。
「サトルってどう思う?」
「お前の知ってるサトルを俺は知らないし、俺の知ってるサトルをお前は知らない。誰も本当のサトルなんて知らないんだよ。」

なんかねぇ、すごく現代を象徴してるなぁと思いましたね。
隣人を深く知るために突っ込んだ付き合いするかというと、今は誰もしたがらないですよね。
なるべく関わらないようにして、ややこしいことには巻き込まれないように努めているというか。

この映画は、そこをさらに踏み込んでいます。

近隣で通り魔事件が続発。狙われるのは若い女性ばかり。
住民達は当初はサトルを疑うんだけど…実は犯人は直輝。
現場をサトルに目撃され、直輝はサトルに「警察でもどこでも突き出せよ。」と言う。
が、サトルは「大丈夫っすよ。」と。
「アイツらにどう言うんだよ?」
「もう知ってるんじゃないですかねぇ?」
「えっ…?」
直輝が部屋に帰ると、小出恵介演じる良介が先輩から持ち掛けられた伊豆旅行の話で盛り上がってる。
結局みんなで行くことになって、未来が「直輝、あんたも行くでしょ?」と。
この時の全員の目が怖い。
直輝が通り魔だってことは知っている。
でも日常を壊したくないから、そこには触れない。
今まで通りの、上辺だけの付き合いを続ける…。

正直なところ、観てて「このままダラダラと、どーでもいい話し続けるのか?」と思ったんですよね。最初は。
それくらい展開が無くて。
でもそれは前振りで、4人の退屈な日常を描いて、次にサトル登場でその日常が崩れていく様を描いてる。
極めつけが、直輝の犯行現場の目撃。

重苦しい映画ですよ。
現実に起こりえる話だし、観た誰もがなんか引っ掛かるところあるだろうし。

作品としては…やっぱ単館系作品ですね。
これはメジャー公開できないだろう…って。
どぎついもん。ホントに。
行定勲監督がスポンサーの束縛から逃れて、「撮りたい物撮ったらこうなりました。」的な感じ。
ただ、俳優は豪華だし、監督も監督だし、見応えのある作品であることは間違いないです。
今の生活を考えさせられる映画かな…大げさに言うと。

ゴールデンスランバー

2010-02-23 00:17:10 | 映画
※当ブログは基本的にネタバレありで書いてるので注意してください。



ANJIN」で「ええもん観せてもろた~」と書きましたが、それに続いて「ええもん観せてもろた~」だった「ゴールデンスランバー」です。
いや、ホント面白いですよ。この作品。
キサラギ」のような緻密さを感じます。
それでいて、しっかりエンターテイメント。
意外と笑いあり・涙あり。
かと思えば「こえ~」という恐怖感。
およそ、楽しめる要素がてんこ盛りの映画でした。

あまりに緻密すぎて、おそらくは何を書いてもネタバレになります。
かと言って、書かないと記事になりそうにないんで、気にせず書いてしまおうと思います。
未見の方は御注意を。


内容は、首相暗殺犯に仕立て上げられた男の逃走劇です。
…と書くと、なーんの味気も無いですが…。
でも、この作品において、逃走は重要なファクターではありません。
それよりも描かれているのは、無実の罪で逃走を続ける、堺雅人演じる青柳を助ける人々の数奇な縁。
彼を助ける、昔の仲間。
もう戻れない、仲間達との過ぎ去った日々。
むしろこれらが、この映画の主題になっています。
見た目サスペンスだけど、実はそれほどサスペンスじゃない。
実際、何も解決しないまま終わるしね。
なので、ハリウッド的な逃走劇を期待する人には、物足りないかもしれません。
派手なのは前半の爆発シーンくらいで、あとは結構地味だし。

サスペンスじゃないとはいえ、(たぶん)国家権力によって首相暗殺犯に仕立て上げられるんだから、その辺りの描写は結構怖いです。
ものすごく用意周到だし。
「目付けられたら終わりやな…」と、すごく感じましたね。地味に生きましょ。。

なんで青柳が目付けられたか?
彼は配送の仕事してるんだけど、その配達途中に、偶然アイドルをストーカーから助けたんです。
それによってTVでインタビューされまくりで、一躍有名人に。
そこでよく出てくる台詞「イメージだ。」
アイドルを助けたヒーローが一転、今度は首相を暗殺。
世間の注目はいやが上にもそこに集まる。
そうなると、それを隠れ蓑に様々な陰謀を展開しやすい…。
まんまと利用された訳ですね。
暗殺された金田首相は、本命と言われた海老沢議員に勝って首相になった人物。
一番怪しいのは、海老沢本人か、その周辺。
…明かされずに終わるんですが…。
青柳を何故か助ける通り魔・キルオも「青柳さんが相手してるのはもっと大きな相手…国家とか権力とか呼べちゃうヤツだよ。」って言ってるし。

…と、サスペンス要素は満載なんだけど、これは主題じゃない。
一番の主題は青柳と晴子の関係かな、と。

この2人は元恋人同士。
同棲までしてたんだけど、晴子が「別れましょう。」と。
「このままじゃ私たち”よくできました”で終わると思うんだよ。」と。

観終わって、後から考えると、青柳が「よくできました」から「たいへんよくできました」に成長していく過程を描いてたのかな?と思うんです。
学生の頃の青柳は、板チョコを半分に割って、割ったのを見比べて、大きい方を晴子にあげるような人物。
晴子としては、そこがモヤッとする点。
もっとざっくばらんになって欲しい…と。

暗殺犯とされる直前までは、たぶん青柳は「よくできました」だったはず。
ところが極限状態に追い込まれて、シートベルトなしでクルマ運転したり、運転中に携帯使ったり…それまでの青柳なら絶対にしなかったであろう行動。
そして絶体絶命のピンチもくぐり抜け、顔を整形して世間から隠れるようにし、「どんな無様な姿晒してもいいから、とにかく逃げて、生きろ。」という森田の言葉を守った青柳。

青柳は逃亡者となり、晴子は家庭を持って一児の母に。
その子が青柳に「お母さんがこれ押してあげなさいって。」と、手にスタンプを。
そこにあったのは「たいへんよくできました」

なんかうまく書けないけど、これがこの映画の主題かなぁと感じるんですよね。


かたやサスペンス面も、最後はぎょっとさせられます。
雨水管に逃げた青柳を香川照之演じる佐々木が狙撃した後、警視庁の偉いさんが「本物の青柳雅春でしたか?」と問うシーン。
佐々木はかなり驚くんだけど、その顔見て「コイツも踊らされてるだけなんだな…」と感じました。
そして後日上がる、青柳の水死体。(むろん、青柳本人は生きてるんで、これは偽物)
ものすごい陰謀が読み取れて、空恐ろしいシーンでしたね。


深読みすると色々読み取れるんだけど、そんな事考えずにさらっと観ても、かなり楽しめる作品と思います。
全ての事柄に必ず前フリがあるんで、2回3回と観ても、新しい発見があって楽しめるハズ。
で、何も解決せずに終わるから、観終わった後に「あーだこーだ」と話盛り上がること間違いなし。

観終わった後不思議だったのが、なーんにも解決してないから普通ならモヤモヤするはずなのに、何故かスッキリしてたってことなんです。
そのことについて考えてみると…
原作の方は色んな視点があるそうなんだけど、映画はあくまで青柳の視点で描いてるそうです。
だから、逃亡に必死で黒幕が誰かなんて知る由もないし、極限状態だから、昔のことを振り返ったり、仲間を思ったりする。そりゃクルマのエンジン掛かるだけで泣くわなぁ…。
うちらは、その辺にたぶん無意識で気付いて、自然に観れたんだろうと思います。
これがあくまで逃亡劇として観てたら…大暴れしてたかもねぇ。。

カールじいさんの空飛ぶ家(吹き替え版)

2009-12-23 10:18:09 | 映画

ピクサーの最新作、観てきました~。
私もことらさんも、すごく楽しみにしていたのですが、ことらさんは、観た感想があんまり?だったようで、今回は私が書くことに。

この映画は、頑固じいさんとイケてない子供の冒険の物語です。
亡くなった奥さんの話は、それほど重要ではありません。
おじさんが、ひたすら家を引っ張って、敵と戦ったりすると言うお話。
この敵の悪役の設定がエゲツナイんだけどねぇ。

まるで桃太郎じゃないけど、犬と鳥と子供(猿じゃないけど)が子分になってるしね。
私は、それなりに感動して、奥さんとの思い出のシーンで涙してしまったのだけど、基本的に、超感動~!!
泣ける~!!
って感じではナイです。

でもさすがに絵はとても綺麗でした。
日本の手書きアニメもいいけど、やっぱりピクサーのCGも素敵ですね。
リアルだし。
3Dじゃなかったけど、充分でした。



とにかく、泣ける映画!!と期待しすぎずに、軽~い気持ちで観ることをオススメします。
しかし子供が観て、面白いと思うかどうかは?かな~。

2012

2009-12-13 20:43:39 | 映画
※当ブログは基本的にネタバレありで書いてるので注意してください。



これまでディザスター映画はあまり観たことがありませんでした。
TVでやってて片手間に観た「アルマゲドン」と「ザ・コア」くらいかな。
「中身が無い」とか「アメリカ万歳!」みたいなところがかなり目について、「まぁ、わざわざ観に行かなくても~」的に思ってたジャンルです。
んなこと言いながら、何で観に行ったのさ?と言われるとツライんだけどね。
まずは、この手の映画にしては珍しく、こじかが観たがったってこと。
サンピエトロ寺院が崩壊する、衝撃的なシーンに惹かれたとか。
元々、まったく興味がない訳ではないんで「じゃあ、観に行くか。」となったわけです。

で、観に行った正直な感想は「おもしろいっ」でした。
圧倒的な映像もさることながら、ちゃんと人間が描かれていた事に驚きました。
「地球が崩壊する映像観せたいだけで、中身全く無いんちゃうの。」とタカくくってただけに、見事に期待を裏切られましたね。

この作品の売りである、崩壊の映像は、それはそれは見事でした。
間違いなくCGなんだろうけど、全然CG臭く無い。
見事すぎて「あー、こりゃダメだ。こんな事なったら素直に諦めるな。」と思ったくらい。
だから、良くも悪くも客観的に観れたんですよね。
この作品って、視点によって、まったく印象が変わると思うんですよ。
うちらは前述のように、先に諦めてしまって、客観的に観れたおかげで「おー。みんな生き残るために必死だなぁ。他人のことも考えるヤツも居れば、自分だけで精一杯のヤツも居るよなぁ。」と思えたんですよね。
これが、「いや、こんな事になっても、何が何でも生き延びたい。」と考えた人は、おそらく「ふざけんなよっ」と怒ったのではないかと…。
そうなる理由は、各国が協力して極秘裏に建造した「方舟」に原因があるんだけどね。

そもそも、なんで地球が崩壊するのか?
2009年に惑星直列による重力変化で太陽から、人類がそれまで「見たことないっ」巨大フレアが上がります。
そこからは大量のニュートリノが放出され、そのニュートリノが物理反応を起こす。
それは電子レンジのような状態となり、地球の核を熱する。そのおかげで地層が剥離していく。
その剥離が起きるのが2012年…というのが「2012」での設定。

まぁ、現実には、いくら惑星直列が起きても、そこまで影響力のある重力場は形成されないそうです。
御安心を??

ともかく、「こりゃヤバイ」と各国が協調して、中国の山奥で極秘に「方舟」の建造を始めます。
この方舟、当初は宇宙船だと思ってて、てっきり地球脱出を謀るんだと思ってたんですよね~。
実際は、ホントに方舟でした。
大洪水をなんとか凌いで、残った陸地に辿り着こうという計画。

この方舟に乗れる条件というのが、ちょっと酷いんです。
まずは、各国の偉いさん。
…まぁ、これは仕方ないかねぇ。汚いけども。
次に、遺伝子的に優秀な人。
…分からないでもないけど、どういう基準があるんだ?
最後に、10億ユーロ払って、乗船券を手に入れた人。
…今話題のタイガー・ウッズでも無理。
そして、この方舟のことは、世間一般には知らされていません。
つまり、一般市民は見殺しです。

酷い話ではあるんだけど、これも考え方かなぁ?と思うんですよ。
そもそもが、知らされてないんだから、そんなこと知らないまま、お亡くなりになってしまうだろうって事。
万が一乗れたとしても、生き残る人類っていうのは、先のような人々のみ。
…きっと、生き残っても全然幸せになれないだろうなぁ…。
それよりなにより、地球があれだけ大変なことになってるんだから、気候やら何やら、とても今まで通りの生活は出来ないだろうと思うし。
運命に身を委ねるのが一番いいかなぁ~と思いました。
地球があんな事になったら、それはもう「死ね。」って言われてるんだろな~なんて思うし。

…なんて言いながら、いざホントにそういう状況になったら、とことん抗うかもしれませんが…。

ちなみに、先の「10億ユーロ」の話は、人間の汚い部分を描くために、あえてそうしたなんて話がありました。
分かりやすすぎて、ちょっと引くけどねぇ。
でも、実際あんなもんだろなと、変に納得したシーンでした。

サンピエトロ寺院から、キリスト像から、ラマ教の本山?まで。
民族・宗教に関係なく、ありとあらゆる物が破壊される様はなんとも壮絶なんだけど、偏ることなく全て破壊されたんで「破壊は平等なんだなぁ。」と、変に感心したのでした。

これだけ色々考えさせられ、ものすごい映像は観せられ、そしてちゃんとストーリーもある。
なかなか良く出来た作品だと感じました。
ただ、ある意味ジェットコースタームービーでもあるんで、結構疲れます。
こじかはしょっちゅうビクッビクッしてたし。
心臓弱い人は観ない方が無難かも??

なくもんか

2009-11-23 14:16:42 | 映画


第2弾の作品っていうのはメッセージ性が強くなるんでしょうか?
ナイト ミュージアム2」しかり、今回の「なくもんか」しかり。
…まぁ、「なくもんか」は続編ではないけど…でも「舞妓Haaaan!!!」と同じスタッフだから、実質第2弾でしょってことで。
異常なハイテンションだった「舞妓Haaaan!!!」とはうって変わって、今度は人情ドラマというか家族愛がテーマです。
ぶっちゃけ、「舞妓Haaaan!!!」と同じ物を期待した人にとっては肩透かしかも?
基本はバカ映画なんだけど、あそこまでの大きな笑いは無いです。
小ネタ満載で「くすっ」って感じ。
しかも「これは内輪ネタだろ~」的な笑いが満載。
クドカンドラマをよく見てる人にしか分からないであろうキャスティングされててね。
「あの人がこんな所に~!」がたくさんで、うちらにとってはかなりツボでした。

前述のように、笑いを期待する人にとっては微妙な作品かも。
クドカン特有の「笑わせて笑わせて、最後にホロッ」って部分の「ホロッ」を強調した作品です。
これはこれで好きだけどな~。

とはいえ、阿部サダヲのはっちゃけ振りは相変わらず。
嫁さん役の竹内結子もかなりはっちゃけてて「なんや??コメディーめちゃハマるやん!!」と、意外な一面を見せてくれます。
おかげで、うちらの間で長年の懸案だった「タイガー&ドラゴンのメグミは誰がやるべきだったのか?」がよーやく解決しました。
竹内結子に決定!
これなら完璧なドラマになってたなぁ~。
この2人がはじけまくってるおかげで、瑛太はかなり地味な印象。イメージ通りとも言えるかもしれんが…。
瑛太を観たい人にとっては、これまた肩透かしかも??
塚本高史役のアニも割と地味な役なんだけど、個人的にツボだったことがひとつ。
「舞妓Haaaan!!!」といえば、阿部サダヲのブリーフ姿だと答える人が大多数だと思います。(断言)
「なくもんか」でもそれは継承されてて、同じくブリーフ姿で全力疾走してます。
で、今回はアニがそれに挑戦~。
全力疾走はしないけどね。

考えてみれば重いテーマなんだよねぇ。
親に捨てられ、弟とは生き別れ。
嫁はシングルマザーで、その子らは懐いてくれず。
やっと会えた弟も「認めるわけにはいかない」と兄と呼んでくれず。
普通なら真っ暗なお話になりそうなところを、そこはクドカン&阿部サダヲ。
暗い話を明るく表現しています。
あと、舞台になってる善人通り商店街の人達もね。昔ながらの人付き合いのある町というかね。
暖かい雰囲気で良かったです。
ただね、阿部サダヲ演じる裕太が冤罪で捕まった時、それまでさんざ裕太に世話になってたお年寄り達が一斉にそっぽ向いたのは、観ててなんとも辛かったなぁ。
誰もかばってあげないのよね。
現実だなぁって思ったり、信用築くのは大変なのに、失うのは一瞬だなぁって思ったり。
世知辛いシーンでしたね。

阿部サダヲ演じる裕太は、頼まれ事を断れず、どんな時でも笑ってるという人物。
それを嫁さんである竹内結子はいつも「本心か?」と疑ってる。
実は無理してるっていうのは明らかになるんだけどね。
面白いのは、実際の阿部サダヲと竹内結子がそうだったってこと。
PRのインタビューで「阿部さんっていつも褒めてくれるんですけどねー、本心なのかなぁ?っていつも疑問なんですよ。」と竹内結子。
当然「本心ですよー。」と返す阿部サダヲ。
でも司会にあれこれ突っ込まれて「本心出せるって羨ましいですねぇ。」とポロッと。
役柄そのままやん~。

同じく、映画のラストで瑛太演じる祐介が「なんでいつもそんなに笑ってられるんだよ?」と裕太を問い詰めます。
それに対して「決まってんだろ…好きでやってんのよ!」
なんとも”らしい”台詞だなぁ~と感じましたね。このラストシーンは映像も印象的で。
うまくまとめたな~って感じ。
反面、もっと深い台詞を言ってくれるかな?って期待もあったんだけども。。


繰り返しますが、「舞妓Haaaan!!!」とは全然違う作品です。
案外、年配の人の方がウケる作品かも?
うちらは初日に観に行ったんだけど、案の定「舞妓Haaaan!!!」を観たから~って感じのお客さんが多かったように思います。
意見分かれるだろなー。
「これはこれでいいじゃないか。」ってのと「期待はずれ」と。
うちらの意見としては「これはこれで良かったけど、ちょっと肩透かし」でした。
でも大きな収穫もあったんだけども。
…竹内結子の今後のお仕事に期待ですっ。

沈まぬ太陽

2009-11-06 00:09:09 | 映画


戦争や事件、事故など、アメリカは自国の過ちをよく映画化してますよね。
風化させない風潮というか、事実を残そうという考えというか。
文化の違いか、日本はそういうのがほとんど無い。
臭い物にはフタという考え。…自分自身も多少なりともそういう傾向有るから、あまり大声では言えませんが…。
まぁ、フタしてしまうと、大体が後でエライ目に遭うんだけどね。
悪く言えば「隠蔽体質」
良く言えば「辛いことは早く忘れましょう」
みたいな感じだろか??
で、そんな中で「日本もようやくこういう映画を作れるようになったか。」と期待した「沈まぬ太陽」です。

原作を全然知らず、前知識もほとんど無し状態で、単純に「日航機墜落事故を全面的に取り扱った作品」と思ってました。
実際のところは事故そのものよりも、国民航空という架空大企業を巡る、内外のドロドロを描いてます。

題材が題材だけに、観て爽快!という映画ではないです。
観終わった後はすごくモヤモヤする。何一つ解決しないまま終わるし。
それに出てくる人物のほとんどが悪人。
余計にモヤモヤします。

もうね、渡辺謙演じる恩地が、出来すぎなくらい不幸なんです。
海外に飛ばされまくり。
落ち着いたと思った頃にテレックス(今のFAX)で辞令が来て、また次の左遷先へ。
あまりにこの繰り返しでこじかは「ドリフか。」と思ったそうで。
ことらも前職であちこち出張に飛ばされたけど、それはまだ国内だったからねぇ。なんかマシに思えたですよ。
何年も海外にあちこち飛ばされ、家庭はどんどんおかしくなっていく…。
「なんでそこまで会社の言いなりになる?」と、不思議で仕方なかったです。
今の世なら、即辞表書くか、あるいは離婚かだろなぁ…。
この辺は時代錯誤かも。
まぁ、高度経済成長の頃は家庭を顧みないお父さんが多かったから、その代表なのかもね…。
現代のみんなの意識は「仕事のための家庭」ではなく「家庭のための仕事」だろうし。

こういうことがあって、ちょっと恩地には共感出来なかったです。不思議男って思ってしまって。
まだ、悪役とはいえ、三浦友和演じる行天の方が、欲望に素直で分かりやすいキャラ。
というか~、欲望に忠実な人物が多すぎー。
国民航空の偉いさんや大臣連中、みんな私腹を肥やすことに大忙しで。
正直、観てて胸クソ悪かったです。
実際ここまでだったかどうかは知らん。ちょっと出来すぎな気はする。。
テーマは違えど、政治家なんかがわんさか出てくる作品として「官僚たちの夏」と比べてしまうんだけど、こちらは悪役からなにから、みんな「国を良くするために」自分の信念に従って行動してたから、見てて気持ちよかったんですよね。
こちらも出来すぎかもしれんけど、先に「官僚~」を見てたおかげで、余計に黒々した物に見えてしまいました。
この作品唯一の良心と言っても過言でない、石坂浩二演じる国見会長。
彼を邪魔して辞任させるためにあらゆる勢力が動くんだけど、この辺りはホントに気分悪いです。
隠蔽体質ありありで。
だいぶ脚色されてるとは思うけど、実際こんな事してたとしたら、そりゃ今日の経営危機も必然のことだなぁと思ってしまいます。
そういう意味で、ものすごいタイミングね。今この作品が公開されてるのって。

「なんか飛行機の飛び方が変だなぁ。」と思ったら、この作品は日航から協力が得られず、飛行機は全部CGで描くはめになったそうで。
…だったら全日空に(略
日航は映画化に反対の立場を表明してるらしいです。
故に劇中にもパンフレットにも、「日航」の文字は全く出てきません。
まぁ、当事者としては「(映画化)どうぞどうぞ。」とは言えないよなぁ…。
実際、事故関連のシーンは壮絶です。墜落寸前の飛行機まで出てくるし。
尾翼の無いジャンボには戦慄しました。。
この辺観ると、日航が反対するのも分かるような…。でも、裁判起こそうとしてるのはちょっと違うんじゃないかなぁ。。

JR福知山線の事故も何十年かしたら映画化されるんだろか?
こちらはもっとドロドロだろうねぇ…最近の報告書漏洩のニュースなんか見てると、容易に想像付くなぁ…。

なんか悪い印象ばっかり持ったようになってしまいましたが…前述のように「やっとこういう映画が~」という意味で、この作品の意義は大きいと思います。
ただ、あまりにドロドロ。
「こんなことがあった。」って意味で、観て良かったとは思うけど、正直、もう1回観たいとは思わないなぁ…。
…どこまで鵜呑みにしていいかも分からんし…。



作品全体の印象として、なーんか古臭いんです。
昭和が舞台だからとか、そういう問題じゃない。
同じ頃を舞台にした「官僚たちの夏」では、そんな印象持たなかったし。
なんでかなぁ?とこじかと話してたら、制作が元大映のスタッフ達と。
なるほど~。
ということは、自然ににじみ出た物か、あるいは狙った物か、はてさてどっちでしょう??

カイジ 人生逆転ゲーム

2009-10-24 12:44:44 | 映画
※当ブログは基本的にネタバレありで書いてるので注意してください。



一時期はヤンマガ読んでたので「カイジ」は知っていました。
第一印象は「下手な絵やな~。」と。(失礼!)
でも、その絵が作品世界に非常にマッチしてて、引き込まれるように読んでました。
毎週楽しみな作品のひとつでしたね。
で、藤原竜也が毎日のようにTVに出演して「カイジ」という映画をやると言う。
最初は漫画の「カイジ」と結び付かなかったです。
あまりに絵面が違ってて。
「たまたまタイトルが一致した、違う作品?」なんて思ったりして。
楽しみな反面、不安も色々あったり。
藤原竜也が演じる以上、演技は問題ないだろう。
でも、あのドロドロした世界を実写化したら、とてもじゃないが観てられない物にならないか?
「カイジ」は基本的にダークでアンダーだから、エンターテイメントとして成り立つか?
ハッピーエンドはあり得ないな。
等々。

冒頭、カイジの負け組っぷりがたっぷり描かれてます。
はじめは痛々しく思ったんだけど、あまりに見事な負け組っぷりに笑けてきて。
ベンツに八つ当たりしてヤクザに囲まれるってのもお約束。

今作では、遠藤が女性に設定変更されてます。
これが唯一の女性出演者。
演じるは天海祐希。やっぱうまいです。この人。
啖呵切る時は迫力有るし、しなっとしてる時は色気有るし。いい女優さんだねぇ~。
ドラマなどの長編となると別だけど、映画として2時間一発の作品であれば、この設定変更は正解かと。
何しろ出てくるのがムサくるしい男ばかり。華が無さすぎ。

そういえば、ちょい役だと思っていた松山ケンイチ。
ずいぶんしっかり出演してました。
でも「あぁ、ライトとLだねぇ。」と思わせなかったのはさすが。
「Death Note」以降、かなり演技磨いたってことだろね。

当初の懸念通り、やはり中身はドロドロでした。
しかも実写だから、余計にドロドロ。
でも、さじ加減はちゃんと考えられてるなと感じました。
ドロドロが続いて続いて、Eカードの攻防。
破れるものの、トリックに気付いたカイジが反撃に出るところから、雰囲気が変わります。
それまで、追い詰める者:利根川/追い詰められる者:カイジ
だったのが
追い詰める者:カイジ/追い詰められる者:利根川
と、変わるんです。
それまでやられっぱなしだったおかげで、この辺りは痛快。
このシーンの、利根川演じるいちご娘・香川照之の気持ち悪さったらもぉ、秀逸でした。
そして、溜飲下げたカイジ・藤原竜也の気持ち悪さも。
相当疲れたでしょうね。この撮影。

Eカードで利根川に勝利して終わるんだけど、映画としてはこれが正解と思います。
この後兵藤のじじい出てきたらエンドレスだし、それこそ救い無いし。
でも、遠藤に有り金前部奪われて無一文になるあたり、やっぱカイジはうまくいかないってのを、ちゃんと描いてるし。
痛快さ残したまま終わるんで、観た後は気持ちいいです。
続編やるのかなー
どうかなー
このクオリティでやってくれるなら「沼」とかも観たいかも。

まぁ、やってる内容はやっぱ「マンガ」です。
地下帝国とか、現実じゃあり得ないし。(と、思ってるだけだったら…怖いなぁ)
でも、あとから振り返るに、「決して、あきらめるな」というメッセージを伝えてるんだと思いました。
とは言うものの、出演陣の迫力の演技が目に焼き付いてて、実際にはメッセージどころじゃないんだけどね。

観に行ったのはレイトショーなんだけど、客席の1/4は埋まってました。
公開前のアピール攻勢と、クチコミかな?
しかも驚いたことに、一番広い劇場での公開でした。(MOVIX堺)
でもね…先日の会社での会話。
「カイジ観に行くんですよ。」
「ああ、デスノートの彼の映画ね。」

世間一般では「松山ケンイチ」の方が名前通ってるかも…藤原さん。。


ナイト ミュージアム2

2009-09-16 22:47:05 | 映画


まさかの続編「ナイト ミュージアム2」です。正直、無いと思ってたんですけどね~。
前回の「誰もが考えただろうけど、やらなかった」というバカらしさ(注:褒めてます)と、物珍しさ、どうやってスケールアップするのさ?等々で、難しいんじゃないかなぁ?と考えてました。
まさかスミソニアン博物館を持ってくるとはね~。

今回は、冒頭から雰囲気が違います。
ラリーは夜警を辞め、発明家として成功しており、かたや博物館の方はハイテク化の波で展示物がホログラフィ化され、人形達はお払い箱に。
前作とのあまりの雰囲気の違いに「あれ?作品間違えたか?」と思いましたよ。

展示物が動き出すというバカらしさはそのままなんだけど、今回はよりメッセージ性が強いように感じました。
言ってしまえば「自分に正直に。やりたいことをやりなさい。」というね。
ラリーは成功して会社社長を務めてるんだけど、どこか楽しそうじゃない。
久々に再開した展示物達にもそう言われ、お払い箱になる展示物を心配してたはずが、逆に心配されることに。
象徴的なのがジェデダイアが言う「おまえが着てたスーツ。外見はカッコいいが、あれは中の人間が死んでいく自殺着だ!」というセリフ。
これにはギョッとしましたね。一番言いたいメッセージをストレートに言ってると思います。
…まぁ、ことらはスーツ着て仕事してませんが…
こういったセリフが随所に出てくるんで「あれ?今回は大人向き?」って感じましたね。
単純にバカ笑いだけではないというか。
過去を引きずって、戦おうとしないカスター将軍に「今を生きろ!今を戦え!」とラリーが諭すシーンとかね。
閉塞したサラーリーマンに対する応援ななぁ~と思いながら観てました。

ここまで書くと、なにやら「2は堅苦しそうだなぁ~」と思うかもしれませんが、それはあくまで観てて印象に残ったシーンということで。
基本はバカ映画です。(注:褒めてます)
頭空っぽで観れる作品であるのは間違いないですよー。
個人的に一番面白かったのは航空宇宙館のシーン。
ロケットから戦闘機からなにから、全てがスクランブルで飛び立とうとして、そりゃもぉ大騒ぎ。
ラリーが大慌てで制止に入るシーンは爆笑物でした。

今回の新しい要素は、絵画や写真まで動き出すということ。
額縁が動き出す訳ではなく、絵の中の世界が動き出して、その絵の中に入っていける!
ここには「BACK TO THE FUTURE」チックなニヤリとさせられる要素もあります。
こじかが「分からんかった。」と言ってたんで、あえて書くと、
故あってラリーは「終戦の日」の写真の中に飛び込んでいくんです。
そこは終戦でみんなが浮かれ上がってる世界。
その喧噪の中で、ラリーは携帯電話を落としてしまいます。
それを拾うのがジョー・モトローラ。
エンディングで、彼がラリーの携帯を分解してるシーンが出てきます。
すなわち、携帯電話の元祖になるってことなんでしょうね。
…世界初の携帯ってモトローラだっけ?単なるお遊び?

こじかがツボにはまったのが「天使達」
ラリーとアメリア・イヤハートをカップルだと認めたのか、周りを飛び回って「愛のラップ」(?)を歌い続けます。
「なんでラップ?」とか、この辺の掛け合いも爆笑でした。
ホント、ずっと付きまとってるしー。

「2なんか出来るんかいな?」と思ってましたが、フタを開けてみれば、メッセージ要素なども含め、大幅にパワーアップしており、前作よりもおもしろくなってました。
強く印象に残ったシーンが多かったですね。今回は。
もう上映終わってるかもしれないけど、お勧めです。



パンフレット読んでると、ダイオウイカの解説が載ってるんです。
大ダコは出てたけどなぁ。
ダイオウイカなんか出てたっけ?
どういうこと??