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うちらのひとりごと。

酒と映画をこよなく愛する、多趣味な男(ことら)ときまぐれ女(こじか)のブログです。

硫黄島からの手紙

2006-12-17 01:17:23 | 映画
※当ブログは基本的にネタバレありで書いてるので注意してください。



父親たちの星条旗」に次ぐ硫黄島シリーズ第2弾「硫黄島からの手紙」です。
正直、ことらはあまり期待していませんでした。
ドロドロに生々しい作品になるのは目に見えてるし、ハリウッドが作る日本の戦争映画という点にも不安があったからです。
まぁ、興味もあったけども…。
対するこじかは、「父親たちの星条旗」がよかったのと周辺の高評価と両方で、かなり期待してたみたいで・・・。


「硫黄島からの手紙」は興行成績もかなりいいみたい。
あっという間に1位になってましたね。
でも、いつも通りのMOVIX堺。
話題作の割には人少なくないか?いや、いつも通りか…
でもよくよく考えたら2館上映してるんでした。
それで4割方席は埋まってたから、これはやっぱ多い方??
観客にはお歳を召した方が多かったです。
やはり、戦争映画となると「観なきゃいけない。」という義務感のようなモノを感じられるのでしょうか…。
決して娯楽作品ではないから、楽しむのが目的とは思えないし。。

上映前で驚いたことと言えば、海賊版撲滅キャンペーンの映像が変わってました!
前よりは不快度は下がったかな?
うっといことには変わりないけど、前のよりは許せるかも?
でもやっぱ、せめて予告が始まる前に流して欲しいなぁ。
ノラビッツは相変わらず。
えぇかげんにしとき。


さて、作品の方ですが…。
ことらは全く期待してなかったんだけど、食い入るように観てしまいました。
でも、こじかは眠かったそうです…。
こじかが眠くなる映画はたいていの作品が「・・・」な作品で。。
「あらぁ?俺の感性がおかしいのか??」と戸惑ってしまってます。

確かに「?」な所は結構あったんです。
全体的に展開が唐突なんですよ。
「地下要塞を造り、徹底抗戦を行う。」と言った後、掘るシーンはあまり無く、その後すぐに戦闘が始まるし。
「アメリカが5日で終わると思った戦闘を、36日間戦い抜いた…」と言うけど、それだけの時間の長さを作品の中で感じないのも不満。
3日間くらいのような印象です。
擂鉢山もいつの間にか陥落してるし…。

最大の問題点は、あまりにも予告でいいシーンを使いすぎた為ではないかと。
正直なところ、あの予告に、この映画のいいシーンのほとんどが凝縮されています。テンポも予告の方がいい。
予告は台詞がいくらか省略されてるんだけど、こっちの方がテンポがいいが故、映画では「何を長々しゃべってるんだ?」って思ってしまうんです。
前にもボヤいたことがあるけど、これは「マトリックス」の3作目に次ぐ、酷い予告だったんじゃないかと…。


この作品でことらが一番感銘を受けたのは、命を粗末にする異常な時代にあって、そんな中でも出来るだけ命を大切にする人達の姿でした。
絶対に玉砕を認めない栗林中将。(渡辺謙)
負傷した敵兵を助ける西中佐。(伊原剛志)
自分の命を諦めない西郷。(二宮和也)
あの時代の日本では、こういう考えの人達はかなり異端だったでしょうね。
故に、劇中でもかなり反発を受けてるし…。
この考え方っていうのは、現代人の考えかもしれないですね。
なにがなんでも生き延びようとする西郷にはすごく共感しました。
きっと俺もこうするよな…って。

これに絡んでもうひとつ不満だったのが、あれだけ玉砕を認めなかった栗林中将が、最期に何故玉砕を選んだのか。選ばざるを得なかったのか。
その決断、心境の変化を描いて欲しかったです。
無線から流れる子供達の歌だけで心境が変わったとは思えないんだけど…。

でもその最後の総攻撃で「予は常に諸氏の先頭にあり」と言って、本当に先頭に立って敵に向かっていくのには鳥肌が立ちました。
最高司令官が先頭に立って敵に突っ込んでいくとは…。
部下としては、これほど心強いことはないですよね。
これは自分の会社に置き換えて観てしまい「うちの会社の上司がこんなだったらなぁ~。栗林さんがうちの会社に居ればなぁ~。」ととても思いましたね。
ホント、玉砕命令出して、自分はとっとと逃亡するような上司だからな…。


史実を知る人にも、この作品には不満が残るようです。
そりゃあ、エピソードは枚挙に暇がないだろうけども…。
それでも、現場の悲惨さは「もう勘弁してくれ」って思うくらい伝わったんで、これはこれで有りと思うんですけどね…。

全編ほとんどが日本語だったので、これがハリウッド作品であるということはすっかり忘れていました。
スタッフロールが流れ出して、それがアルファベットだらけだったのに違和感感じたくらいで。
エンディング後にいつも出てくるワーナーのロゴが、今回は白黒でした。
作品の重たさを気遣ったのかな??

上映終了後、退館の時は誰も喋らず、館内が静まりかえっていました。
感動した人、不満だった人、みんながそれぞれ色んなことを考えて、言葉を失ってたのかな…?

不満な点もあるけど、ことら的には「観てよかった。」と言える作品です。

デスノート the Last name(その2)

2006-11-23 23:51:26 | 映画
※当ブログは基本的にネタバレありで書いてるので注意してください。



なにを隠そう、実は3回目の鑑賞に行ってきました「デスノート the Last name」

…の前に、少々いつもの雑談を。

その1。
いつからだったか、松竹系列の劇場では「ノラビッツ・ミニッツ」なる余計な作品を本編上映前に上映してくれてます。
ことら的にはこれがすこぶる不快。
なにより、キャラが全く可愛くないっ。
正直気持ち悪い。
内容も言わずもがな。
劇場行く度に「いつまでやってんだよー」と文句言ってるのですが…
どうもネットで評判見る限りは肯定派の方々のほうが多いみたい。
なかには「これだけでいいから観たい♪」なんて人も…。
価値観の違いかなぁ?
「俺には全然理解できないっ。」(by 夜神父)

その2。
「映画が盗まれている…」
劇場に足運んだことある人なら1回は絶対観てるはず。
これに関してはさすがにネット上にも肯定派の人は居ないみたい。
ホントにね、「これから映画観るぞ!」とワクワクした気分を萎えさせてくれるんです。
そもそも
お金払って映画観に来てる人に「海賊版買うな」なんて映像見せてどうするんじゃい!!
流すなら日本橋で流しとけー!!
めちゃめちゃ海賊版屋台出とるやんけー!!
これこそホントに不快。
つーか、「海賊版撲滅キャンペーン」って、どこでなにしてるのさ??
全然知らないんですが…。
あの映像、どうしても流さなきゃならないんなら、せめて予告が始まる前にしてくれませんかね?
そうすればまだ、本編観る頃には不快さもマシになってるかも。

おじさんは怒ってるぞ。(日経読んでる?)


はい。「まくら」終わり。


さて、さすがに3回目ともなれば、かなり冷静に観れます。
今回で、今まで感じてた矛盾点はほとんど解消されたかな?
その辺のお話を少々…。

・解放された海砂が尾行されると考えなかったのか?
これは考えてたでしょう。
月が海砂にノート取りに行かせたのは
「海砂に記憶を取り戻してもらって、Lを葬る」
という期待も多少はあっただろうけど、おそらく名前を忘れているだろうことも計算の内だったはず。
ホントの目的は「海砂を追い詰め、レムにLを葬らせ、ついでにレムにも死んでもらう」という悪魔的な計画でした。
だから極端な話、デスノートがすり替えられても問題なかったんです。月の計画では。
Lさえ葬ってしまえば、後はなんとでもなるって考えてただろうし。

・Lが何故自分の名前をデスノートに?
これはLにとっても苦渋の決断だったハズ。
前にも書いたけど「ケジメをつけた」ってのはあったと思うんです。
ただ、ホントの目的は、事件解決を見るための延命。
キラに相当追い詰められてるって自覚もあったんでしょうね。
顔を見るだけで殺せるキラも存在する。
しかも死神なんてのまで出てきた。
こうなると、キラが死神使って自分を殺すかもしれない。
事件を解決せずに死んだら、死んでも死にきれない。
デスノートの死から逃れる方法は、先にデスノートで自らを殺すこと。
前編でも「我々はクビではなく命を懸けているはず。」って言ってましたよね。
本当に命を懸けたおかげでLはキラを出し抜きました。
「デスノートに自らの名前を書く」という事だけが、月とLの勝負の明暗を分けたんです。
これだけは月の計算にも無かったことでしょう…。合掌。

・Lはどうやって死ぬ芝居のタイミングを計ったのか?
一番の疑問でした。
ところがよく観てると、Lはレムが姿を消すところをジッと見てたんです。
おそらくこの時「私を殺しに行ったな…」と思ったんでしょう。
そして計算外のワタリの死。
一芝居打つタイミングはここしかありません。

・月は何故Lの死を確認しなかった?
劇中にはそんなシーンはないんだけど、これはたぶん確認したんじゃないか?と思います。
Lも「死を確認される」というのは想定の範囲内でしょう。
というか、この2人がそれくらい考えないはずは無いと思うんだけど…。
たぶんLは仮死状態になる薬か何かを使ったんじゃないのかな?
(脳内設定しすぎ?)

・何故リュークは月の名前を書いた?
…というのをネットで見たんだけど、これは原作にきっちり説明されてるよね。
あの一連の台詞
「牢獄に入れられたんじゃ、いつ死ぬかわからない。待っているのも面倒だ。もうおまえは終わりだ。ここで死ね。」
これは映画でもやって欲しかった気はするけど…映像で観ると説明的すぎるかもねぇ。。

・海砂にお咎めはなし?
これはもう温情でしょうね。
警察庁長官やICPOは「デスノート」や「死神」のことは理解しがたい。
キラの正体はキラ対策室の人間しか知らないんだから、そこが黙れば誰にも分からない。
しかも海砂はデスノートの記憶を無くし、キラであった自覚もない。
証拠となるデスノートももはや存在しない。
…これじゃあ不起訴処分になるよねぇ。
しかも寿命も4分の1になってるんだし…。
大目に見てあげましょう。

・2冊のデスノートは燃やされ、海砂は記憶を無くしたのに、何故その他の人達はデスノートのことを覚えている?
これは~、所有者の記憶しか無くならないと考えるしかないですねぇ。
後付でどんどん増えるデスノートのルール。
これもそのひとつ??


今回で改めて気付いたって訳じゃないんだけど、いいライトと悪ライトでは服の色が違ってるんだよね。
いいライトは白い服。
悪ライトは黒い服。
視覚的に分かり易くしたんだろね。


やっぱり「なにがもしもしだ…」のシーンは最高でした。
期待しすぎてフライング気味で笑っちゃったよ。

上の写真は、とうとう、ついに買ってしまったサントラ。
いや、買うつもりはなかったんですよ。
サスペンスの音楽だから、そんなに盛り上がる曲もないし、滅入るような曲が多いだろうと思ってたから。(実際多いんだが)
でも主題歌であるRed Hot Chili PeppersのDani CaliforniaとSnowが手に入った。
エンディングで流れるSnowとその後の曲がものすごく印象的で、「アカン。負けた。」と。

さて、これで後はDVD出るまでゆっくり待ちますか。

プラダを着た悪魔

2006-11-19 21:49:47 | 映画
※当ブログは基本的にネタバレありで書いてるので注意してください。



公開初日、例のごとくMOVIX堺レイトショーにて観てきました。
余談ですが、前日飲み過ぎて昼まで寝てしまったのでレイトショーで観ることに
せっかく前売り券(1300円)購入していたのに、レイトショー(1200円)で観ることになったら、少し損した気になりませんか?
でも、ことらさんは前売りの半券が欲しい人なので100円高くても納得のようですが。

さて、さすがのMOVIX堺も公開初日ということでそこそこ混んでおりました。
80%がカップル。あと女の子同士かな。
女性1人客は1人だけいたなあ。あとなぜか男性1人客がいた。
カップルや夫婦の方は女の子に付き合って観にきたという感じ。
でも、こうゆう映画に付き合ってくれる男性っていいですよね。
「ブリジットジョーンズの日記」は1人で観たな~
今は一緒に観てくれることらさんに感謝っ!

前置きが長くなりました。
肝心の映画ですが、正直、あまり期待していなかったんです。
過度な宣伝。アン・ハサウェイの「グータンヌーボ」出演。
押切もえを使う。
なんかくだらなさそうなニオイのする映画だな。過度な期待は禁物。
しかし、メリル・ストリープ出演の映画がそんなにくだらない仕上がりになるハズはない!
念のため、YAHOOの評価でも点数だけ確認。なかなか高評価。
ことらさんを誘うと、観てみたいと

結果。もうめちゃめちゃ良かったですよ。ハイ 
懸念を抱いていた自分に駄目出し。
とりあえず、オープニングでやられちゃいましたよ。
”Suddenly I See”で始まるニューヨーカー達の日常。とにかくオシャレ 
ちなみに私も淀屋橋でOLやってますが、何となく自分と重ねてみたり。
実際、私もNYに行ったことがあるのですが、淀屋橋にも橋があるのでNYとダブるんですよね。

それはさておき、主人公のアンディのイケてないこと。
完全に浮いてます。
面接を受けに来て外見で却下されてしまい、同僚となるべき人達にボロクソに言われてしまいます。
そこに”悪魔”登場っっ
メリル・ストリープのオーラったらもう!!
NYの街並に後ろ姿だけでも威圧感。
さすがですよね。
ボソボソとした口調が余計に怖~い。
ボロクソに言われながらも、何故か採用。
それからアンディの奮闘が始まるんだけど・・・。

とにかく観ていてハラハラドキドキ。
ファッション業界ならではと言うよりは、普通の会社でもあるあるって感じのこと。
アンディが失敗しやしないかと、妙に感情移入してしまいます。
そしてミランダの片腕のナイジェルの指南。
アンディがどんどんオシャレになって行きます。
そして私生活も・・・。

ネイトという彼氏がいるのですが、アンディが夢を追うあまり忙しすぎてギクシャク。
そこに付け込むクリスチャン。
まあ、ありがちなストーリーと言ってしまえばそれまでなんですが、そこは”セックスアンドザシティ”の監督&スタッフ。
ちなみにこじかは未見ですが

リアルなんです。すべてが。
ネイトも本当にNYで働くシェフに見える。
アンディもダサい才女。
そのお友達たちも。
すべてのキャラクターのリアルさ。
だから共感できた。
急きょ慈善パーティーに行かないといけなくなって、ネイトの誕生日を祝うことができなかったシーンなんて、もうマジで泣きそうでしたよ。

クリスチャンの力や、慈善パーティーでの活躍もあり、どんどんとミランダの信頼を得ていくアンディ。
ついにはシニアアシスタントのエミリーを押しのけて自分がパリに行く権利を獲得します。
パリはエミリーにとって”夢”
しかし、ミランダはアンディに”自分”でエミリーに告げるように言います。
さすがに悩むアンディ。
結果的にはエミリーが交通事故に遭い、アンディがパリに行くことに。
そのことでネイトとの仲も決定的に終わってしまいます。
そしてクリスチャンとの一夜。
素敵なパリでの時間を過ごします。
アンディはクリスチャンも驚く位、ミランダの肩を持ちます。
そこで得たミランダの編集長解任話。
そして必死でアンディはミランダに伝えようとします。
が、、ミランダの決断は・・・。

アンディがお世話になったナイジェルを裏切る結果に・・・。


そしてタクシーでの会話でアンディは気付きます。
本当に大切なものは何か・・・。

NYに帰って、ネイトに謝るアンディ。
私を許してほしいと。
謝罪を受け入れるネイト。
ところがネイトはすでにボストンでサブチーフの職が決まっていたのでした。
ボストンで働くことになった彼は何かいい方法を考えようと。

そして、新たに面接を受けるアンディ。
再就職先で”ランウェイ”にアンディの事を問い合わせたという面接官。
ミランダは”彼女が辞めたことは最大の痛手である”と。

~そこまで言わせたアンディにもう感服です。
そして街中で最後、アンディと出くわすミランダ。
あの時のメリル・ストリープの表情はもうなんとも言えない。。。

とにかく、、メリル・ストリープのあの鬼編集長ぶりを観るだけでも、値打ちありです。
もちろんアン・ハサウェイもキュート。
私はパリはまだ行ったことがないのですが、NYには行ったことがあるので、自分が実際に行った場所がバンバン出てくるので、それもまた楽しい。
マンハッタンの空撮、ロックフェラーセンター、ラジオシティ、NYの街並みを観るだけでも価値あり。

”ブリジット”は若干ブリティッシュジョーク?があったんだけど、本作はそれほど無理に笑わそうという意図は感じられず、素直に笑える、そんな映画です。
とにかく元気をもらえます。
働く女性に是非観てもらいたい、そんな映画でした

~ちなみに、ことらさんより、男性目線でもかなり面白かったと。
働く人なら皆、共感できるんじゃないかなって。
カップルの方も是非、もちろん女性一人でも十分楽しめる作品です

DEATH NOTE (原作)

2006-11-13 21:19:07 | 映画

映画を観終わり、我が家でようやく「デスノート」の原作が解禁になりました。

原作は全12巻。
そのうちLが出てるのが7巻まで。
じゃあ、とりあえず7巻まで。気が向いたら月の最期見届けるべく12巻も買うかと。
ところがまぁ、とにかく入手困難。
大阪駅のキヨスクでは「the Last name」公開前は全巻揃ってたのに、公開後は影も形も無し。
当然のようにBOOK OFFにも影も形も無し。
尼崎キヨスクにてようやく1,2,3巻を発見。
古本探すか迷ったんだけど、先の例から古本見付けるのも難しいだろうと、購入に踏み切る。
そういえば東梅田の駅近辺にマンガ専門店があったなと思い出し、覗いてみることに。
なんと1~12全巻揃ってたのでした。
とりあえず4~7までゲット。
帰ってこじかと相談し、次の日に8~12をゲット。
ちなみにその3日後に梅田に用事あったので覗いてみたのですが、その時はすでに何巻か売り切れてました。
かなりタイミング良かったんやな~。

うちらの場合は映画を先に観て、その後に原作読んでるので、感覚的には映画を漫画化しましたって感じ。
どちらがおもしろかったかというと、
両方面白かった!
原作ではさらりと流された話が、映画ではすごく膨らませてあったり(※1)、逆に映画では省略されたんだけど、すごく面白かったエピソード(※2)等々、なんか補完しあってるような印象でした。
でも導入部は映画の方が好きだな。
ノートの周りだけ雨が降ってないって、何とも不気味で良かったなと。
あと、裁きを始めるきっかけも映画の方が説得力ある。
「退屈だから」で人殺すなよと。
シブタクについては笑わせていただきましたが。いや、笑っちゃいかんかもしれんが。
ナンパしただけで殺すなよ~。映画のシブタクには殺意覚えましたがね。

映画の月・Lは原作のそれより頭悪そうなんて意見をたまに見掛けたけど、それは、映画の方ではモノローグが全く無かったせいかと思います。
あんなの映像でもやったら説明的すぎるでしょ。
ゲドみたいになっちまうよ。(アニメ版はどうなってるのかな?)
逆に、あれだけ台詞省いて、よくあそこまで観客引きつけたなーって感心してしまうんだけども。

南空ナオミのエピソードについては映画の圧勝かな。オリキャラの詩織とうまくからませたなと思います。
原作の南空ナオミの話はなんか変。
ただし、映画の南空ナオミは最初から月に敵意剥き出しなのが気に入らないんだけども…。

藤原・月であれば詩織はアリ。
原作・月であれば詩織はナシ。
そう感じましたね。
原作の月は特定の人と付き合いそうにないもん。ノート持ってる・持ってないに関わらず。

うちらが一番好きなシーン。
月が通う大学に突然Lが現れ、「近くで撮影があったから」と海砂も現れ、3人が一堂に会します。
海砂はLの名前を見、月は勝利を確信。
2人と別れた後、喜々として海砂の携帯に電話します。
ところが電話に出たのは…
「もしもし」
「…なにがもしもしだ…」
この時の藤原・月の表情は最高だなと。
原作はここもあっさりだったね。

原作で月が監禁される横で、リンゴの禁断症状でぐにゃぐにゃに捻れてるリューク。
これは映画でもやってほしかった。
盗聴器シーンである程度捻れてたけどさ~。

父・総一郎。
映画の圧勝。
鹿賀さん渋すぎ。
原作のお父さんはポマード臭そう。

Lは原作人気分かるな~。
確かにかわい気がある。
それでも、うちらは松山・Lが好きですが。
最期も映画の方が納得できるよね。
原作はあまりにあっさりお亡くなりになるから…。
「Lが命賭けるのは有り得ない。」って意見があったけど、原作でも「何度死ぬかと思ったか…。」って言ってましたね。
その度命賭けてたはず。
特に、顔見ただけで殺せると分かってる第2のキラ・海砂の前に姿表す時は、万が一も考えてたハズ。
そういう意味では、あのラストはアリかなと。
まぁ、違和感あるとすれば、ノートに名前書いたら決定的に命無くす訳で…。
でも、ああやって延命しないと、解決見ないまま死ぬことになった訳で。
でも、どうしようもなかったのかなぁ?と考えてはしまいますね。(なに言っとる)

月も、やっぱ藤原・月が好きかな。
賛否両論あるけど、あの難役をこなせる若手俳優って、彼以外居ないでしょ。きっと。
もしハリウッドリメイクなんかしたら、この段階でグズグズになりそうだな…。
まぁ、どっからともなく有望な人見付けてくるだろうけども。
キャストのみなさん言ってるように、このまま米で上映してもらいたいな。
月の最期は~
往生際悪いね。原作の方は。
原作に比べると、映画の月は綺麗に死にすぎかな?
でも「ドックン」となってから長生きしたよね。藤原・月。
原作は「ちくしょう」と一言だけで逝っちゃったし。
そこで往生際の悪さを表現したんやね。
でも、お父さんとの対峙があったから、やっぱ映画の方がいいな。


原作第2部は、正直「いらん。」と思いましたね。
なんか月が浅はかだし、ニアとメロにはLの様なかわい気がないし、なによりデスノートの存在をあらゆるところが知ってるってのが、どうにも作品の魅力を削いだ気がして仕方ないです。
デスノートが見付かりそうになったら自動的に燃やすような仕掛け作ってたヤツが、そのノートを郵送したりするかね?
いや、第2部はこれはこれでおもしろかったんだけど、月とLの対決に比べるとね…。
やっぱり見劣りするなと。
そういう意味でも、月とLの対決だけに焦点当てた映画は正解だったと思います。


あれこれ言ってみたけど、結論としては、映画は映画・原作は原作で、まったく別物として楽しむのが一番正しいかと思います。
双方それぞれ突っ込みどころはあるし「ここはこうすれば~」って思うけど、そんな粗探しするとキリが無いし、せっかくの良質の作品が全然楽しめなくなるからね。


※1)
月の部屋に監視カメラ・盗聴器が仕掛けられた所。
でも、リュークがへとへとになるまでカメラ探すシーンは、映画でもやって欲しかったな~。
あと、海砂の過去や、海砂がノート拾うところとか。

※2)
Lまで大学に入学するとは思わなかったです。
その時のやり取りとか、「お前ら素直にボール打てよ!」のテニス対決、手錠で繋がれた2人の殴り合い等々。
これらのシーンは是非とも藤原・月と松山・Lで観たかった。ディレクターズカットとかでやってくれんかな~。
あれだけ静的なLが「一回は一回ですよ?私結構強いですよ?」って言ってのけるのは最高におかしかったっす。



…パロディも無数にある「デスノート」
一番笑ったのが「このノートを拾った者は死ぬ」
ぐあっ

父親たちの星条旗

2006-11-12 22:11:47 | 映画
※当ブログは基本的にネタバレありで書いてるので注意してください。



劇場予告をみる度にだんだん気になり、「硫黄島からの手紙」の予告が始まった頃には「これは観なきゃいけない。」という気持ちになった「父親たちの星条旗」です。

正直なトコ、「デスノート the Last name」と同じく、記事書こうにも言葉が出てこないというのが本音なんですが…。

先に言うなら、決して「アメリカ万歳」な映画ではありません。
硫黄島2部作のアメリカ視点の映画と言うことで、もっとアメリカ万歳な映画かと思ったのですが、全然そんなことなかったです。
戦争映画と言うよりはヒューマンドラマ。
むしろ、当時の政権批判かもしれない…。

実は硫黄島のことも、この「旗を掲げる6人」の写真もほとんど知らなかったのですが、この写真は「アメリカを勝利に導いた」と言われる写真らしいです。
映画はこの写真を撮られた事による、その後の3人(残る3人は戦死したので…)の話に重点が置かれています。

ちなみに2部作と言うこともあり、日本側の描写はまったくありません。
日本兵は姿が見えず、いつ襲ってくるか分からないという不気味な存在として描かれています。
いくつか「硫黄島からの手紙」とリンクするのであろうシーンはあったんだけどね。

この、とても有名であるらしい旗を掲げる写真は、アメリカ政府に戦意高揚としてとことん利用され、その時の3人もとことん利用されます。
「戦争資金を得るため国債を買ってください」と演説させられ、茶番の国旗掲揚をさせられ、どこに行っても「英雄」と祭り上げられ…。
ところがこの旗は命令によって掲げ直した2本目の旗であり、たまたまその時に居合わせた6人と、たまたま居合わせたカメラマンに撮られたというだけの写真でした。
それを本国の政府官僚、軍上層部は利用し、生き残った3人を英雄として本国に強制的に帰らせ、「英雄」としてとことん利用したのです。
逆に言うなら、アメリカという国も当時はギリギリのいっぱいいっぱいで、勝つ為には手段を選ばない…というか、選んでられない…というのが非常に伝わりました。
3人はそんな状況に疲弊し、自分が硫黄島で見てきた真実と、現在自分が置かれている状況のギャップに苦しみます。
観てて一番悲惨だなと思ったのは、終戦後は全然そんな事実をかえりみられることなく、また本人達にとっては忘れてしまいたい事実であり、その後は平々凡々な生活…一人はそのまま行き倒れて亡くなります…と、なってしまうという。
結局、その場だけの「作られた英雄」であり、利用されるだけ利用されて、用が済んだらポイッという、やりきれない理不尽さに、観てるこちらまでやりきれなくなります。
戦時中の国家ってのはこんなもんだったんだろうなぁ…。
まぁ、当時の日本に比べたら可愛いもんだったんだろうけど…。
…陛下のために命を投げ出す…今の日本の若い人達には、そんな意識持ってる人皆無だろな。自分も含めて。
教育が違うといえば、それまでなんだけども。

映画としては、「時間が進んで、戻って」を繰り返すので、一瞬流れが分からなくなる事が多かったです。
これがクリント・イーストウッド作品の特徴らしいけど。。

観て心に残る映画ではあります。
でも娯楽作品ではありません。
アメリカ万歳ではなく、日本寄りでもなく、中立というよりも、その当時のアメリカの状況が淡々と描かれています。
この作品を評価するのは「硫黄島からの手紙」を観てからということになるかな…?

それにしても、これだけ激しい戦闘をして、ホントに生身で殺し合った日本とアメリカが、今は非常に仲がいいというのを不思議に感じます。
不思議というか、ありがたいというか。
口で言うのは簡単だけど、やっぱり戦争はしちゃイカンよ。うん。
もちろん戦争経験ないんだけど、映画というオブラートに包まれた戦地の現場体験だけでも、十分見るに耐えないし、絶対そんな経験したくないし、なにより痛い目に遭いたくないし。

全く関係ないけど、うちの父は戦争経験者で、戦艦「武蔵」の甲板を清掃したことがあるらしいです。
子供の時にその話を聞かされ「なんで大和とちゃうの~?」と言ってしまい、寂しい顔されたのは忘れられません。

「硫黄島からの手紙」は、ハリウッドが作った日本の戦争映画ということで、一体どんな作品になってるのか、非常に興味のあるところです。


…ちなみに、食後1時間以内、もしくは鑑賞後に食事と考えている方は観ない方が無難…かもしれませんっ。
きっと「硫黄島からの手紙」はもっとえげつないんだろな…。

デスノート the Last name

2006-11-03 22:43:40 | 映画
※当ブログは基本的にネタバレありで書いてるので注意してください。



前作が色んな意味であまりに凄かった故、観るのをちょっとためらった時期もあった「デスノート the Last name」
でもやっぱ、公開が近付いてくると、いやが上にも期待が高まります。
観なきゃ損な作品だと思ってるしね。

それにしても、情報が溢れすぎてる昨今、「デスノート」の情報を遮断するのが大変でした。
…これはデスノートに限らず、木更津とかどんな映画でもそうなんだけど。。
特にインターネットは油断大敵ですね。
見る気無いのに見てしまうことがかなり多い。
海砂の目が”死神の目”になってる画像見た時のショックったら、もう。(全然知らなかったぞ)
ちょっと記事書いてあるなと思ったら、おもっきりネタバレだったりね。
それと、ここ数年の映画のCM。
クライマックスの映像流しすぎ!!
一番酷いと思ったのはマトリックスの3作目かな。
ラストのシーンばっかりやん!って。
デスノートも、結構重要なシーンとか、その先を予想させるシーンがたくさん使われてたような…。
もうちょっと配慮して欲しいねぇ。ここまで流さないと興味を引けないってことなんだろか…?
んなこたーないと思うんだけど。

劇場はいつものMOVIX堺
公開初日は3連休の頭の日。
ひょっとすると混むかな?でもMOVIX堺だから大丈夫かな?と考えつつ、念のため早めに出ることに。
ここでまず異変が。
駐車場が全然空いてない!!
かなり遠くに駐めることになって「まさかデスノートで混んでる?いやいやいや、まさかまさか。」
ともかく、チケット引き替えるべく劇場へ。
そしたらフロアが大混雑!!
「木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」の時も大概混んでたけど、それどころじゃない賑わいよう!
当然座席もいつものポジションは空いて無く、一番後ろの端っこになったのでした。
そして座席は満席!!
MOVIX堺での満席は初めて見たぞ…。
ホントに、始まって以来の観客動員数になったんじゃなかろうか??
そしておもしろかったのは終了後。
「清掃作業が間に合わないため、次回上映が遅れております。」ってアナウンスが。
劇場側も満席は想定していなかった模様…。
つーか、満席想定してない劇場って珍しいよな。


さて、相変わらず「まくら」が長いですが…。
正直なトコ、あまりに衝撃的で、言葉が出てこないんですよね。

続編物の場合、最初のが一番おもしろくて、続編はイマイチ…って事が多いんで、もしかしたらデスノートも…と多少心配してました。
ところがまぁ、そんな心配は簡単に吹き飛ばされ…。
前編よりもおもしろかったんじゃないかな??
無論、前編あっての後編ではあるんだけども。

今回は「Lの話かな」という印象。
Lのキャラクターがいろんな意味でUPしてます。
意外と笑わせてくれたり。
最期は変にカッコイイし…。
彼は月との最後の勝負に当たって、月の父である総一郎を説得するために、自ら自分の名前をデスノートに記します。
覚悟を示したんだけど、それはあまりに無謀な行動。
「なんてことするんだ?」と思ったんだけど、よくよく考えればそれは彼のケジメだったんだな…と。
死刑囚を使って囮捜査したり、彼の依頼で動いたFBIの捜査官が全滅したり。
総一郎からさんざ「人の命を軽く考えている」と言われてたけど、やっぱその事は重く受け止めてたのかな?と。
最期一人で死んでいくところは、カッコよかったし、泣かされました。

対する月。
もう、完全に悪人。
自分の疑いを晴らすためには手段を選ばず、第2、第3のキラを利用し、潔白を証明するために一時的にデスノートを手放して、デスノートの記憶を無くしたり。
結果的にこれが自らの首を絞めることになるんだけども。
デスノートの存在をLに知られた段階で、月の負けだったんだな…。
それにしても、第2、第3のキラがあっさり捕まる中、月だけは最後の最後まで捕まらないんだから、その計算・行動はホントに悪魔的。
命を懸けたLの策略にはまり、最後についに正体がバレるんだけど、そこに至るまでの策略の仕掛け合いは、かなり息が詰まるし、目が離せないです。
どこで何をしてるか分からんし。。

最後、追い詰められた月は、あろうことかリュークに頼ります。
けど、頼ったことで逆にリュークに見離され…。

月とL、2人の最期を看取った総一郎は、家族にホントのことを伝える事が出来ません。
月の母と妹は、月がキラに殺されたと信じています。
総一郎は「月は最期までキラと戦ったんだ。」と告げるんだけど、その言葉がすごく重たかったです…。


ラストの藤原竜也の怪演は凄まじいです。
ホントに怖かった。
また、デスノートの記憶を失ってる時と、記憶を取り戻してからの月が完全に別人のようになっていて、その演技にも驚きました。
松山ケンイチ、戸田恵梨香の演技もよかったな…。
キャストが豪華よね。この作品は。
むろん、犬島君の声も。

とにかく、観てて魂吸い取られる作品です。
観終わったあとの疲労感は凄かった。
でも嫌な疲れというわけではなく、かといって爽快な疲れな訳は無く…。
それほど観る者を集中させる作品は、そうはないと思います。
前編・後編と通して一気に観たいなー。
…寝込むかもな。

木更津キャッツアイ ワールドシリーズ

2006-10-28 22:10:16 | 映画
※当ブログは基本的にネタバレありで書いてるので注意してください。



まだかまだかと待ちわびて、いざその日が来ると「とうとうこの日が来てしまったか…。」と複雑な心境になる完結編、「木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」です。

クドカン物の続編の中には「IWGP スープの回」という大失敗作があるので、あまり過度な期待はしないようにしていました…というよりも、むしろ「スープの回」を覚悟してたかも。

とは言っても
UNOのCM
フレンドパーク
うたばん
と立て続けに、楽しそうなキャッツ5人の姿を見せられると、イヤでもテンション上がってきてしまいます。この宣伝攻勢は凄いよな~。

もうひとつの心配事。
「エンディングってもしかして”シーサイド・ばいばい”で、”a Day in Our Life”じゃないんじゃないか?」ってこと。
「木更津キャッツアイ」は”a Day in Our Life”で締めてもらわないと困る!って思ってたんだけど、そこはそれ。やっぱキャッツをよく知るスタッフが作ってるので、結果はちゃんと、”a Day in Our Life”で締めてくれてました。
きっと金子監督をはじめ、スタッフの皆さんも同じ気持ちだったんだろね。


そんなこんなで迎えた公開初日。
劇場はいつも通りMOVIX堺
ここでちょっとした異変が。
今までにないくらい人が多かったんですよ。いつもは経営が心配なくらいガラガラなのに…。
そしてほとんどの人がキャッツ特製?の飲み物とポップコーンのセット(詳細は後日)を持ってる。
もしかしたらMOVIX堺始まって以来の観客動員数??
「キャッツ観る時、ガラガラ過ぎたら寂しいね。」なんてこじかと話してたんだけど、それは杞憂でした。
座席は10分の1位は埋まってたかな?(←これでかなり多い方なんです。今までの実績で言うと)


さて作品の内容はと言うと、「大人になったキャッツアイ」でしたね。一言で言うと。
このシリーズの特徴であるハチャメチャ振りは健在なんだけど、それでもどこか落ち着いてる。
「日本シリーズ」から3年だけど、「ワールドシリーズ」の舞台もちゃんと3年が経過してる。
その3年の間にぶっさんを除く4人は成長したんですね。(これがポイントのひとつでもある)

でもいきなり「釜山死ぬ死ぬ団」(だったか?)が始まったときは「あれ?劇場間違えた??」と思ったぞ…。
そしてこの劇中劇の胡散臭いこと。
「ぶっさん」ならぬ「プサン」は、ちゃんとBACKDROPのスタジャンの偽物着てるし…。これでいいから欲しいな。これなら安そう。


ぶっさんは「これしかねーよなー」という復活を果たすんだけど、ぶっさんだけが復活する訳じゃないというところが「木更津キャッツアイ」のいい意味でのバカらしさ。オジーも、そしてなぜか外国人選手までも、総勢10名くらいで蘇ります!
なんじゃこりゃあっ?!やね。

そしてぶっさん復活までが結構長い。
長いんだけど、その間バンビ・マスター・アニがぶっさん復活させるべく奮闘するんで、作品的には十分楽しいです。
野球場作るシーンも、なんか高校の文化祭準備っぽい雰囲気(分かる??)があって楽しそう。

さんざ引っ張って引っ張って、でもあっさり登場するぶっさん。
あっさり登場とはいえ、この辺のシーンはちょっと感動だったな~。
でも実は、結構早くに復活してたんだよね~。
うっちーのおかげで4人が大変なことになっててなかなか登場するタイミングが合わず、「これじゃ蘇り損だよ。」とぶつくさ言うぶっさん。
このタイミングの悪さはかなり笑えます。ぶっさんっぽいよな~。


今回のキーワードは「ばいばい」です。
バンビ・マスター・アニはぶっさんに「ばいばい」と言う為、ぶっさんもまた、4人にばいばいを言う為に還ってきます。
うっちーは・・・???
ほとんどの人にはぶっさんの姿は見えてるんだけど、父:公助にはぶっさんの姿は見えない。
実はぶっさんの死を看取ったのは公助一人だけで、公助と公平君はちゃんと「ばいばい」したからなんですね。
だからこの2人の間には、そういう意味では思い残すことはない。
だから再会できない。
なんかすごく切ないよね…。

バンビ・マスター・アニ・うっちーは、ぶっさんとの再会後にあることを確認してたように思います。
それは「俺達はぶっさんが居なくても大丈夫なのか?」ということ。
ぶっさんが居なくなって空中分解したキャッツアイ。
散り散りになってた4人が、ぶっさん復活を機会に再び集まる。
やっぱぶっさん居ないとダメなのか?
でも3年の間に4人は成長した。
それとは逆に、ぶっさんは3年前のまま。
そのズレと、もう(ホントは)ぶっさんは居ないんだという想い。
俺達はもう、ぶっさんに合わせられない。
そしてぶっさんも4人に合わせることができない。
野球の試合中、対戦バッターを敬遠するかどうかでもめた時に、その想いをアニが激白し、そして4人はぶっさんに「ばいばい」と告げます。
その想いをくみ取ったぶっさんは何も言わず、ポジションに戻ります。
そして相手チームのホームランをキャッチャーフライのように「オーライ!」と言いながら追いかけて、藪の中に消えていきました。
結果それが、みんなが(観客も含めて)見た、ぶっさんの最後の姿。

藪の中にぽつんと残されたキャッチャーミット。
その中に収められたボールには「ばいばい」の文字が。

それを見た4人の安心した笑顔。
ぶっさんもこれで安心して休めるだろね。

いっぱい楽しませてくれてありがとう「木更津キャッツアイ」。

ばいばい。

ワールド・トレード・センター

2006-10-14 23:29:14 | 映画


ユナイテッド93」の衝撃が記憶に新しい中、同じ9.11を扱った映画として観てきました「ワールド・トレード・センター

まずは、あの絶望的な状況下、何度も挫けそうになりながらも諦めなかったジョン・マクローリン氏とウィル・ヒメノ氏、またそのご家族に最大の敬意の念を払いたいと思います。
…たぶん、自分があの状況に陥ったら、耐えられないと思うから…きっと発狂するな。。

その上で、うちらがどう感じたかを語らせてもらうと…。

まず、映画がタイトルに負けてると感じました。
あの9.11以降「ワールド・トレード・センター」と聞くと、どうしてもやっぱり、旅客機が激突して崩壊した、あの凄惨なシーンを連想しませんか?

この映画はそういう映画ではありません。

事件のきっかけこそ9.11テロだけど、話の軸は生き埋めになった警察官2人が、いかにしてお互い励まし合って救出を待ったか、またその間家族はどうしてたか。
批判を怖れずに言うならば、「それだけの映画」です。

あの日どんな出来事があったのか?その時世界は、人々はどうしてたか?といった描写はまったくありません。

「ユナイテッド93」はその辺りが徹底していたので、非常にリアルな映画でした。映画というよりもドキュメンタリーでしたね。
「ワールド・トレード・センター」は、そういう意味では非常に映画的です。

実は前評判として「別に9.11じゃなくていいんじゃないか?」という声を耳にしていたので、その辺はフィルターを通しながら観れたのですが、それでもやはり、「ワールド・トレード・センター」というタイトルから来るある種の期待からは裏切られた感じがしました。
おそらくは、劇場に足を運んだ大部分の人がそう感じたのではないでしょうか?

そういう方々には「ユナイテッド93」を観てほしいところだけど…。

救出劇ということならば、それこそ関西大震災や新潟中越地震、世界各地で起こった災害等々、枚挙に暇がない訳で。
わざわざ9.11でそれだけを取り上げなくてもよかったんじゃないのか?それならばもっと違う観せ方が出来たんじゃないか?と考えさせられてしまいました。
正直なところ、先日TVで放送してた9.11のドキュメンタリーの方が衝撃を受けたなぁ。。

ただ、物語冒頭部分は正に9.11テロで、ホントに怖くて、身体が硬直しました。
やはりこの辺は、ニュースで観てた映像とかよりもリアルで現実的で、目を背けたくなるシーンも数多くありました。

ただ、始まってあっという間に2人が生き埋めになってしまい、そこからが長いんです。。
「神様シーン」もちょっとなぁ…ペットボトル持った神様って。。。

「金返せ」というような映画ではありません。よく出来てるとは思うんだけど…。
感動的なシーンも数多くあるんだけど、やっぱりどうしても「9.11」を前提に観に行ってるんで、そこかしこに物足りなさを感じます。

これが「ワールド・トレード・センター」というタイトルじゃなかったら、もっと違う評価だったかもね…。

スーパーマン リターンズ

2006-09-04 21:19:10 | 映画
※当ブログは基本的にネタバレありで書いてるので注意してください。



この夏は映画観まくってたおかげで、「スーパーマン リターンズ」の公開は、劇場予告で知りました。
ことらはそれ観た瞬間に、故クリストファー・リーヴのスーパーマンと同じニオイを感じて「観たい!」と思ったのでした。
ところがこじかの方は「またお金の掛け方間違えた映画作って…」と思ったのでした。
確かに最近のハリウッド物って、映像に凝るばかりで中身のない作品が多いと思いません?某魔法少年の学校の話の4話目とかが典型かな…。
たぶんスパイ大作戦の3話目もそうだと思うし…。
星間戦争1~3話も、暗黒卿のお話だと思えばこそ劇場に足運んだけど、正直おもしろかった?と聞かれると・・・。

ともあれ、以来こじかが観る方向になるように洗脳を謀る事に。

…で、あっさり玉砕。

一人で観るしかねーかなーなんて思ってた、ある日。
突然「観たい!」と連絡が。
なんだなんだなんだ??と。

曰く、「ユージュアル・サスペクツ」というすごくおもしろい作品があって、その監督が撮影している。
加えて、ケビン・スペイシーが出演している。(ユージュアル・サスペクツにも出演してた)
Yahooの映画情報で点数が高い、等々。

そうなれば熱が冷めないうちに!と、即チケットを購入。
すぐに劇場も検索したのでした。

最近のうちらのお気に入りの劇場はMOVIX堺
まだ出来て4ヶ月足らず。
設備は綺麗で新しくて、うちから近くて、なにより空いてる!
土曜日のお昼に飛び込みで行ったのにガラガラだったもんな…。
ホント、穴場劇場です。
穴場すぎて「経営大丈夫か?」と心配になるくらい。
混みすぎるのはイヤだけど、潰れない程度に集客伸ばしてください。お願い。

さて、「まくら」がかなり長くなりましたが…
肝心の映画の方はというと、一言で言うなら
感動した!!

まず、オープニングでやられましたね。
今回の音楽はジョン・ウィリアムスじゃないんだけど、やはりあのメインテーマは健在。それ聞いただけで鳥肌物でした。

そして、地球に帰還したスーパーマンが最初に見せた活躍が、墜落する旅客機を支えて、野球場に不時着させること。
撮影技術の進歩とはいえ、このシーンは圧巻です。
スーパーマンのなんとスムースに飛ぶことか。
そして、その圧倒的なパワー。垂直に落ちる旅客機を支えて、落下を止めてしまうんだもん。
そしてゆっくりおろした瞬間、球場の観客全員がスーパーマンにスタンディングオベーション!
つられてこっちまでスタンディングオベーションしそうになります。
まさに「お帰りなさい!スーパーマン!」って感じ。

彼には「人々を助ける」という強い信念があって、それはどんな時であっても揺るぎません。
ホントに「鋼鉄の男」なんだね~。

とはいえ、5年振りの地球では、彼を取り巻く環境がかなり変わっていました。
「スーパーマン不要論」があったり、想いを寄せていたロイスは1児の母になっていたり。
これらの出来事は、故郷のクリプトン星が消滅した事を確認し、孤独感に苛まれていた彼に、さらに追い打ちを掛けます。
さすがの鋼鉄の男も悩むんだけど、それはクラーク・ケントの役目。
スーパーマンの時は悩む暇もないほど、人助けに奮闘。
新スーパーマン役であるブランドン・ラウスはホントにはまり役で、スーパーマンの凛々しさ・クールさ、反してクラーク・ケントのさえ無さ振りを見事に演じています。
よくこんな俳優さん見付けたなと感心。

それにしても、よく「スーパーマン」というキャラクターをここまで掘り下げたなということにも感心。
これだけ強大な力を持った人物でも、抱えてる悩みはうちらとさほど変わらないんだなってところにすごく共感できます。
ロイスが気になって、こっそり家を透視するとか。
スーパーマンの活躍を報道するTVを嬉しそうに見てるクラーク・ケントとか。
物語の最後、ロイスの子供が、実は自分の子供だったと知った時は「自分は独りじゃなかった」と目を潤ませるし。
このシーンはとても感動的。

対する悪役レックス・ルーサー。これまたケビン・スペイシーがはまり役。
(賛否両論あるみたいだけど、前作をほとんど忘れているモノで…)
悪いヤツなんだけど、コミカルさもあり、最後はおまぬけというか、おちゃめというか…みたいなことになって、どことなく憎みきれない悪役を怪演しています。

レックス・ルーサーはスーパーマンの弱点も知り尽くしており、そのおかげで彼は悪人共にぼてくりまわされます。
そのシーンが生々しいという声もあるけど、スーパーマンというキャラに深みを与えるために必要なシーンだったというのが、うちらの意見。
あまりに完全無欠だと感情移入しにくいでしょう?
弱点くらいはあった方が、無敵な時とのギャップ故に「がんばれ!」と応援したくなるんですよね。

さんざぼてくりまわされるんだけど、彼自身は劇中、誰一人として暴力をふるってないということも特筆しておきたいです。
そして瀕死のスーパーマンを助けるのが、普段は助けられてばかりの人間達ということも。
この辺も感動的。

ストーリーは勧善懲悪モノで、ひねりなしの直球勝負です。
でもこんなストレートな映画って、最近ではなかなかお目にかかれなかったんじゃないかな?
奇をてらった作品が多くて、食傷気味だったかと。
だからこの直球さが心地良いんですね。
やっぱり、ヒーロー物は観てスカッとしないとね。

あと、アクションシーンが少なくて、ラブロマンスなシーンが多いって意見もあるけど、うちらは絶妙なバランスだったと思いました。あれ以上どちらに偏ってもうっとうしかったんじゃないかと。
正直、これ以上作りようがなかったんじゃないか?と思えるくらい、よくできた映画だと思います。
でも、この爽快さ味わうには、やっぱり劇場で観ないとね。
DVDでいいやと思ってる方は、そう言わずに是非劇場に足を運んでください。迫力が全然違うはず。
「なにか映画でも観ようか~?」と軽い気持ちで観て、「おもしろかったねー。」と言える作品だと思います。
観る前は懐疑的だったこじかも、観終わった後は大絶賛!!
ホント、誰が観ても楽しめる作品だと思います。
うちら的には「時をかける少女」に並ぶ、この夏のオススメ映画です!


楽曲もすばらしくて、即サントラ買うことを決意。
ところが全然売ってねー。
かけずり回ってようやく購入。

往年のファンが買い求めたんでしょうか??


…ちなみに、観てて余裕のある人はスーパーマンのブーツの靴底に注目してください。

ユナイテッド93

2006-08-29 07:14:03 | 映画


2001年9月11日…

その日は残業して遅く帰ってきました。
家では親がTV見てたんだけど、急に臨時ニュースで番組が中断。
映像では世界貿易センタービルの1棟から大量の煙が。
レポーターがその映像を背景にレポートしてる最中、映像に飛行機らしきらしき影が映り、もう一方のビルに吸い込まれていきました…。

2機目の激突をリアルタイムで見てしまった衝撃は今でも忘れられません。

その日は一晩中ニュースに釘付けに。

3機目のハイジャック機はペンタゴンに激突。
そして4機目、ユナイテッド93便は郊外に墜落。

何かとんでもないことが起きていると感じました。
その一方で、「何の映画かな?」と思えてしまうくらいの、あまりの有り得なさにショックも受けたのです。

それから早5年。

「観よう」というより「これは観ないといけない」という義務感のようなものを感じつつ、劇場に足を運びました。

国内外のこの映画に対する評価は「微妙」な感じ。特にアメリカはね…。
それは某ゲドのように出来がどうこうじゃなく、取り上げてる題材があまりに重いから。
「どんな映画なんだろう?」と期待と不安を感じつつ観たのでした。
もっとも、「ボーン・スプレマシー」のスタッフ達だったので、見応えはあるだろうと思ってたのですが。

先に結論から言うと、ただただ絶句。
最初から終わりまで息つく暇もなかったです。
身体は硬直して動かなくなるし。

映画のタイトルこそ「ユナイテッド93」だけど、管制官や軍の様子なども折り込んで9/11の1日を描いているので、あの日何があったかということを克明に知ることが出来ます。
ただしWTCのことはそんなに触れてないけどね。
そっちは「ワールド・トレード・センター」で知ることが出来るでしょう。
航路を外れる航空機が次々と現れ、多重事故を防ぐために奮闘する管制官。
被害を食い止めたい軍の現場、それと対照的になかなか態度を決めない軍上層部とのやりとりなどがものすごい緊迫感とともに描かれており、片時も目を離すことが出来ませんでした。

映画と言うよりはドキュメンタリー。
この作品には特定の主人公は居ません。
有名な俳優も出てないんだけど、それが逆にリアルで、ただの映画としては観れなかったです。

と言っても、映画的要素は当然あります。
特に印象的だったのは、93便の乗客の搭乗が終わり、搭乗ハッチが閉められるとき。
扉が重々しく閉じられ、ガチャっとロックされるシーンは、これから起こることを象徴しているようですごく怖かったです。
結論知ってるが故の恐怖ですね…。

もうひとつは、テロリストのリーダーがためらって、なかなか行動しないところ。
これは想像上の演出なんだろうけど、テロリストも人間なんだということが伝わるシーンでした。

生存者が居ない以上、機内の様子は当然ながら想像なんだろうけど、「乗客達はホントにこんな会話してたんだろうな…」と思わされます。(かなり詳細にリサーチしたようです)
そのたわいもない会話が、逆に心に刺さります。
機内の様子とは反対に、管制官や軍の様子は、事実にかなり忠実のよう。
現に出演者のクレジットには"AS HIMSELF"がたくさんありました。
彼等も「この出来事は残さないといけない」と思ったんでしょうね。


当時の疑問点として「3機はテロリストの思惑通りになったのに、何故1機だけそうならなかったんだろう?」というのがありました。
93便は最後に乗っ取られたために、乗客が家族から情報を得ていたんですね。
WTCに2機激突したというのと、1機はペンタゴンに激突したと。
これがただのハイジャックじゃなく、自爆テロということは明らか。
空飛ぶ密室である飛行機は、外部から助けを得る事も出来ない。
黙っていれば死を待つだけ。
自分達でなんとかするしかない。

…この話はすごい美談になっており、立ち上がった乗客達は英雄とされてるわけだけど、彼等はごくごく普通の人達です。
英雄になろうと思ったのではなく、ただただ生き延びたい。家族の元に帰りたいというだけの気持ちだったでしょう。
結果的には93便は墜落し、乗客乗員は還らぬ人となったんだけど、その勇気と行動にはとても胸が熱くなりました。

映画的なモノを期待する人には物足りない作品かもしれないですが、うちらは逆に映画として観れませんでした。
9/11の信じられない出来事、またそれが事実であるということから来る、緊迫感・緊張感・迫力・恐怖にただただ圧倒されました。

今、アメリカ本土では「9/11陰謀論」がかなり熱く論議されてるようです。
そういう意味では、この映画も鵜呑みにしてはいけないのかもしれません。
だけど真実はどうあれ、まったく関係のないたくさんの人々が巻き込まれたのは事実です。

「こんな事があった」と人々の記憶に留めるためにも、絶対観なきゃいけない映画だと思います。