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「門」 夏目漱石

2014年06月05日 | 読書

門

【明治期の文学者、夏目漱石の長編小説。初出は「東京朝日新聞」「大阪朝日新聞」[1910(明治43)年]。「三四郎」「それから」の前作とあわせて前期三部作とされる。野中宗助は親友安井の妻だったお米を奪った。二人の結婚生活は崖下の家でひっそりと続いている。安井が訪ねてくることを知った宗助は苦しみ、修業のために参禅に出かけるが門は開けてもらえず救済は得られない。「門」を書き終えた後の夏、漱石は悪化した胃病の療養のために出かけた修善寺温泉で大吐血をし、死を体験した。修善寺の大患と呼ばれる。】(Amazon)

前期三部作の3つめ、読みましたよ~。何で今まで読めなかったかね。スイスイ読めました


安井は宗助に「妹」だと紹介している。妻だったのか婚約者だったのか、本文の中では書かれていない。宗助は安井の「妹」お米を好きになったのかも知れない。ただ、お米はどうだったのだろう?やはり、もう少し理性的であったほうがよかったかも知れない。とはいえ、結果的に宗助は安井からお米を奪った形になり、お米は安井を捨てた形になってしまった。やってしまったことはどうしようもない。

現代なら、双方話し合って円満に解決できたかもしれないが、時代が時代なので宗助とお米は思い切ったことをしてしまったのだろうね。う~ん・・・。

過去は過去として、親も親戚も社会も捨てた(捨てられた)二人は、それでも互いをいたわり慈しみながら穏やかに暮らす。それぞれに悲しみを心の奥にしまいながら。
(お米は流産とお産で3人子どもを亡くし体が弱い。もう子どもができないと宗助に対して申し訳なく思っている。宗助は弟のことでお米に済まないと思っているし安井に対してどうしようもない思いが消えずに苦しむ)

穏やかである、幸せなのだ・・・。と思いながらも、社会(親戚や弟の問題、経済問題)からはどうしても無関係ではいられない。色々ある。心は波打つ・・・。
安井に対する罪の意識は消えない。

二人の愛は、安井から奪ったとはいえ、傲慢とか自己中とまでは見えないのです。それは心の中に恐れや罪の意識があるからなのか。でも、そんな感情にしばられ続けることが本当に幸せといえるのか、二人の間だけはたしかに幸せではあるのですが。
謙虚であることと罪の意識を持ち続けることは違いますからね(”謙虚”は平等で穏やか、”罪”は不平等で暗い)。切ないですねえ。

哀しくも美しい夫婦の物語。

(私なら、思い切って安井に会ってとっことん話をして、親や親戚はすっぱりあきらめる。で、明るく暮らす。
そもそも、初めからこんな恋愛はしない!!^^;) 

星5つ 

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2 コメント

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それは駄目でしょう!(苦笑) (masamikeitas)
2014-06-05 13:07:23
まるちゃん、こんにちわ。

「門」は本ではなく、テレビで視たような気がします。?
谷崎潤一郎と谷崎の妻の千代をめぐる佐藤春夫の恋を思い起こします。
これは複雑怪奇の恋愛ですが、シナリオを書いたのは谷崎らしいです。
ようするに恋はきれいごとではないし、覚悟がいるということだと思います。
宗助は覚悟もないのに親友の彼女を取ってしまった。
それは駄目でしょう!(苦笑)
返信する
何事も覚悟が必要ということですね。 (まる)
2014-06-05 15:26:37
宗助はいつ安井の”妹”ではないと気がついたのか、その時点であきらめるべきだったのでしょうが・・・。
(「それから」では元々自分が友達に薦めてるし、、、^^;)
お米も駄目ですねよねえ。安井への愛がないにしろ、ちゃんと話をしなくっちゃねえ。

いずれにしても、覚悟が必要ということですね。
返信する

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