優緋のブログ

HN変えましたので、ブログ名も変えました。

「愛する源氏物語」

2008-11-13 09:01:52 | 読書
俵万智著 文芸春秋


原文はもとより、現代語訳でも読みこなすのは私にとってなかなかの難敵。

田辺聖子氏の「新源氏物語」やマンガの「あさきゆめみし」で大体の内容は知ってはいるのだが、それでもいつも短歌の部分だけは読み飛ばしていた。

私はもともとがさつな性格だから、じっくりと言葉を読み込まなければいけない詩や短歌を読むのが苦手なのだ。
小説だったら、読みにくい場所はちょっと飛ばしてしまったり、斜め読みしても大体の流れはわかるからいいのだが、助詞の使い方ひとつで意味が変わってきたりする詩や短歌はそうはいかないから困るのだ。
これは、自分が短歌を詠むようになった今でも変わらない。

だから、この本を読むのは少々きつかった。
俵万智さんが物語の流れを解説してくれる部分や、万智訳の短歌はとてもわかりやすく面白いのだが、原文の短歌のところに行くと途端に???
何度読み飛ばしたい衝動に駆られたことか・・・。

しかし、短歌から源氏物語を読み解くという俵さんの試みはとても面白かった。
夫婦喧嘩も、危うい恋の誘惑も、三十一文字に託せば雅やかに、穏やかにかわすことができる。

また、登場人物すべてになりきって、その性格を的確に詠み分けた紫式部の歌人、物語作家としてのすごさもよくわかった。

また、時間をかけてじっくり取り組んでみたい一冊だ。