
キツネアザミという和名は「アザミのようで(ほんとの)アザミでない」ところから、だそうですが・・・

私に言わせれば、キツネアザミだって分類上は キク科アザミ亜科アザミ連( Cynareae)というところまでは他のアザミたちと同じなのです。「アザミでない」と切り捨てるのは「アザミ亜科」や「アザミ連」の花たちの共通した特徴に目を向けていないと思うのです。

まぁ、アザミにはある「棘が無い」ので「本当のアザミ」ではないのかもしれません。
あるいは「アザミ属とは痩果の先端から出る冠毛のうち外側の列のものが短くて羽毛状にならない点で区別される」(wiki「キツネアザミ」)という差別化もありますけど(´v_v`)

それにしてもこのキツネアザミ、棘はないけど(いや、トゲがないからこそ?)一般的なアザミにはない「いい味」出しています。

とくに蕾が可愛い (^_-)-☆
ただし、あまり近くで見るとぎょっとしますけど。

さて、毎度おなじみ、キク科の花の特徴
キク科の花たちは「頭花」といって一本の茎の上に花を一輪咲かせるのですが、これがひとつの花でなく、たくさんの小花の集合で構成されているのです。
さらに、この小花にも2種類あって、キク亜科の花たちで説明すると、周囲の花弁のように見える部分は雌しべひとつと1個の肥大化した花弁からできていて「舌状花」と呼ばれています。中心の少し盛り上がって見える部分の小花は「筒状花」といって筒のような雄しべの中を雌しべが貫通して出た先で柱頭を展開しています。
キク科の花のうち、キク亜科の頭花のばあいは舌状花と筒状花の両方でできています。
でも、キク科のうち、タンポポ亜科では頭花は舌状花だけでできています。

するともうお分かりでしょう、アザミ亜科のばあいは今度は頭花が筒状花だけで出来ているんです。
だからアザミ亜科の花たちはトックリ型の(ひらひらの付いてない)蕾なんですね。花弁を持たない筒状花がひしめき合っているのがアザミ亜科の花です。
(以上、一部例外もあります)

(筒状花の)小花の一つひとつの咲き方
つぼみが開くと、まず雄しべの筒が成長します。筒の中には花粉が生産されます。
次のステップで、雌しべが筒の中を伸びてきて できた花粉を筒の外へ(雌しべの柱頭につけて)押し上げます。(雄しべ期)
雌しべの花柱に付いた花粉は虫たちによって他の花に運ばれます。(この時期 雌しべはまだ未成熟で柱頭は展開してませんから、自家受粉することはありません)

次のステップで、雌しべの先が2つに割れ柱頭を成熟させます。(雌しべ期)
タンポポの茎のような筒の途中まで(色の濃い部分)が雄しべ筒、その中から伸びてひつじの角のように先端でカールしている部分がめしべです。
(おまけ)

昔つくった gifアニメ画像です。
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