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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

木立ベゴニア - ふたたび

2024-07-16 15:00:00 | みんなの花図鑑
雌花

安城デンパークのフローラルプレイス(大温室)にあった木立性ベゴニアです。
分類上は シュウカイドウ科のベゴニア属(シュウカイドウ属)。
こういう咲き方を園芸では シャンデリア咲き と呼んでいるようです。
デンパークのサイトの説明によると
「ベゴニア‘アメリア’( Begonia spp.)は熱帯から亜熱帯を原産とする、シュウカイドウ科の多年草です。可憐な淡いピンク色の花弁だけではなく、葉の水玉模様や赤褐色の葉裏など、葉の美しさも見どころです。」



雄花と雌花は(横から見れば)容易に区別ができます。雌花には 雄花に無い子房が花弁の下(画像では上)に付いているからです。





ただ、正面から見るとベゴニアの雄花と雌花はよく似ています。どちらのシベもこのように黄色い色をしています。





黄色い器官は柱頭(花粉を受け取る器官)です。




雄花

ベゴニアの雄花と雌花が正面から見るとよく似ている理由は 雄花の雄しべと 雌花の雌しべの柱頭が、両方とも黄色で同じような形をしているからです。
なぜこんなに似ているのでしょうか?



その理由について、以前、少し考えたことがあります。
虫媒花はふつう花粉と蜜を提供して、花粉をめしべに運んでもらいます。
ところが、ベゴニアは蜜腺を持たない花で、花粉を媒介してくれる虫たちには「花粉のみを報酬とする花(花粉花)」だったのです。



その帰結として、雄花は花粉を与えることで虫を呼ぶことができるが、雌花は花粉をもたないので、そのままでは虫を呼べません。ベゴニアは雌花に虫を呼ぶためにあれこれ対応策を考えました。その結果、めしべの柱頭を雄しべに似せた形に(擬態)することで虫たちがおしべと勘違いして柱頭に止まってもらうことを考えたのです (´∀`)
(このあたりのことは Web site of FUKUHARA, T. (Fukuoka Univ. of Education) 「6-5-1. 報酬としての花粉」を参考にしました。)






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