オータムリーフの部屋

残された人生で一番若い今日を生きる。

70年の平和はこんなにも脆いのか

2015-03-30 | 政治

国の根幹が変わるのに、新聞が反論せず、安倍政権の支持率は高い。政治とカネの醜聞がまたもや噴出したが、大臣が辞任するだけで済んだ。安倍政権は平和憲法をかなぐり捨てる法整備を進めているのに、国民は極楽とんぼだ。今月中にも自衛隊が世界中に出ていって、戦争協力する法案が提出される。自民党一強、野党不在、マスコミも安倍政権を怖がって自粛している。平和主義をかなぐり捨てて、欧米の仲間になろうとしているのに、国民はあきらめ顔で見ているだけだ。

 9・11の直後、米国では国を守るためと称してヒステリー状態になった。イラクに大量破壊兵器はある。イラクのフセインを潰さなければ米国はまた攻撃される・・・・そんな空気の中で批判精神は圧殺された。あれだけのことが起こったのだから、疑心暗鬼になって、国家を挙げて邪魔なフセインを倒そうとした心理は理解できる。

 日本の国家は今どれほどの危機に直面しているのか? 台頭する中国、イスラム国の脅威、そんな些細なことで国家の根幹を変えてもいいのか?マスコミはダンマリを決め込み、政府に協力する。
 
イスラム国の人質事件ではニューヨーク・タイムズ紙に掲載された風刺画が面白い。
「イスラム国は平和主義から逸脱する日本を後押しするか。安倍晋三“大統領”は復讐を呼びかけた。」
本来なら、日本のマスコミが描く図でしょう。批判精神ゼロどころか、旗振り役をやっている日本のマスコミ。腰抜け、腑抜けばかりである。
 安倍政権は人質事件を利用し、「テロリストに罪を償わさせる」と復讐を誓った。米英の一員であることを国内外にアピールするのが狙いだった。安倍氏は列強の仲間入りをしたいと切望している。問題はそれに疑問も挟まず、反論もせず、見ぬふりをして世論を形成してしまう日本のマスコミだ。
 米国と一緒になって戦うことが日本を守ることになる。米国がやっていることが正義であると信じ込んでいるらしき安倍政権。そういう立場の政治家や学者はアーミテージ元国務副長官に代表されるジャパンハンドラーの繰り人形達だが、そのジャパンハンドラーの人々が米国を牛耳っているわけではない。
 
 野党不在で政権と違う意見を許さないという雰囲気がこんなに簡単に醸成されるとは・・・・・平和なんて脆いものだ。
 
 敗戦までの日本で国民は決して政府の富国強兵政策に仕方なく追随したのではない。自ら率先して、アジアで侵略を続けていったのだ。特攻だって、国を守るという使命感に燃え、家族を守るという悲壮感だけで死に急いだのではない。彼らは志願兵だったし、ゼロ戦のパイロットというエリートだった。確かに、血反吐にまみれて餓死していった無辜の兵隊と比べれば、血気盛んに華々しい自爆を選択できたのだから、志願する気持ちはわかる。
 過去の敗戦の責任を支配層にだけ押し付け、被害者意識だけで戦争を批判する国民はまたぞろ戦争に駆り出されることになる。敗戦に帰結した無謀な戦争がいけなかったのであり、強いものと組みして勝てば万々歳なのだから・・・・・・欧米と組みすれば、勝てるし、勝てば戦争は儲かるのだ。国土が戦場にならない限り・・・・原発を売り、武器を売り、戦争経済で儲けよう。平和主義を掲げて日本だけが遅れを取ってはならないし、儲けの機会を逸してはならない・・・・・・日本の政財界はこんな風に考えているように思える。

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