オータムリーフの部屋

残された人生で一番若い今日を生きる。

グーグルに見るイノベ-ションの土壌

2015-11-11 | 国際
世界中で社員を増やすグーグル。
「グーグルでは、同じ業務を担当する2人の社員が会社にもたらす影響に100倍の差があれば、報酬も100倍になる場合が実際にある。たとえば、ある社員が1万ドル、同じ部門の別の社員が100万ドルのストックオプションを、それぞれ支給されたこともある。これは極端な例だが、ほぼすべての職位で、報酬の差が3~5倍になることは珍しくない」
 
日本企業に比べれば、欧米企業は皆その傾向が強いが、グーグルの報酬についての第1原則が、「報酬は不公平に」というものだ。最も優秀な人材は会社が思っている以上に優秀で、会社が支払う報酬以上の価値がある、という信念がその根底にある。過去には、実績を上げたチームへの報奨を決めるプロセスが不透明だと批判されたこともある。そのたびに選考プロセスの透明化が進んでいく。金銭的な報酬への満足度がつねに高いとは限らないため、報奨を旅行やパーティ、グーグルTVの進呈などの「経験」に変えたら、金銭より満足度が上がったこともあった。ネット上で社員が互いに褒め合う「gサンクス」の導入、1人1回175ドルまで管理職の承認や書類手続きなしで社員が社員にボーナスを支給できる制度など、社内に驚きと喜びを与える報酬での数々の仕組み作りに試行錯誤している。
 
極め付きは、リスクに萎縮する愚を避けるため、「思慮深い失敗に報いる」方針だ。撤退した事業の開発チームにも、成功報酬には遠く及ばないながら対価を与えている。リスクを選ぶことによって不利益を被るわけではないという姿勢を、会社として明確にしたかったのだ」
 
カフェテリアは基本的に1日2食(朝食と昼食か、昼食と夕食)。セルフサービスのマイクロキッチンにはつねに飲み物(炭酸飲料、ジュース、お茶、コーヒーなど)と軽食(生の果物、ドライフルーツ、クラッカー、チップス、ダークチョコレート、キャンディなど)がある。もちろん無料。オフィスの規模によって異なるが、社内にジムや診療所があり、カイロプラクティクスや理学療法、パーソナルトレーニング、エクササイズとヨガとダンスの教室を利用できるほか、ボーリング場もある。医療サービスとパーソナルトレーニングの料金は社外と同じレベルだが、施設や教室は誰でも無料で利用できる」
 
グーグルで働くことについて、周囲が最もうらやましがることのひとつが、この至れり尽くせりの福利厚生だろう。食事については、健康と寿命にかかわる要因の中ではコントロールしやすいものとの位置づけで、社員の体調管理に一役買っている。
 
会社の規模が大きくなるにつれ、創業時のようなコミュニティ意識をどう維持するかがグーグルにとっても大きな課題になってきている。
日本企業でも夏休みにあるような「子どもの職場参観」をグーグルでも以前から実施しているが、2012年からはついに「親の職場参観」を開始した。子どもの職場を見に来た親たちは皆、目に涙をためて感動しており、子どもとの距離が縮まったと喜び、感謝していたという。(「週刊東洋経済」2015年6月13日号)
 
ネットや米メディアで話題になっている、グーグルの社員がいる。高給取りのはずのグーグルの社員なのに、今年5月から社内の駐車場に止めた全長約5メートルのトラックで暮らしている。
東海岸の大学を出てグーグルに就職したものの、シリコンバレーの家賃の高さに驚き、「寝るだけの場所にこんな金を払うのなら車の中で生活してみよう」と思い立った。
 
ブログには「僕はピクセルと電子をいじっているソフトウェアエンジニアであって、木や金属をいじる人間ではない」と書いているとおり、アウトドアや日曜大工などとはまったく縁のない23歳。購入した古いトラックの落書きを必死で消し、試行錯誤で車を修理しながら会社の駐車場で暮らす日々をユーモアまじりに描いている。600万回以上閲覧され、テレビを含めて25以上のメディアが取り上げ、定期的に読者から受ける「車上生活Q&A」を掲載する人気ブログだ。
 
初めてグーグルに来たのは昨夏、その時に会社を通して借りた部屋は、1日100ドル(約1万2千円)。ルームメートと4人で暮らしてやり過ごしたが「ほとんど家に居ないのに、これだけの金を払う意味があるのか」と考えさせられたという。大学を卒業した今春、正社員として再びシリコンバレーにやってきた。この地域では一人暮らし用のスタジオ(日本で言う「ワンルームマンション」のやや大きなもの)でさえ、家賃平均は月2180ドル(約26万円)。そこで、全長約5メートルの中古のトラックを8800ドル(約105万円)で購入。外の落書きを消し、簡単なマットレスを購入し、棚を作り、運転しても家具が動いて「部屋」がぐちゃぐちゃにならないように固定した。車の中には、独立したわずかな明かりはあるが、電源はない。もちろん水道もトイレもない。それでもとりあえず問題なく暮らせるのは、彼がグーグルの社内にいるからだ。
 
無料で日替わりの食事が食べ放題の社員食堂がいくつもある。朝食から夕食まで、毎食温かい料理が振る舞われ、カフェやスナックだけを食べられるような場所もたくさんある。さらに、自転車で通勤する社員が到着して一汗流せるよう、シャワールームも完備している。ジム、ビーチバレーのコート、ジャクージ、コインランドリー、クリーニングのサービスまである。建物は24時間開いているため、生活に必要なものには社内の駐車場から問題なくアクセスできる。ブログによると、ブランドンは毎朝午前5時半ごろ起床。車から自転車を出して、まずはジムへ直行し、運動して一汗流してから、シャワーを浴びる。会社の食堂で朝食を食べ、午前8時ごろから仕事を始めて、再び社員食堂で昼食をとり、午後4時ごろまで働く。その後は同僚とおしゃべりしたりして、夕食も社内食堂で食べ、再びシャワーを浴び、午後9時ごろまでに車へ。
トイレがないため、午後7時半以降は飲み食いしないようにしているというが、特段困ったことも起きないらしい。
 
グーグルには過去にも、社内駐車場に大型のバンなどをとめて1年以上生活していた人たちがいるのだという。こんな生活すら可能にしてしまうぜいたくな会社の福利厚生。これはグーグルに限ったものではない。シリコンバレーのIT企業は無料の社員食堂やジム、シャワールームなどを備えている会社が多くある。シリコンバレーは一歩会社を出ると周囲には店も何もない場所が多い。社員は朝から晩まで広大な敷地の社内から一歩も出ず、プログラミングに没頭することになる。会社としては、食事のたびに車で社外に出てうろうろされるより、働きやすい環境を整えたほうが仕事の効率が上がるという面もあるらしい。
 
トヨタは6日、自動運転などに使う人工知能技術の開発拠点として、来年1月、米シリコンバレーに新会社を設けると発表した。2020年までに約10億ドル(約1200億円)を投じる。
最高経営責任者(CEO)に米国防総省の国防高等研究計画局でロボットコンテストなどに携わったギル・プラット氏を迎える。社員は200人程度を予定する。
 
今春に安倍晋三首相がシリコンバレーを訪れた。主な目的はイノベーション振興の視察。 優秀な人材を育成、集めようとしていたとは信じられない。お友達や取り巻きはイエスマンのバカばかり。
彼らを優遇しても、問題山積みでパンク寸前の日本に解決策が見つかるはずがない。
1年前に比べて安倍内閣支持率および自民党支持率が下がっているとはいえ、内閣支持率は47%の高水準を維持しているし、自民党支持率も37%の「ダントツ1位」だ。
自民党支持率が低下してもその分「支持政党なし」が増えるだけ。金融緩和とばらまきが頼りの日本経済。日本のグロ-バル企業はもはや日本など見限ったように見える。
日本にシリコンバレ-ができる可能性はないから、シリコンバレ-に進出するしかない。ソフトバンクの孫さん、楽天の三木谷さん、LIXIL(リクシル)の藤森さん、ソニーの平井さんもシリコンバレーの住民に近いということだ。
安倍政権がばらまき外交で支援している企業は、商社や原子力を含むエネルギ-関連企業、インフラ整備企業、そして武器製造企業・・・・政府のばらまきがなければ、存続できない日本のゾンビ企業だ。国民の税金を無制限に使い、海外の新興国を豊かにし、日本の産業を空洞化する。
 カネで何でも解決できると思っている首相が国内では増税し、新興国にひも付き援助を与えて持て囃され、有頂天になる。そんな外交が自信たっぷりに行われているのである。
 

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