オータムリーフの部屋

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国家のイメージ

2013-08-19 | 社会

 英BBCが実施し、2013年5月23日に発表した「国家イメージアンケート調査」は25か国の約2万6000人を対象に、17の国・地域について「世界に良い影響を与えているか、悪い影響を与えているか」を聞いたもので、日本は4位、中国が9位、韓国を「良い」と答えた人は36%で10位だった。

 
国家イメージ

韓国を「悪い」と答えた人は31%だったが、国別で見るととりわけドイツが多く、実に65%の人が「韓国が世界に悪影響を与えている」と答えている。2番目に多かったフランスは47%で、20%近くの大差がついてしまっている。
ドイツと韓国の遺恨といえば、サッカー日韓ワールドカップで、ドイツと韓国の試合の際韓国サポーターが「ヒトラーの息子達は去れ!」と書かれたプラカードや、ナチスのハーゲンクロイツが描かれた横断幕、クローゼ選手とカーン選手の写真を遺影に見立てた紙を掲げたことがあった。
しかし、ドイツ人が悪印象を抱いているのは韓国だけではなかった。他の16の国・地域のデータを見てみると、ドイツで「良い影響」が「悪い影響」を上回っているのは、イギリス(良:48%、悪:19%)、EU(良:59%、悪:21%)、ドイツ(良:64%、悪:8%)、カナダ(良:51%、悪:11%)、フランス(良:48%、悪:21%)と欧米の国・地域だけ。アメリカ(良:35%、悪:39%)はわずかに「悪い影響」が上回ってしまったが、日本をはじめとしたアジアと、アフリカ、南米の国・地域については全て「悪い影響」が大幅に上回っている。
ドイツには東洋人に対する蔑視が潜在的にあると言う。そうした潜在意識が調査結果に反映されてしまっているのかもしれない。
韓国のイメージ
 
 
貿易依存度が高い国にとって、海外での国家イメージの悪化は決して望ましいことではない。
中国のイメージ悪化は、日本では当然のことと受け止める人がほとんどだろう。尖閣問題、反日暴動、環境汚染物質PM2.5、鳥インフルエンザの流行などイメージの悪化の要因は枚挙に暇がない。
 
しかし、意外なことに、中国に対してマイナスの評価を下した割合が最も高かったのはフランスで68%、米国、ドイツ、スペインが67%と続き、日本の64%、韓国の61%よりも高い。中国で反日暴動が起こった時に、国内不満の高まりを対日批判で抑えようとした中国政府のやり方、東シナ海で繰り広げる強引な領土拡張政策、世界は見ているのだ。中国の成長を支えるひとつの要因であった日本からの直接投資は減り、日本の現地法人での雇用も減少することになった。海洋利権を強硬に主張すれば、ナショナリズムを煽り国内不満のはけ口にはできるだろうが、それは両刃の剣になって、やがてボディブローのように経済のマイナス効果に帰着する。実にまずいやり方だ。日本は中国の挑発に乗らず、静観していた方が賢明だ。
 
 このBBCの調査結果を受けて、中国紙・環球時報(電子版)が「中国に対する欧米のイメージはマイナス、意外に思いますか?」と問いかけた。その結果が面白い。「意外」と答えたのがたった3%で、97%が「意外ではない」と回答している。中国人自身も自分たちのまずいやり方に十分気が付いているということだ。
中国のイメージ
 
 
さて、日本に対するイメージは2012年まで評価があがってきていたにもかかわらず、2013年になって大きく評価を落としたという分析がある。安倍内閣や自民党の歴史観、とくに「侵略の定義」をめぐっての発言、靖国参拝、憲法改正を掲げる安倍内閣への警戒心などが影響しているのかもしれない。原発と言う自爆装置を抱えている日本が軍事大国になるにはいくらお金があっても足りない。それより国際イメージを良くして経済大国になり、貧しい国を援助し、独自の平和外交を貫く方がどれだけ賢明か、明白だろう。
各国のイメージの推移
 
 
日本のイメージ
 
 最後に中国の日本と韓国に対するイメージの変化が面白いので書いておく。
中国人ネットユーザー、雪の守望者(ハンドルネーム)さんは中国大手検索サイト百度の掲示板に「日本好きな人は韓国が嫌いだが、韓国好きな人は日本も好きになる」というスレッドを立てて、意見を募ったと言う。
 スレ主は日本も韓国も嫌いだったが、日本人と接する機会を得て以来、日本人の謙虚さや人当たりの良さから日本好きになり、韓国人の場合は接するようになって逆にもっと嫌いになってしまったそうだ。
 日本の民度などを挙げて同感するコメントが多く寄せられ、「スポーツ競技を見たらわかる。日本人はおとなしくて謙虚だ」などの意見があった。特に四川大地震後の日本側の対応をきっかけに「今の平和を愛する日本国民」に好感を抱くようになった人もいた。 しかし日本が嫌いという意見も当然あり、主な理由として挙げられたのは戦争だった。また、「一方は歴史を否定し、一方は歴史を盗む」と、日韓ともに嫌いという人もいた。
 「中国を愛していればほかの国はどうでもいい。機会があっても日本にも韓国にも行く気はしない」という愛国的な発言もあった。直接接する機会があると固定観念が覆されることが多いが、引きこもっていると視野が狭く偏狭な考え方が是正される機会もない。
 何国人と十把一絡げの見方を慎み、それぞれの国に平和を愛する人、好戦的な人、偏狭な人、視野の広い人、さまざまな考え方の人が存在することを認識し、過度に愛国的になることは避けた方が良いと思う今日この頃だ。

韓国人が歴史を盗むとは?
「韓国人は孔子も老子も韓国人だという」「釈迦までもが韓国人だと騒ぐ」-。韓国人が聞いたことも、見たこともない話が台湾ではまことしやかに伝えられ、韓国を批判し、冷笑する道具として使われているらしい。韓国人の立場からすればこれほど理不尽なことはない。ネットユーザーから、すぐに「ヒトラー、ムッソリーニ、ビンラディンも韓国人だと言えばいいじゃないか」といった皮肉が韓国人に浴びせかけられる。
 日本の伝統文化や武術を「起源は韓国文化や武術にある」と言う韓国起源説と言うのもある。これは確かに聞いたことがあるね。

 

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