オータムリーフの部屋

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安倍総裁に代わる総裁を選ぶのが自民党の急務

2014-01-12 | 政治

12月30日付の東京新聞が報じるところによると、共同通信社が28・29両日に実施した全国緊急電話世論調査で、安倍晋三首相による靖国神社参拝に関連して、外交関係に「配慮する必要がある」との回答が69.8%と、「配慮する必要はない」の25.3%を大きく上回った。
今回の世論調査では、安倍内閣を「支持しない」と答えた人の不支持の理由で「外交に期待が持てない」が前回(22・23両日調査)の4.1%から14.5%に跳ね上がり、中韓両国に加えて米国などとの外交関係に与える影響を懸念する声が広がっていることを印象付けた。

 安保反対のデモが国会を取り巻いていたとき、『国会周辺は騒がしいが、銀座や後楽園球場はいつも通りである。私には声なき声が聞こえる』と祖父の岸は言った。安倍晋三首相は『騒いでいるのは国会の周りの少数派だけで、背後には(フェイスブックで礼賛する)多数派が支持している。一部の反対を押し切ってでも特定秘密保護法案を通すことが政治家としての歴史的使命だ』と言った。
 安倍晋三首相は、戦後レジームだけが否定すべきもので、それ以前の体制は『美しい国』だったと言う。戦前の美しい国が、戦後の自由主義や個人主義の思想によって汚された。その汚れの元凶が憲法と言うことらしい。個人より国家を優先する強権的な国家がお好みらしい。中国に敵対しようとする安倍首相が国民に犠牲を強いる中国そっくりな強権国家を目指している。

 中韓の反発に対する日本国民のナショナリズムの高揚をバックに右傾化する安倍政権が、外交センス欠如の靖国神社参拝で、国際社会で孤立し始めた。
昨年4月、米国のバイデン副大統領と会談し帰国した直後の麻生太郎副総理が靖国神社に参拝し、それを安倍首相が「わが閣僚はどんな脅しにも屈しない」と擁護した。外務省の幹部によれば、「副大統領の神経を逆なでし、米政府全体が“日本の安倍政権は一体何を考えているんだ”という空気になったと言う。
昨年10月、来日中のケリー国務長官とヘーゲル国防長官は靖国でなく東京都千代田区の千鳥ヶ淵戦没者墓苑へ献花した。これほど明白なメッセージを受けたにもかかわらず、12月に安倍晋三首相は靖国参拝を強行した。さらに米政府の「失望」声明後、今年の元旦に新藤義孝総務相が靖国神社を参拝した。良識ある防衛省幹部は「日中韓関係の改善に奔走してきた米国の顔に完全に泥を塗ってしまった。米国との信頼関係をかなり傷つけた」と肩を落とす。
 沖縄の辺野古への基地移転を仲井間知事に認めさせて、やっと懸案の問題を解決し、米国もよくやったと誉めてくれると思ったのだろう。集団自衛権の確立のために中国を刺激して国民の危機を煽り米国を守るためにまい進している自分を高く評価してくれると思ったのだろう。ご褒美に靖国参拝を黙認すると思ったのだろう。公人の立場にあっても個人的な信条を譲れない子供のような安倍晋三首相の外交センスの無さを露呈する結果となってしまった。
 米国務省の「失望した」という公式のメッセージは、「disappointed」であり、男女の間でいうなら「おつき合いを解消するほどがっかりしたとか、離婚を決意するしかない」というニュアンスの非常に強い言葉であると言う。元外交官で京都産業大学教授の東郷和彦さんは、「外交の世界で同盟国に対して“disappointed”とはっきり言うのは異例」と言い切り、「万が一、中国との間で戦争状態になった時に、中国を挑発するような愚かな国のために血を流す必要があるのか、ともなりかねず、恐ろしい」と述べている。
対米・対中・対韓関係だけにとどまらず、北方領土をめぐり、かつてない打開の機会があると見られていたロシアからも批判の声があがり、EUや国連を代表する立場の人たちからも次々に公式の批判声明が出された。
 佐藤優氏は、「中国は、第二次世界大戦に対する評価という歴史問題をカードとして用い、韓国・ロシア・米国を加えた日本包囲網を形成しようとするであろう」と危惧する。また国連の潘基文事務総長は韓国の朴槿恵大統領に新年挨拶の電話をかけた中で、安倍晋三首相の靖国参拝に言及し、「世界が協力と平和に進むべきなのに信頼を破って周辺国を傷つけてはいけない」と、日本の安倍政権を批判した。

 自由民主党は日本国民のために、安倍晋三氏に替わる総裁を早急に選出すべきであろう。それは都知事選の候補者選びよりもはるかに優先すべき課題である。


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