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<コアラ>国内で激減 輸入途絶え近親交配が影響? 鹿児島であす会議

2010年12月08日 | 科学
<コアラ>国内で激減 輸入途絶え近親交配が影響? 鹿児島であす会議
毎日新聞WEB版 12月7日(火)15時17分配信
(画像はこの記事とは無関係なイメージです。)

 国内のコアラが激減している。97年のピーク時は9動物園で96匹が飼育されていたが、09年末には51匹と約半数に。赤ちゃん時代に死ぬケースが増えたためだが原因ははっきりしない。九州で唯一、コアラを飼育する鹿児島市平川動物公園は8日、種の保存・育成を図ろうと、豪州や国内の専門家らを招いてコアラ会議を開く。豪州で数十例の実績がある人工授精の導入について情報交換するほか、新たな個体のもらい受けの可能性も探る。

 ■27匹→7匹に

 平川動物公園には84年、多摩動物公園(東京都)、東山動植物園(名古屋市)と同時に、日本で初めてコアラが寄贈された。97年に最多の27匹を数え、日本一の「大家族」を誇ったが、その後は減る一方。他園への転出もあるが、00年23匹▽03年17匹▽06年12匹▽10年7匹--と右肩下がりだ。

 同園の桜井普子(ひろこ)獣医は「母親の袋の中にいる段階で死んでしまう例が多い」と指摘。妊娠・出産しても無事に成体になれず、個体数減につながっているという。同園で00年以降に生まれた22匹のうち育ったのは9匹。出産した6匹すべてが育たなかった6歳の雌もいる。

 有袋類のコアラは子宮が未発達で、出産後半年間は母親の袋の中で育つ。出産直後の赤ちゃんは体長約2センチ、体重は1グラム以下。自力で産道から袋に移動する際に落ちてしまうことも。さらに「袋に入って、母親も健康なのに死んでしまうケースも増えている」(桜井獣医)という。

 ■人工授精に望み

 会議に参加する神戸市立王子動物園でも、最も多かった99年の10匹から現在は5匹に半減。96年以降、繁殖の成功例はゼロだ。嶋谷吉彦飼育展示係長(57)は原因の一つに「遺伝的多様性の乏しさ」を挙げる。

 原産地の豪州でも、絶滅の恐れが指摘されるほど生息数が減少。森林伐採が主因で、4万~8万匹という調査結果もあり、コアラの国外移動は厳しく制限されている。このため日本へは84年の初導入以降、新たな個体はほとんど入っておらず、近親交配が進んで袋の大きさや形、繁殖能力などに変化が起きた可能性も指摘される。

 近親交配を避け飼育数を盛り返す手立ての一つが海外からの人工授精。既に発情期のデータを蓄積し、精子採取器具の製作準備に入っている。また新規個体の導入が実現すれば、53匹の繁殖実績があり全国に「子孫」が散らばる平川動物公園にとっては朗報。九州新幹線全線開業を来春に控え、コアラは鹿児島市有数の観光資源だけに森博幸市長は「会議で新規個体を頂く話になればいい」と期待をにじませる。【村尾哲】




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