戸栗美術館

　鍋島焼のコレクションで有名な戸栗美術館。渋谷区松濤にある。渋谷Ｂｕｎｋａｍｕｒａの裏手にある、売却された東京都知事公館のさらに奥へ進むとそこへ到着する。渋谷駅から歩くのが普通だが、井の頭線を使えるのなら、神泉駅下車が非常に便利。
　さてこの戸栗美術館、これだけの名品（鍋島焼ばかりでない）を常時展示しているにも関わらずいつも空いている。これが問題。どうしてこうも訪れる人が少ないのか。陶磁器好きなら一度どころか年間を通じて足繁く通うべき美術館である。私も何回も通った。何回でも通いたいのだが、財政が許さないのが残念でならない。
　展示されているどれもが一級品である。公共の美術館の西洋絵画の企画展なんぞ目じゃない。すごい作品だらけである。美術品に限らないが、目を肥やしたかったら現物を数多く見るのが一番である。陶磁器に関してそれを叶えてくれるのがここ、戸栗美術館である。この美術館の広告塔は「開運！なんでも鑑定団」で有名な鑑定家中島誠之助が務めている。このことからもこの美術館の重要性は認識できよう。
　意外なことに器好きでここを訪れたことのある人は少ない。試しに行ったことがあるかどうか聞いてみるとよい。
　もし渋谷のＢｕｎｋａｍｕｒａザ・ミュージアムで西洋絵画の企画展を見て、がっかりしたときがあったら、ぜひこの戸栗美術館を訪れて口直しならぬ目直しをしていただきたい。たとえ陶磁器に興味がなくても、見て損は絶対しない名品ばかりが常時展示されているのだから、これを機会に陶磁器に開眼しましょう。

　蛇足）私はＢｕｎｋａｍｕｒａザ・ミュージアムへ行くときはいつも戸栗美術館で今何を展示しているかを必ず調べます。そしてお金に余裕があれば行くようにしています。