あすかパパの色んな話

日々の暮らしの中で思ったことを書き込んでいきます。
今までのように写真、競馬の予想、スポーツネタも続けていきます。

陸上界に“第二の室伏”誕生か!?やり投げ・ディーン元気の爆発力。

2012年06月11日 20時19分29秒 | コラム

生まれ育ちは関西のディーン元気だが、父親のジョンさんの故郷はイギリス。ロンドン五輪出場は家族との約束でもあった。同じ投てき競技で五輪金メダリストの室伏広治が目標だという。「まだ及びませんが、次の五輪(リオデジャネイロ)では同じぐらいの実績を残したいですね」とコメントした。

「今年は自分の年にしてやるぞ、と思っていたのでうれしいですね」

 ロンドン五輪代表選考のかかった陸上の日本選手権(6月8~10日・大阪)。

 大会前から、ともに好記録を持つ第一人者と新鋭の対決が注目されたやり投げ。

 期待通りのハイレベルの争いとなった勝負を制した20歳のディーン元気は、試合を終えると、いつもの快活な話しぶりで、素直に喜びを表した。

 早稲田大学3年生のディーンは、今シーズン、急成長を遂げた。4月末の織田記念で、日本歴代2位の84m28で日本人最高位に。この記録は昨年の世界選手権でも銅メダルに相当する。さらに5月のゴールデングランプリ川崎でも81m43を投げて優勝し、日本選手権を迎えた。

 対する32歳の村上幸史は、2009年の世界選手権銅メダル、昨年まで日本選手権12連覇という実績が物語るように、この種目の第一人者として活躍してきた。今シーズンは織田記念、川崎とディーンに敗れたが、織田記念の直前に右太ももの肉離れで、本来の出来になかったことが原因だった。

やり投げの第一人者・村上幸史と競り合い勝利したディーン。

それだけに、怪我から復調した今大会にかける意気込みは強かった。いつも以上に気合いの入った表情を見せる村上は、2投目で、大会記録を塗り替える82m93。続く3投目では83m95と記録を伸ばし、会場を沸かせる。これは自己記録を42cm上回るものでもあった。

 だが、ディーンも黙ってはいなかった。4投目、村上よりも低い放物線を描いたやりは、80mを大きく超えていく。記録は84m03。

 この記録が、ディーンの初優勝を決めることになった。

「村上さんがしっかり体調を戻してきて投げていたので、上回ることができて本当によかったと思います」

 と言うディーンは、試合をこう振り返る。

「わりと振り回してしまい、やりがまっすぐになることが今日はなかったので、まだまだ課題はあると思います」

「3投目までは、どこかぎくしゃくしていました。でも4投目になって、意識的にではないですが、うまく集中することができました」

 すべて満足がいく出来だったわけではない。それでも、これまでの大会で見せたように、「一発」を決めるのがディーンの魅力でもある。

大学入学後、ディーンが急成長した理由とは?

それにしても、その成長ぶりは目を見張るものがある。

 ディーンは高校時代にやり投げを始めた。先に取り組んでいた円盤投げとの掛け持ちで、高校3年のインターハイで優勝しているが、やり投げの自己ベストは70m57と、高校記録に約6mおよばない記録しか残していない。

 ところが早稲田大学に入学後、一気に開花する。入学から2カ月後の5月、関東インカレで71m89と、自己記録を1m以上更新し優勝。6月の日本選手権では74m06とさらに記録を伸ばし3位。7月には世界ジュニア選手権に出場し、76m44の自己新で銀メダルを獲得したのだ。

 急成長の理由は、もとから備えていた体をしならせる能力などに加え、日本陸上競技連盟投擲副部長を務める田内健二氏の指導を受けるようになったことが大きい。その中で技術を磨き、体幹トレーニングなどで身体を作り上げてきたことが急成長につながったのだ。

 昨年こそ、左膝の故障に苦しんだが、今年になって回復。2月に約3週間、「やり投げ王国」と言われるフィンランドのナショナルチームの練習に参加したことで細かな技術も向上し、勢いを取り戻したのが今シーズンである。

まだ世代交代は早すぎる! 第一人者・村上もさらに進化を。

一方、敗れたとはいえ、村上も2、3投と好記録を立て続けに出し、第一人者たる姿を示した。

「負けたのは悔しいですが刺激になりました。僕が投げたいという感覚とはマッチしていませんでした。いい言い方をするなら、この状態でそれだけ飛ぶのはいいと思う」

 と言う。修正ができれば、さらに記録を伸ばすことも可能だということだ。

 厚い壁に跳ね返されてきた種目が多い陸上競技にあって、ロンドン五輪へ向けて競い合う2人は、その壁を打ち破る可能性を秘めている。(Number Web)




最新の画像もっと見る