あすかパパの色んな話

日々の暮らしの中で思ったことを書き込んでいきます。
今までのように写真、競馬の予想、スポーツネタも続けていきます。

【EURO】ポルトガルに完敗。優勝候補オランダはなぜ崩壊したのか

2012年06月19日 05時53分17秒 | コラム

2ゴールをあげ、オランダをグループリーグ敗退に追い込んだC・ロナウド

オランダのグループリーグ敗退が決まった。組み合わせ決定時から、死のB組と言われただけのことはあり、2試合終了時点で全チームに決勝トーナメント進出の可能性が残る混戦ぶり。その時点で勝ち点6のドイツが飛び抜けていただけで、他の3チームには大きな差はなかった。

 勝ち点0でこの試合を迎えた最下位のオランダの突破は、ドイツが勝利した上で自分たちがポルトガルを2点差以上で下すことが条件。自力も他力も必要な厳しい条件ではあるものの、可能性は0ではなかった。だが、オランダはあまりにもあっさりとそれを放棄してしまった。残念ながら凡庸としか言いようのない内容に終わった。

 予選37得点というオランダの圧倒的な得点力の原動力は昨季ブンデス得点王のフンテラール。8戦12得点と、あり得ない数字を叩き出してきた。それが本大会では2試合目までベンチに控えた。やはりファン・ペルシーのほうが上ということなのか、ロッベン、スナイデル、アフェライという2列目の選手たちにも劣るということなのか。

 ポルトガル戦前日、ファン・マルバイク監督の記者会見で飛び交ったのは、「どのようなスタメンで戦うのか?」「戦術を変えた方がいいのではないか?」「フンテラールを使ってクロスを入れて攻撃したほうがいいのではないか?」といった質問だった。複数の記者が繰り返し同じ内容のことを聞くから、押し問答のようなけんか腰のやりとりに終始したが、それほどオランダメディアのフラストレーションはたまっていた。指揮官の答えは「何かを変えるだろう。試合を見てくれ」の一点張りで、苦しさが伝わった。

 そのポルトガル戦で、フンテラールは先発の座をつかんだ。4-3-3というよりは4-2-3-1で、フンテラールはゴール前に張ってボールを待ち受ける。ファン・ペルシー、 ロッベン、スナイデルは自在に動き、チャンスを作った。だが中盤でファン・ボメルを欠くこともあって、どうにもボールをキープしてゴール前に運ぶ形にならない。それぞれが単発でゴール前に迫るだけで、終わってみればフンテラールのシュートは0本だった。

それでも11分、この日初先発したファン・デル・ファールトの左足シュートで先制。この時点ではドイツがデンマークをリードしており(後に追いつかれ、最後は2-1で勝ち越した)、希望が見えた。だがその5分後にはロナウドのシュートでピンチとなり、さらにその1分後、ボランチとパス交換をしていたファン・デル・ウィールが痛恨のバックパスミスをし、ポステガにシュートを許す。これは枠の左へと反れるが、オランダは大きくリズムを崩してしまう。結局、18分にはロナウドのゴールで追いつかれた。

 試合後、ファン・マルバイクは、先制点をあげた直後のシーンをこの日の敗因の筆頭に挙げた。記者会見の冒頭、「試合の入りはとても良かったが、あそこからリズムを崩した」「ひとつのミスがポルトガルを試合に引き戻してしまった」とまで言った。しかしこれはあくまで前半の出来事。前半は同点で折り返しているのだから、ハーフタイムにも修正は可能だったはずだ。

 だが後半の選手交代も失敗に終わった。後半22分、オランダは左SBのビレムスに代え、FW登録のアフェライを投入する。ファン・マルバイク監督は「2点差をつけて勝つためにリスクを負った」と説明するが、最終ラインは、左サイドバックを欠いた右寄りの3バックになり、 ゴール前にはフンテラールとファン・ペルシー、左にスナイデルとロッベンが張り、右にアフェライ、中央ではファン・デル・ファールトが高めに陣取る、不可思議な布陣となった。もちろんこの急造システムが機能するわけはなく、後半29分にはあっさりとロナウドにこの日2点目のゴールを決められ、これでグループリーグの行方は決した。

 準優勝した南アW杯から2年。ほぼ変わらぬメンバー、スタッフで戦ってきたため、オランダはこのユーロでも優勝候補の筆頭に挙げられた。だが結局、力を何ら発揮することなく大会を去ることになった。

 ビッグネームが個の力で打開しようとするものの、そこには連携も戦術もなく、チーム内外で指揮官の求心力不足も露呈した。さらにその豪華攻撃陣も、円熟期とは言われるものの、メンバー構成にはマンネリ感がつきまとう。

「敗退の責任は私にある」と語った指揮官については、早くも辞任を求める声が上がっている。今回は18歳のビレムスが抜擢されたが、20代前半で国際経験豊かな選手の出現も必要だろう。2年後のブラジルW杯で上位進出を目標とするのであれば、なすべきことは少なくない。(スポルディーバ Web)




最新の画像もっと見る