「水仙十字院」は原神5番目の国フォンテーヌの孤児院だ。
今ではもう存在していない。
水没しているからだ。
彼らの人生は過酷で、苦難の連続だ。
2人はフォンテーヌの都市開発計画の犠牲になった者たちの遺児。
2人は開発計画に反抗した者たちと戦った側の遺児。
最初から対立する運命だったのかもしれない。
一番左にいるのがアラン・ギヨタン。
ファントムハンターの一員だったエマニュエル・ギヨタンの養子だ。
アランはフォンテーヌが誇るクロックワークマシナリーの生みの親になる。
だがその晩年は自分の工房に閉じこもる孤独を選んだ。
アランの隣にいるのが妹のマリアン・ギヨタン。
少年たちの淡い憧れ的存在。
兄と共に科学院にいたが、やがてマルショーセファントムに入り戦死する。
(マレショーセファントムの前身機関がファントムハンター)
一人置いて紫の上着を着ているのがジェイコヴ・ベイカー。
父のエドワルドは悪名高い銅パイプを片手にポワソン町を守った。
「日の当たる場所は彼らのもの、サーンドル河は我らのもの」
彼の作った組織は、その死後も受け継がれていく。
一番右にいるのがルネ・ド・ペトリゴール。
ポワソン町の町長ルノー・ド・ペトリゴールの息子だ。
父はサーンドル河の整備に反対して逮捕され、砂漠への流刑を言い渡された。
だがルノーとエドワルドは砂漠への護送途中で仲間に救い出される。
そしてポアソン町を占拠していた執律庭のメンバーを人質に取った。
彼らの要求を伝える交渉人になったのが記者のカール・インゴルドだ。
反乱は鎮圧され、インゴルドは後にルネとジェイコヴの養父となる。
争いと自然災害の犠牲になった孤児たちの為に建てられたのが「水仙十字院」
院長には人の形をしていない純粋精霊リリスが指名される。
(写真の後部に写っている白と水色の生物)
注:純粋精霊は原神初期から水元素キャラクターを育成するために必要な素材を
得るために戦わされる難敵だ。
多くのプレイヤーが純粋精霊ローデシアに泣かされている。
氷元素の弓キャラ甘雨(かんう)を入手するまでは。
純粋精霊にも頭脳の優劣はあるようで、ローデシアはトップクラス。
リリスの能力は中の下、なので孤児院の院長が適当な職場だったらしい。
だけど心は優しい院長だ。
(優秀な純粋精霊は短期間とはいえ人の形になれる)
そして子供たちの中央に立っているのが副院長のバゼル・エルトン。
彼女は軍人だったが引退し、子供たちの世話をする仕事に就いた。
彼女の作るケーキは罰ゲームのような味だったが、多分努力したのだろう。
のちには子供たちの楽しみなるまで腕を上げている。
だがカーンルイアの滅亡の際に出現した漆黒の魔物はフォンテーヌも襲った。
バゼルは軍に召集され、旗艦スポンジア号の艦長となる。
「必ず帰ってくる」と約束したバゼルだが、戦死して帰らぬ人となる。
このことは子供たちの心に深い傷を残し、のちの悲劇へとつながる。
アランとルネはいわゆる「天才」だった。
アランはクロックワークマシナリーの開発で成功者となる。
だがルネはダーリ遺跡で見つけたものから「世界式」を完成させてしまう。
その「世界式」は何度計算し直しても、人類の滅亡を示すものだった。
ルネは世界と人類を救うための研究に没頭する。
そして次第に間違った道に進んでいく。
人間の姿すら捨てNarzissenkreuzと化した彼が最後に見たものは・・・
「世界式」を唯一変えることのできる変数「旅人」だった。
親を亡くし、孤児となり、孤児院で暮らすのは決して幸せなことではない。
だけど優しい純粋精霊リリス院長、お菓子作りの腕を上げた副院長バゼル。
そして仲のいい友人たち。
水仙十字院で過ごした日々は、彼らにとって幸せな時代だったのかもしれない。
注:Narzissenkreuzはドイツ語で水仙十字のこと
ここだけ英語表記ではなかったし、日本語の表記がどうなってたか
忘れたので(多分ナルツィッセンクロイツ?)