あさちゃんの懸賞日記

日々の出来事や、懸賞生活について書き綴ってます。

月の輝く夜に

2012-09-24 21:29:20 | 小説
氷室冴子先生の新刊です♪
と言っても既にお亡くなりになっているので新作ではありません。
以前誌上で発表してまだ本には未収録だった表題作と、「ざ・ちぇんじ上下巻」、「少女小説家は死なない!①②」「クララ白書番外編」を1冊にまとめたもので物凄い分厚い本です。
辞書みたい~(汗)

「ざ・ちぇんじ」や「少女小説家は死なない「クララ白書」は中高生の頃読んだ懐かしい作品だったのですが、表題作「月の輝く夜に」はちょっと様子の違うお話でした。
下級貴族の娘貴志子(17歳)は、親子ほどに年齢の離れた恋人有実(はっきり書いては無いのですが30代後半くらい)から宮中に女御として入内前の娘晃子(15歳)を預かってほしいと頼まれて断りきれず引き受けてしまいます。
様々な人間の思惑や恋や野心が入り乱れる中、貴志子が真に愛していた男とは・・・。

平安時代を舞台にしたラブコメディで、今までちょっと敷居の高かった古典が楽しいものであることを私たちに教えてくれた氷室作品。
今読んでも楽しく当時を思い出しますね~♪
でもこの「月の輝く夜に」は、楽しいだけじゃなく考えさせられる作品でした。

ほんと平安貴族の恋愛って完全に女の人は受動的で、年頃になると顔を見たこともない男性から手紙等のアプローチを受けるんだけど、自分から好きになってアプローチする機会なんて皆無なんだよね~(汗)
寺社に参詣するときくらいかな~誰かと偶然の出会いがあるとすれば(汗)
また男性側からしても女性の背景(実家がお金持ちとか上級貴族であるとか)や、噂で容姿が優れてる等と聞き興味を持って近づいていくものでいざ蓋を開けてみたら末摘花のようなことに成りかねない大変さがあっただろうしね~。

「月の輝く夜に」は、決して普通のハッピーエンドなお話ではありませんが、味わい深いお話でした。
ほかの収録作品も面白いし、お勧めです♪



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