美術コースブログ

八戸工業大学第二高等学校美術コースの公式ブログです

美術の分野と仕事

2009-02-27 14:16:39 | コース情報
現代社会においてアートやデザインは必要不可欠なものになっています。TV、映画、CM、広告、雑誌、車、家電製品、建築物からWebデザインまで、生活をとりまくあらゆるシーンで、多くのアーティストやデザイナーたちが今日も活躍しています。今回は美術の様々な分野とその仕事について紹介します。
美術を大きく分けると、ファインアート(純粋芸術)とデザインの分野になります。




【アート系の分野】

◆油彩
油絵の具でキャンバスに描く油彩ですが、表現方法は平面からオブジェ・立体・イタンスレーション・映像まで多岐に渡ります。
◆日本画
膠(にかわ)を基本として、和紙・岩絵の具・顔料・墨・箔などを使って描く、日本の伝統的な表現です。
◆版画
木版画・リトグラフ・シルクスクリーン・銅版画、写真製版など多様な版種による表現があります。
◆彫刻
土・金属・石・布・プラスティックなどの素材を用いて作品を作ります。

◎アート系の仕事

画家、イラストレーター、絵本作家、絵画修復、版画工房、ゲームソフト制作会社、映像クリエイター、美術教師、美術教育の指導者(カルチャースクールや予備校の講師)、美術館や博物館の学芸員等。また一般企業、広告代理店にデザイナーとして勤めることも多くあります。
彫刻であれば空間芸術、3DCG、テレビの舞台美術、モデリング全般(フィギュア、自動車、玩具等)の仕事もあります。





【デザイン系の分野】

◆グラフィックデザイン
ポスター・雑誌広告・新聞広告・パッケージ・イラストレーション・アニメーション・写真・エディトリアルデザイン・タイポグラフィ・3Dデザイン・CG・CIなど。
◆映像デザイン
テレビCM・音楽PV・ゲームソフト・フィルム・アニメーション・Webデザイン・3DCGなど。
◆情報デザイン
インターネットのコンテンツなど、デジタル環境内のデザイン全般。
◆プロダクトデザイン
車、家電製品、文具、食器、パソコンなどから、電車や船舶、工作機械など大型のものまで、工業生産されるものはインダストリアルデザインと呼ばれます。
また、陶芸・ガラス・金属・漆・木などの素材を用いて、手作りで作品を作る分野もあります。
◆テキスタイルデザイン
繊維を使用するあらゆるデザイン活動の領域で、ファッション衣装から建築空間など。
◆インテリア・空間デザイン
家具・ショップインテリア・ウィンドーディスプレイ・ランドスケープデザイン・環境デザインなど。
◆建築・環境デザイン

◎デザイン系の仕事

◆グラフィック・映像・情報デザイン=
広告代理店・印刷会社・新聞社・出版社・放送会社・音楽業界・イラストレーター・カメラマン等の個人事務所・一般企業デザイン制作部(映像・CM・デジタルコンテンツ・アニメ・パッケージ・ゲームソフト



◆プロダクトデザイン=
一般企業デザイン制作部(自動車・オートバイ・オーディオ・家庭電化製品全般・情報機器・設備機器・医療福祉機器・また個人で作品を作る陶芸や木工芸などもあります。





◆テキスタイルデザイン=
ファッション、テキスタイル(布地・生地のデザイン)、パタンナーなどのアパレル系など)



◆建築・環境・空間・インテリアデザイン=
建築家・空間デザイナー・住宅設計・都市計画・インテリアデザイナー・ショップインテリア・ウィンドーディスプレイ・ランドスケープデザイン・環境デザインなど



◎その他の仕事

◆漫画家、カメラマンなども美術的な才能が必要な分野です。専門の学科を設けている美術大学もあります。

銅版画の世界

2009-02-19 12:19:32 | 授業・作品


美術コースでは2年生の後期から、専攻別の授業を行います。
グラフィック・プロダクトなどデザイン系の分野と、絵画・彫刻など純粋美術の分野に分かれます。
デザイン系の授業ではグラフィックデザインの演習や平面構成などを、美術系の授業では油彩や木炭デッサンなどを行います。
そして現在、美術系では銅版画の授業を行っています。
写真は過去に制作された生徒作品です。





銅版画は金属の板に溝を作り、インクを詰めて刷る凹版画です。
様々な技法がありますが、主なものを紹介します。

①ドライポイント
銅版をニードル等で引っかいて描き、出来た溝で凹版を作ります。
②エッチング
銅版にグランドと呼ばれる皮膜を塗ります。ニードルなどで引っかいて、グランドを剥がしながら描きます。それを塩化第二鉄などの腐食液につけると、グランドを剥がしたところだけが腐食されて溝になります。腐食時間によって線の濃淡を微妙に調節出来ます。
③アクアチント
版に松ヤニの粉を振りかけ熱で定着させます。松ヤニが付着した部分が、腐食を止める役割をします。エッチングなど線で描く技法に対して、広い面積を腐食させることが可能です。淡いグレーから黒まで幅広い明暗を作ることが出来ます。
④メゾチント
版にあらかじめ細かく密集した線を引いてヤスリのような面にします。そのまま刷ると真黒な画面になります。表面の凹凸を削りながら描き、暗い画面から明るく描き起こしていく技法です。

今回は主に②、③の技法を使って制作しています。





日頃は鉛筆や絵の具で絵を描いていますが、銅版画など別の技法や素材に触れることで、表現の幅が広がります。




作品紹介④ 1,2年生

2009-02-06 14:51:22 | 授業・作品
 今回は1,2年生が授業で制作した作品を紹介します。

 日本画の授業で1年生が描いた作品です。雲肌麻紙という紙に、岩絵の具で背景を描き、モチーフは「顔彩」と呼ばれる絵の具で描いています。「サイズはF6号(41×32cm)です。






 2年生が日本画の授業で描いた花の絵です。2年生になると全て岩絵の具で描き、本格的な日本画制作を学びます。サイズはF8号(46×38cm)です。






 1年生が静物を水彩絵の具で描いた作品です。サイズはB3サイズ(36×52cm)です。正確な形態と色彩の把握を目指します。






 1年生の静物水彩を踏まえて、2年生が静物を油彩で描いた作品です。サイズはF15号(65×53cm)です。バックも含めた全体の空間を意識して描きます。





1,2年生の授業では、しっかりと観察して描写する基本を重視しています。