美術コースブログ

八戸工業大学第二高等学校美術コースの公式ブログです

銅版画の世界

2009-02-19 12:19:32 | 授業・作品


美術コースでは2年生の後期から、専攻別の授業を行います。
グラフィック・プロダクトなどデザイン系の分野と、絵画・彫刻など純粋美術の分野に分かれます。
デザイン系の授業ではグラフィックデザインの演習や平面構成などを、美術系の授業では油彩や木炭デッサンなどを行います。
そして現在、美術系では銅版画の授業を行っています。
写真は過去に制作された生徒作品です。





銅版画は金属の板に溝を作り、インクを詰めて刷る凹版画です。
様々な技法がありますが、主なものを紹介します。

①ドライポイント
銅版をニードル等で引っかいて描き、出来た溝で凹版を作ります。
②エッチング
銅版にグランドと呼ばれる皮膜を塗ります。ニードルなどで引っかいて、グランドを剥がしながら描きます。それを塩化第二鉄などの腐食液につけると、グランドを剥がしたところだけが腐食されて溝になります。腐食時間によって線の濃淡を微妙に調節出来ます。
③アクアチント
版に松ヤニの粉を振りかけ熱で定着させます。松ヤニが付着した部分が、腐食を止める役割をします。エッチングなど線で描く技法に対して、広い面積を腐食させることが可能です。淡いグレーから黒まで幅広い明暗を作ることが出来ます。
④メゾチント
版にあらかじめ細かく密集した線を引いてヤスリのような面にします。そのまま刷ると真黒な画面になります。表面の凹凸を削りながら描き、暗い画面から明るく描き起こしていく技法です。

今回は主に②、③の技法を使って制作しています。





日頃は鉛筆や絵の具で絵を描いていますが、銅版画など別の技法や素材に触れることで、表現の幅が広がります。