あろてあろあ日記

単なる日記です。特にテーマもありません。
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家裁修習終了-男はつらいよ

2007-03-15 | Weblog
本日で家事事件の修習を終了し,家裁修習が終了しました。


本日も離婚調停(夫婦関係調整)を傍聴しました。


これまで傍聴したものと同じで,しっかり妻がダメ夫に離婚を申立てた事件です。

夫婦とも30代後半で,それほど若いわけではありません。

しかし,夫が仕事に失敗し(?),落ち込み,不安を紛らわすためにギャンブルにのめりこみ,借金を抱え,妻が三行半を突きつけました。

夫は離婚したくないというものの,それは妻や子を愛しているというより,さびしさ・不安や,プライドから来るものとうかがわれ,調停を重ねていくうちに,離婚自体には応じていくものと思われます。



一緒に立ち会った調停委員の方によると,江戸時代から離婚の数は多かったそうです。

最近は質が変わった,あまりにも男性がひ弱だ,とのことです。

昔は,夫は外で働き,妻は家庭を守るという役割分担の下,夫婦間の経済力の差は大きく,妻が我慢することで,離婚せずにいられました。

しかし,いまや,共働きが当たり前になり,男女間の収入格差も縮まり,年金分割もなされる時代ですから,もはや経済力の面で夫の威厳を示すことができなくなりました。

そうなると,精神面で夫がしっかりしなくてはならないのですが,少子化の下,親に甘やかされた男の子は,大人になっても,親掛かりで,今日の事件の夫は,親に借金を返してもらい(その後再度借入れ),別居後は親にパラサイトし,前の調停期日には親が来たこともあったそうです(前述の通り,20歳前後のなんちゃって婚ではありません,30代後半です!)。



別にも書きましたが,離婚調停に来るのは,夫婦ともダメダメ,妻はしっかり・夫はダメダメがほとんどで,夫はしっかりしているが妻はだめな夫婦は少ないようです。


先ほどの調停委員の話も含めて,男に要求される水準は経済面のみならず精神面にも高度なものが要求され,家事事件で学んだのは,『男はつらいよ』と言ったところでしょうか。
結婚が怖くなったという修習生もいます




修習は,短期間でどんどん環境が変わり,日々それなりの水準が求められ,後期修習の準備やその先の弁護士活動も視野に入れなければならない中で,時にくじけそうになります。

ですが,家裁修習で,家庭の問題をいろいろ見てくると,一人の大人の男として(女もそうですが),ホント,しっかりしなくてはならないな,と改めて思った修習でした