穭田や三角ベース今いずこ
季語 穭田(ひつじだ) 稲を刈った切株から、また新しい茎が生えることを「ひつじ」といい、それが田一面に生じているのが穭田である。放っておくとその穭が花をつけ痩せた穂が出ることがあるが、多くは実のない籾である。わびしい印象の風景である。
掲句 戦後数年。農村地帯の子どもたち(小学生)は稲刈りの済んだ広々とした穭田で思いっきり野球をして遊んだ。少人数なので、一塁・二塁・ホームベースしかない内野と、その延長線上の外野のグラウンドである。人数によってルールはその都度かわる。そんな子供の時の野球を思いだした。
例句 穭田は人通らねば泣きに来し 高野素十