17音の記録 やぶにらみ

気が向いた時の記録

 俳句・無季の句 川柳と 関連記事

牡丹園

2023-05-31 05:14:08 | 日記
相応しき名前が並ぶ牡丹園

季語 牡丹園 牡丹の傍題 中国原産のボタン科の落葉低木。平安時代初期に薬用植物として渡来して寺院に植えられた。庭園で栽培し一般に観賞されるようになったのは江戸時代から。丈一、二メートルで葉は羽状の複葉。四、五月に梢上に径十数センチの五から十弁の花を一つ咲かせる。原種は紅紫だが改良が重ねられ、黒紫、淡紅、白、紫、絞りなどの色を呈して咲く様は豪華で重弁、単弁とも品種は多い。華麗さと気品で「花の王」ともいわれるが、散り際の姿ははかない。歳時記抜粋。

例句 美服して牡丹に媚びる心あり  正岡子規

行々子(ぎょうぎょうし)

2023-05-30 08:34:55 | 日記
雨雲にボートが急ぐ行々子

季語 行々子 葭切の傍題 スズメ目ウグイス科の夏鳥。大葭切と小葭切の二種類あるが、ふつう葭切といえば大葭切のことを言う。体長は18cmほど。背中が灰褐色で胸は白っぽい。五月初めに日本各地の川原や湖沼などの湿原に飛来し繁殖期の間、雄はギョンギョンと賑やかに囀る。この鳴き声から行々子とも呼ばれ、鳴き声は夜間にも聴くことがある。葭(葦)の茎で巣を作るので葭切の名前がある。郭公がこの巣に托卵することはよく知られている。

例句 能なしの眠ぶたし我を行々子  芭蕉




蛇の皮

2023-05-29 07:23:33 | 日記
蛇の衣何も残さぬ漢かな

季語 蛇衣を脱ぐ(へびきぬをぬぐ)の傍題。の傍題 蛇が脱皮して抜け殻を残すこと。蛇は成長して体が大きくなるごとに脱皮して殻を残す。栄養が良ければ蛇は年に何回も脱皮するが、梅雨明けの時期には蛇の活動が活発になり、脱皮も多く、抜け殻も目立つために江戸期から夏の季語になった。歳時記抜粋。

掲句 取り合わせの句

例句 御仏の膝の上なり蛇の皮  一茶

夏祭り

2023-05-28 08:11:10 | 日記
裃の知事が手をふる夏祭り

季語 夏祭り 祭の傍題。古くから、四月中の酉の日に行われる京都の加茂神社の加茂祭を単に「祭」とよぶが、連句俳諧ではこの祭り以外の夏の祭りも「祭」とよび、春祭・秋祭と区別している。春や秋の祭りは農作物豊穣の祈願や感謝のためのものが殆どだが、夏の祭りは疫病や水害その他の厄災からの加護わ祈るものが多い。祭りといえば神輿の渡御と山車やだんじりの巡行が目立つが、神輿や山車は祭神の出御のために行うもの。イベントや商店街の催し物などを祭りとよぶ所が増えたが、当然のことながらこれらは季語とはならない。

例句 近道をくるは地の子ら夏祭り  中村勝臣

薔薇園

2023-05-27 10:37:00 | 日記
片仮名の名札が目立つ薔薇の園

季語 薔薇園 薔薇の傍題 バラ科バラ属。薔薇といえば豊麗で香り高い花を咲かせる西洋薔薇を指す。切り花として年中栽培されるが花時は本来、初夏五月。花の色も形もとりどりだが、薔薇色といえば薄紅。幹や枝に鋭い棘がある。江戸時代の園芸書には「ろうざ」の名が見え、当時すでに日本に渡来していた。
歳時記抜粋。

例句 薔薇園の薔薇整然と雑然と  須佐薫子