二月尽 2023-02-28 08:20:30 | 日記 庭土のふっくらとして二月尽季語 二月尽 二月の尽きること。ようやく寒気もぬるみ春の訪れを肌で感じる頃である。近代以後に用いられるようになった季語だが、寒さからようやく解放された安堵感を表す。冬の間休眠していた動植物は活動を再開する。梅見の盛期で、各地の梅林は人で賑わう。街の花壇は葉牡丹から三色菫に変わり、鋪導を歩く女性の春の装いも本格化する。山はまだ枯色だが、足許には草が萌えそめ、いぬふぐりが咲き、土筆や蕗の薹が顔を出している。歳時記抜粋。例句 束の間のかげらふ立てば二月尽 森 澄雄
三椏の花 2023-02-27 03:43:21 | 日記 ミツマタの花寂しげに下を向く季語 三椏の花 中国南部からヒマラヤにかけて自生する落葉低木。ジンチョウゲ科ミツマタ属。高級和紙の原料として渡来した。三又状に枝分かれしていくことが名前の由来である。筒状の白濁黄色の小花を球状に集めて下垂状に咲く。葉に先立って咲く淡黄色の花は目立つような華やかさはないが、趣のある花として好まれている。。 歳時記抜粋。例九 三俣の花雪片にの飛べる中 山口青邨
春帽子 2023-02-26 08:39:51 | 日記 展示物を入れ替えて混む春帽子季語 春帽子 春になってかぶる帽子。防寒用の冬帽子や強い日光を遮るための夏帽子は実用性が高いものであるが、春帽子はややフォーマルな装飾品といえる。洋服にマッチした色や形の洒落た帽子には春の日差しを喜ぶ女性のうきうきとした心が表れている。歳時記抜粋。 デパート等の商業施設。美術館等の文化施設等のイベントなどへの参加する人々を詠んだ。例句 娘と二人弁当開く春帽子 熊谷彰子
鳥帰る 2023-02-24 09:08:03 | 日記 北国の戦は止まず鳥帰る季語 鳥帰る 秋冬に渡って来て日本で越冬してきた冬鳥が春に北方の繁殖地へ帰ることをいう。鶴・白鳥・雁・鴨などの大型のものから、鶫・ひわなどの小型のものまで種類は多い。整然と群れを組んで帰る大型の鳥たち。賑わしく大群をなして一気に帰っていく小鳥たち。その形態は様々であるが、いすれもこれからの長旅とその後の繁殖期に備えて十分に体力をつけた鳥たちであろう。掲句 今日でウクライナでの戦争が始まって一年になる。未だに終戦の兆しはない。それを知ってか知らずか冬鳥は帰っていく。戦争反対。例句 鳥帰るいづこの空もさびしからむに 安住 敦
茂吉の忌 2023-02-24 08:13:57 | 日記 茂吉の忌北前船を偲びけり季語 茂吉忌 二月二十五日。歌人斎藤茂吉の忌日。明治十五年山形県生まれ。精神科医。歌人としては伊藤左千夫に師事。大正二年刊の「赤光」は歌壇を越えて広く注目された。子規の写生論を茂吉流に継承し、「実相に観入して自然自己一元の生を写す」という立場をとった。昭和二十五年文化勲章二十八年没七〇歳。歳時記抜粋。掲句 茂吉の墓地は茂吉が戦時中に疎開した山形県大石田町の乗船寺にもある。大石田町には江戸時代、北前船の船の関所があり大いににぎわった。例句 茂吉忌や最上川恋ふ母は亡き 石渡穂子