17音の記録 やぶにらみ

気が向いた時の記録

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目借時

2017-03-29 12:06:50 | 日記
目借時
爪切って手足さみしき目借時   鷹羽狩行
無口なる床屋カエルの目借時      拙

春の暖かさは眠気を誘うが、わけてもカエルの声が聞こえるころになると、うつらうつらと眠くなる。俗に蛙に目を借りられるからといい、このころの時候を目借時といった。   歳時記

草萌ゆる

2017-03-27 11:57:29 | 日記
草萌ゆる
おちついて死ねそうな草萌ゆる   種田山頭火
トテ馬車や判官館に草萌ゆる       拙

トテ馬車 平泉の観光馬車で御者が吹くラッパの音から命名された。
判官館 義経が平泉で過ごしていた館 ここに芭蕉の奥の細道へ引用された杜甫の国破れて山河ありで始まる一文がある。

風車

2017-03-26 11:26:53 | 日記
風車
父がまづ走つてみたり風車    矢島渚男
不器用は我に似てをり風車      拙

今は風車で遊んでいる子供は見受けない。50年ほど昔のことを思い出した。子供向けの店で竹製の手持ちの風車を売っていた。 それを買って手に持ち駆けだせば勢いよく回る。または手にもって振り回してもまわる。疲れたら口で拭いても回る。要は風にさえ当てれば回る単純な玩具である。小学校の中学年になれば、自分でも作れる。親が子供へ作ってやったり、合作するすることもある。この季語が春にあるのは春風に遊ぶ子供も多く、春風駘蕩の季節だからかもしれない。