十薬

十薬
　十藥の匂ひに慣れて島の道　　稲畑汀子
　十藥を残して進む草むしり　　　　拙

　昔から薬草として重宝され、薬効のおおいことから十薬と言われた。最近は使うことが少なくなったの　で、花が終われば除草の対象とされる。

撫子

撫子
　撫子や波出直してやや強く　　香西照雄
　なでしこを語りてよりの仕事かな　　拙

　撫子は秋の季語であるが、なでしこは日本代表の女子チームを指す。今朝　五時よりの試合で相手国はオーストラリア　以前より強豪と噂があり試合相手と決まってから必勝を期して練習を重ねた選手を初め関係者の努力は勿論、国民すべてが関心をもって見つめて来た。
試合は予想通りに一進一退の好ゲーム。終了間際の一ゴールでなでしこの勝利で終わった。
次回は準決勝だが、相手国はまだ決まっていない。ぜひ決勝へ行ってほしい。

梅雨

梅雨
　焚火してもてなされたるついりかな　　白雄
　ナイターの中止続々つゆに入る　　　　　拙

　九州地方では連日の豪雨で被害を受けられた。東北南部では平年より二週間・昨年より三週間送れて
昨日 梅雨入りをした。夏の夜の楽しみにナイター観戦があるが、地方ではプロ野球公式戦を観る機会が
少ないので待ち遠しいイベントだ。屋根付のドームが無いので、小雨決行の試合が多いが長雨ともなれば中止になる。今日は朝からの雨　ナイターの中継も中止のニュースがテレビより流れてきた。　

猫の子

猫の子
　百代の過客しんがりに猫の子も　　　加藤楸邨
　店番の子猫が眠るユニフォーム　　　　　拙
　
　和歌山電鉄の貴志駅の名物駅長「たま」が16歳で天寿を全うした、観光の目玉となりアジアからの客が急増していた。欧米のテレビの取材もあったという。　駅長の帽子をかぶり来客に挨拶をするする姿は微笑ましい。

夏座敷

夏座敷
　行く雲を寝てゐて見るや夏座敷　　　野坡
　本来は無一物なり夏座敷　　　　　　　拙

　多湿の室内を住みやすく広々とするため工夫をした夏座敷だが、梅雨前となれば二の足を踏む。
しかし、梅雨末期はいつになるかしれないが、わがあばら屋は年中 夏座敷同然なので短時間で変換できる。開け放たれた部屋にテーブルが一つ。緑の風に蝉の鳴き声をながらの午睡が懐かしい。