TBドラマ小説発起人のd-popより一言
この度はTBドラマ小説にご参加いただきありがとうございました。
参加者
あくあ様/しろねこ様/すみか様/sozoro様/あげは様/カオリ様/紗雪様/ともっち様
また、お読みいただいた全ての方にありがとうと感謝の気持ちでいっぱいです。
活字離れが進み、国会では「文字・活字文化振興法案」なるものが審議・可決される状態です。
別に皆さん本を読みましょうなどと言うつもりは毛頭ありませんが、例えばこのTBドラマ小説でこういうのも面白いなと思ったら是非皆さんもやってみてください。
そして本を読んでみてください!って本を読んでって結局言ってるじゃん・・・。
とまあ挨拶にもなっておりませんが、第1章を皆様のおかげで無事に終える事が出来ました。ここで第1章丸々読めるように致しましたので是非ご覧ください。
またもう間もなく第3章が終了する次第でございます。こちらもどうぞご期待ください!
それでは第1~2章、お楽しみくださいませ。
「これはTBドラマ小説です」
『あの日 あの時 あの場所で 君に会えなかったら』
小田和正で‘ラブストーリは突然に’をお送りしました。
「ドラマチックな恋」をテーマにメッセージを募集しています。採用された方の中から抽選で素敵なプレゼントを差し上げます。 とカーラジオから文字が流れてきた。
ラブストーリは突然に、そんなのドラマの中だけだと思う。
実際20年生きてきたけれど突然恋に落ちるなんてなかった。いや、それが普通なのだろう。
ドラマだったら湘南の海岸線を車で走っていたらかわいい娘と出会ったりするのだろうけど、現に今こうして走っているがそんな出会いはないようだ。まあ夏になれば裸同然のような格好をした女の子を毎日拝めるのはありがたいのだが・・・。
「ヘイ、彼女。オレの車に乗っていかない」って声を片っ端からかければいいんだよ。簡単な事さ。と言うこいつは僕の友人。
ちょっとズレてるところがある。ナウいと言う言葉に愛着がある
佐久間 和幸(サクマ カズユキ) 僕は吉野 晋一(ヨシノ シンイチ)
「その前に、コンビニでもよっていかない?」
さっきからトイレに行きたいのを我慢してたんだ。
「シン。早く言えよ。通り過ぎたよ」
「うるさいよ。俺がタイミングが悪いのしってんじゃんか」
「あー・・・彼女ね」
あれは、カズが悪い気がする。彼女が俺に気がありそうだって言うから、あの日告ったんだ。
そうしたら、彼女は前の日にめでたく他の人と付き合うことになってたって。これこそドラマじゃん。
しかも、俺は主役じゃないじゃん。おいしくない。そんな人生もう嫌だよ。
コンビニに慌てて駆け込み用をすますと、携帯が鳴った。
「コーラ買ってきて」
はいはいはい。コーラね。その前に手を洗わせてくれ。
思えばあそこに携帯を俺が忘れてこなかったら。
彼女ナシ&甲斐性ナシの俺でも、真夏の海岸線に携帯が似合わないことくらい分かってる。
無意識のうちに、目の前に広がる蒼にとらわれていたんだろう、その存在を忘れていた。
気付いたのは、カズと別れてからだった。
アパートの扉の前で鍵を出そうとして、ジーンズのポケットに手をやった時
「あ…」と、声になってない言葉が途切れた。
何処で?車中か、コンビニか、サービスエリアか。
帰りに寄ったTATSUYAのAVコーナーだけは勘弁だな。
カズに家から電話した。車の中にはないと言う。
俺は自分の曖昧な脳味噌を掻き混ぜるより、もっと簡単な方法を選んだ。
親切な極上の天使が拾ってくれていることを期待しつつ、自分の番号を押す。
無機質なコールは7回目で途切れ、寝起きのような不機嫌な低音が耳元で響いた。
「…………はい?」
悪魔かも、しれない。
「あたし帰るわ。じゃ。」
「ちょっと、ケイ!」と、焦って呼び止める亜沙子のほうを振り向きもせずに、私は宴会場と化した浜辺を一人、あとにした。・・頭が割れそうだ。
「花火でもしようよ。」・・・そう言って、近くにあったコンビニに出かけていったどっかのアホが肝心の花火を買い忘れ、ビールだけを手に戻ってきたのが2時間前。
それからひたすら飲んでいたのだから、こうなるのも無理はない。
コンビニ・・・何かに憑かれているかのように、店に入るなり、一直線にトイレを目指した。
吐きそう・・・と、すでにカウントダウンが始まっていた私の目の前で、誰かの携帯が鳴りだした。放っておけば止まるだろう・・と思っていたのだが一向に止まない。
・・・ちっ、うっさいわねっ!!
「…はい?」電話に出る声も、苛立ちで自然と言葉の語尾があがる。
すると、電話の向こうで、かすかに物音が聞こえた。
「...あ、もしもし」
しばらくして電話の向こうで声がした。男の声だ。
「はい?」
「あ、す、すみません。俺、いや僕、ヨシノと申します」
コンビニのトイレにあった知らない携帯に電話をかけてきた男は、何と勝手に自己紹介を始めた。
ワケの分からないシチュエーションに困惑しつつも、さきほどまでの吐き気はどこかに吹き飛んでいた。
「あの...ですね、今あなたが手にしている携帯は、実は僕の携帯なんです」
ははん!...私はピンときた。
つまり、このヨシノ某はここに携帯を忘れたのだ。しかし、どこに忘れたのか思い出せないので、マヌケにも自分の携帯に電話している...そんなところだろう。
私は少しだけ、この誠実そうなヨシノという男に興味を覚えた。
軽薄で頭の悪い同級生にはもうウンザリだ。
「で、今から取りに行きたいのですが、そこはどこなんですか?」
私はちょっと意地悪がしたくなった。
「どこにあるのか当ててみなさいよ。当たったら、私があなたの望むところに届けてあげる」
「さあ、どこだと思う?ヨシノさん。」
答えに困って沈黙する彼を、急き立てるように私は問いかけた。
「あ、えっと・・・、コンビニかサービスエリアのどちらかと思うんですけど・・・」
「二つも答えるなんてダメ。それじゃ、届けられないわ。」
真面目に答える『ヨシノ』に私はますます意地悪に言ってしまう。
「あの、すみません・・・、僕本当に取りに行きますから、教えてもらえませんか?」
私は少し困ったように話す『ヨシノ』とのやり取りを、楽しみ始めていたんだと思う。
だから、
あんなふうに言ってしまったのは本当に勢いで、
きっといつもとは違う自分に少しなってみたくて、
「そうねぇ、取りに来るのなら1時間だけここで待っててあげる。
あたし、ケイ。 さぁ・・・どっちでしょう?
待ってるわ、『ヨシノ』さん♪」
そう言うと、私は一方的に電話を切った。
きっと今頃慌てているだろう『ヨシノ』のことを考えると、
彼に少し悪い気もしたが、私はこんな展開に胸を弾ませていたんだ。
ヨシノさんねぇ~。
声からすると同じくらいの歳かな。
ヨシノクンか。。。
どんな子かな?ちょっとオドオドした感じが
もしかしたらオタクっぽいのかも。
それにしてもありえない。
ハシャギすぎる亜沙子も美樹も遥も、しばらく会ってないユウヤも。
大学4年の夏だというのに、1個も内定をもらえていないのはアタシだけ。
みんなは文句を言いながらも、1社は押さえておきながら、まだ就活を続けている。
汗の染み込んだリクルートスーツは、もう見るのも嫌。
黒いパンプスも脚が痛くなるだけ。
ユウヤは早々と希望の会社から内定をもらい、
それ以来バイトに明け暮れ、その先の女子高生とすっかりデキてしまったらしい。
その報告と別れの意思は、メールであっさりと伝えられただけだ。
3年間彼氏彼女の関係でいたのは同じ環境だったから。
社会人になることが決まったユウヤには、アタシは必要のない存在になった。
いいことなんてなさそうな夏。
プチッ ツー ツー ツー・・・・無常に響く電話の音。呆然とする俺。
「・・・あ゛~っ!くっそぉ。なんなんだよぉぉ、あのオンナ・・・。ありえねぇ・・・。」
頭を掻き毟り、その場でしゃがみこんで溜息をつく。
こちらが下手に出てるのをいい事に、
場所を当ててみろだの、一時間以内に取りにこいだのって。
しかし、落ちてる場合ではない。とりあえず、携帯を取りに行かなくては。
もう一度携帯を鳴らして、彼女に場所を聞こうかと受話器を取ったが、
5秒程考えてやっぱり戻した。絶対に教えてもらえない気がした。
ケイとか言ったっけな・・・悪魔だ、やっぱり悪魔だ・・・。
ちくしょう、行ってやる。とりあえず一時間以内に、必ず行ってやる。
俺を小馬鹿にして試してるとしか思えないあの口ぶり。受けて立とうじゃないか。
間に合うか?どうなんだ?!時計をチラリと見る。自転車じゃ無理だな。
背に腹はナントカ。「すまんっ」と心で詫びつつ、兄貴のバイクを勝手に拝借し、飛び乗る。
サービスエリアか、コンビニ・・・。・・・さて、どっちだ?
加速したバイクを走らせながら、俺は今日一日の出来事をもう一度頭の中で反芻していた。
・・・・加速したバイクを走らせながら、俺は今日一日の出来事をもう一度頭の中で反芻していた・・・・
今日は「暇だから俺に付き合え!」とカズに言われるがまま、海までドライブに行ったんだ。
「俺に付き合え!」と言うのは口実で、失恋した俺を気遣って誘ってくれたって事、俺はちゃんとわかってる。
カズは口は悪いけど、友達思いの良いヤツなんだ。
まぁ、俺が失恋した原因の一つはカズなんだケドさ・・・
初夏の潮風は、俺の沈んだ心を癒すには充分だった。
隣では相変わらずカズが「女なんてモンはなぁ・・・」とか何とか言ってたケド・・・
それでその後、トイレをしにコンビニに寄って・・・
その時、カズから電話があったんだよな・・・
アレ?
そんで俺、電話をどうしたんだっけ・・・?
電話に出た後、手を洗って・・・
・・・・・・
あ~っ!!
コンビニだ!!
コンビニに携帯を置き忘れたんだ!!!
約束の時間までは後40分。
どうか間に合ってくれ!!
俺がコンビニに飛び込んだのは、制限時間ギリギリだった。
俺は慌てて店内を見回す。
客は3人。
その内女の子は・・・
一人だ!
窓際の雑誌コーナーで立ち読みをしている。
さっきまでは、ガツンと一発かましてやろうと思っていたのだが、
いざ目の前にすると、なんて声を掛けたらイイのかわからない。
だいたい、この子が本当にケイなのだろうか・・・?
俺がドギマギしていると、女の子と目が合った。
俺は思わず視線をそらしてしまった。
ツカツカと近づいて来る足音が、目の前で止まった。
「ひょっとして・・・ あなたがヨシノさん・・・?」
俺はソォっと視線を女の子の方に向けた。
ヤバイ・・・
超カワイイ・・・♪
「は、はい。携帯の・・・」
「遅かったじゃない!!で、ここまで何で来たの?」
「へ?あぁ、バイク・・・ですけど」
「こっから見えるあれ?で、何年乗ってる?」
「そうあれです。単車は兄貴のだけど、2…年くらいですかね」
「あ、そう。じゃあさ、行きたいとこがあるの」
「は?」
「うちすぐそこだから、メット取ってくるね、ちょっと待ってて」
「はぁ~?」
俺の経験上、顔がカワイイ女ってのは、突拍子もないことを言う傾向にあるらしい。
そして携帯を彼女が持ってる以上、逆らえない。
ってのは建前で、ちょっと流されてもいいかなという気分。
彼女が悪魔だとしても。
ケイ・・・名前しか知らない女の子と俺はどこに?
「お待ちどう。じゃ、この道右にまっすぐ。で、橋の信号を左。早く」
「携帯は・・・」
「はーやーくー!!!」
もう、どうにでもなれ。
ケイの言う道はただぐるぐると回るばかりだったが、
なんだか背中のぬくもりがさっきまでの勢いとは裏腹に優しい暖かさを伝えていた。
「その坂、登って」
いつの間にかケイの声からとげが消え、神社に向かう坂道は木々の合間から薄い月明かりをにじませている。
「ねぇ、止めて、ここね、思い出の場所なんだ」
そう言うとケイはゆっくりと歩き出し、足元に広がる街の灯りに眼を落とす。
どれくらいの時間が経っただろう。気がつけば小雨が降ってきていた。
「雨だよ。風邪、ひくから」
「うん」
何かを吹っ切るようにこちらを向いたケイの瞳が潤んでいたのは、雨に濡れたせいだったのだろうか。
雨宿りのために軒下に移動する頃には、ケイも俺も髪から雨の雫がほとりと滴り落ちていた。
軒下に避難しても、雨脚は一向に弱まる気配はなかった。
頬を伝う水の跡が、雨の所為なのか、それとも涙の所為なのかも分からない。
ただ、ユウヤとさえ来たことがない”この場所”に、
さっき出会ったばかりの男とこうしていることの意味を私は考えあぐねていた。
私がまだセーラー服を着ていた頃、そう全てが輝いていたあの夏...
あの人は言った。
『この神社の裏手ではね、昔は夏になるとたくさんの蛍を見ることができたんだって。今じゃここはおろか、限られた場所でしか蛍を見ることができない』
そう言うと、あの人は寂しげな眼差しを向け、はにかみながら私にこう言ったんだ。
『蛍(ケイ)、お前も自分の名前のように、俺がみつけることのできない遠い場所へ行っちゃう気がするよ』
「...嘘。いなくなったのは貴方の方じゃない...」
ふいに私の口から発せられた言葉に、ヨシノの身体が反応するのがわかった。
だけど私は、髪の毛から滴り落ちる水滴をただみつめているだけだった。
ヨシノの雨に濡れた手が私の方へそっと伸びていた。
その手を掴んで、こらえきれなくなった私は、その場でしゃがみこんだ。
小さな頃から、私の父と母は喧嘩ばかりだった。
二人の詰り合いの内容を、子どもだった私は初めは理解が出来なかった。
しかし、中学に上がる頃、家に帰らない日が多くなった父を見て、大体を察した。
たまにしか顔を合わせない父と母が始めるその喧嘩の声から
私は逃げる為に、いつからかこの神社に来るようになった。
ある日、いつもの様に神社の裏手に一人で座っていると、声がした。
「きみ・・・いつもここに来てるよね。」
顔をあげ、怪訝そうな目をやるとそこには、30代くらいだろうか・・・私の知らない男性が立っていた。
人の良さそうな優しそうなあたたかい眼差しと大きな体。
一瞬、警戒はしたものの、悪い人とは程遠い風貌であった。
「・・・学校は?うーん・・・今は・・・そうだな・・・ちょうど3時限目くらいなんじゃない?」私は黙っていた。
「言いたくない・・・か。ま、子どもにだって、そういう事もあるよな。」
そう言うと男性は小さく笑って、私と少し距離をあけて腰掛けて、ポケットから出したタバコにゆっくりと火をつけた。
「・・・・・。」
私は黙って、男のそんな姿を見つめていた。
「・・・ん?・・・吸うか?」
「・・・・す・・・吸うわけないじゃないですか・・・!」 私はジロッと男を睨む。
何者なんだ、この男・・・と思いながら。
「・・・そうか。そうだよなぁ。」 男は、またフッと小さく笑った。
「・・・ねぇ・・・・・お・・・おじさんも、サボり・・・?」
会話が止まって3分くらいだっただろうか、私は気まずさも手伝って、おそるおそる尋ねた。
「ふはっはっはっ・・・おいおい、"オジサン"は失礼だろう?これでも結構タフな男。"オイカワサン"って、ちゃんと名前で呼んで欲しいもんだ。」
「中学生から見たら、30過ぎてたら、充分オヤジよ。そ・・・それに、アタシは、もう子どもじゃないわ。」
失礼極まりない言葉を投げつけソッポを向いた私にも怯む事なく、彼は笑って言った。
「で・・・君の名は?」
セーラー服の赤いリボンが私の胸元で、夏風にそっと揺れていた。それが、私の14歳の夏の始まりだった。
『・・・変な人。』
そう思いはしたけれど、私はまともに自分の名前を答えてしまった。名前を聞く以外にこれといって何か詮索してくるわけでもなく、なんとなく雑談をした。
全く。変な人だ。
でも、このオイカワとか言う人と話しているうちに私はいつのまにかさっきまでモヤモヤしていた嫌なことも忘れてしまっていた。クラスの友達と過ごすのとは違っていて、なんだか楽になれた。学校は楽しい。友達も好きだ。
でも、ときどき悲しくなる。
楽しそうに笑っている同じ年の子供たちを見て、ふと思うのだ。
『なんで?どこが違うんだろう?どうして私だけ、こんななの?』『私も、本当は、普通に仲の良い家族に囲まれた幸せな暮らしがしたいのに・・。』・・と。
こんな風に思っているということも、私の家の状態も、誰にも言えなかった。
言うつもりもなかった。
だけど、誰かに頼りたかった。でも、頼れない自分がいた。だから、あんなに楽に、気を抜けたのは久しぶりだった。
『オイカワさん・・か。
出会いはいつも突然で、でもそれを一回性のものにしてしまうか否かは自分次第で。
「当たり前」を当然のことだと受け止めるクラスメイトと「当たり前」が普通に実感できない私とじゃ話が合わないのも当然でけれど今思えば何てマセた14歳だったんだろうと苦笑が零れる。
背伸びをしはじめた私と、背伸びに疲れたようなオイカワさんは七日後に神社で再会したのを機に、しばしば会うようになった。
石段に腰掛け、時折二、三段を軽く上り下りしながら話す内容は私のことが七割を占めた。急き立てるような蝉の声と、汗ばむ身体を包む木陰と、缶ジュースの甘ったるさと。いつしか、その密やかな対話を期待して神社に通う自分がいた。
それでも、次に会う約束は決して交わさない。会うことが「当たり前」になることが怖かったから。マセていたのは心の端っこだけで大人っていうのがどういうものなのか、知ろうともしなかったんだ。
・・また・・会えるかな?・・会えたらいいのに』
なんとなく、そう思い、その日、私は眠りについた。
「あの、さっきこの場所思い出って言ってたけどよかったら教えてくれないかな?
あ、でもその、言いたくなかったらいいんだけど。」
聞こえなかったのだろうか、反応がない。
「あ、ごめんなさい。
携帯返さなきゃ。ごめんねつき合わせちゃって。もうこんな時間だ。」
携帯のことなどすっかり忘れていた僕は彼女の一言で思いだした。
「あ、そうだった。携帯。そう携帯。そう・・・。」
「はい、コレ。本当にごめんなさい。あの、さっきのコンビニまで―――」
「うん。」
彼女が云わずとももちろんそのつもりだった。
俺は確かにタイミングも悪いし、女の子にモテない。
けど、こんな時間にこんな場所に女性を一人置いていくほど馬鹿じゃない。
モテなくてもそれぐらいはわかってるつもり。
このまま彼女と別れていいのだろうか?
今日会ったばかりだけど、はじめ悪魔かと思ったけど。けど。携帯を取りに来たことを忘れるくらい彼女の事が気になる。
あの涙は何を意味しているんだろう・・・。
背中に彼女を感じながらコンビニへとバイクを走らせた。
この度はTBドラマ小説にご参加いただきありがとうございました。
参加者
あくあ様/しろねこ様/すみか様/sozoro様/あげは様/カオリ様/紗雪様/ともっち様
また、お読みいただいた全ての方にありがとうと感謝の気持ちでいっぱいです。
活字離れが進み、国会では「文字・活字文化振興法案」なるものが審議・可決される状態です。
別に皆さん本を読みましょうなどと言うつもりは毛頭ありませんが、例えばこのTBドラマ小説でこういうのも面白いなと思ったら是非皆さんもやってみてください。
そして本を読んでみてください!って本を読んでって結局言ってるじゃん・・・。
とまあ挨拶にもなっておりませんが、第1章を皆様のおかげで無事に終える事が出来ました。ここで第1章丸々読めるように致しましたので是非ご覧ください。
またもう間もなく第3章が終了する次第でございます。こちらもどうぞご期待ください!
それでは第1~2章、お楽しみくださいませ。
「これはTBドラマ小説です」
『あの日 あの時 あの場所で 君に会えなかったら』
小田和正で‘ラブストーリは突然に’をお送りしました。
「ドラマチックな恋」をテーマにメッセージを募集しています。採用された方の中から抽選で素敵なプレゼントを差し上げます。 とカーラジオから文字が流れてきた。
ラブストーリは突然に、そんなのドラマの中だけだと思う。
実際20年生きてきたけれど突然恋に落ちるなんてなかった。いや、それが普通なのだろう。
ドラマだったら湘南の海岸線を車で走っていたらかわいい娘と出会ったりするのだろうけど、現に今こうして走っているがそんな出会いはないようだ。まあ夏になれば裸同然のような格好をした女の子を毎日拝めるのはありがたいのだが・・・。
「ヘイ、彼女。オレの車に乗っていかない」って声を片っ端からかければいいんだよ。簡単な事さ。と言うこいつは僕の友人。
ちょっとズレてるところがある。ナウいと言う言葉に愛着がある
佐久間 和幸(サクマ カズユキ) 僕は吉野 晋一(ヨシノ シンイチ)
「その前に、コンビニでもよっていかない?」
さっきからトイレに行きたいのを我慢してたんだ。
「シン。早く言えよ。通り過ぎたよ」
「うるさいよ。俺がタイミングが悪いのしってんじゃんか」
「あー・・・彼女ね」
あれは、カズが悪い気がする。彼女が俺に気がありそうだって言うから、あの日告ったんだ。
そうしたら、彼女は前の日にめでたく他の人と付き合うことになってたって。これこそドラマじゃん。
しかも、俺は主役じゃないじゃん。おいしくない。そんな人生もう嫌だよ。
コンビニに慌てて駆け込み用をすますと、携帯が鳴った。
「コーラ買ってきて」
はいはいはい。コーラね。その前に手を洗わせてくれ。
思えばあそこに携帯を俺が忘れてこなかったら。
彼女ナシ&甲斐性ナシの俺でも、真夏の海岸線に携帯が似合わないことくらい分かってる。
無意識のうちに、目の前に広がる蒼にとらわれていたんだろう、その存在を忘れていた。
気付いたのは、カズと別れてからだった。
アパートの扉の前で鍵を出そうとして、ジーンズのポケットに手をやった時
「あ…」と、声になってない言葉が途切れた。
何処で?車中か、コンビニか、サービスエリアか。
帰りに寄ったTATSUYAのAVコーナーだけは勘弁だな。
カズに家から電話した。車の中にはないと言う。
俺は自分の曖昧な脳味噌を掻き混ぜるより、もっと簡単な方法を選んだ。
親切な極上の天使が拾ってくれていることを期待しつつ、自分の番号を押す。
無機質なコールは7回目で途切れ、寝起きのような不機嫌な低音が耳元で響いた。
「…………はい?」
悪魔かも、しれない。
「あたし帰るわ。じゃ。」
「ちょっと、ケイ!」と、焦って呼び止める亜沙子のほうを振り向きもせずに、私は宴会場と化した浜辺を一人、あとにした。・・頭が割れそうだ。
「花火でもしようよ。」・・・そう言って、近くにあったコンビニに出かけていったどっかのアホが肝心の花火を買い忘れ、ビールだけを手に戻ってきたのが2時間前。
それからひたすら飲んでいたのだから、こうなるのも無理はない。
コンビニ・・・何かに憑かれているかのように、店に入るなり、一直線にトイレを目指した。
吐きそう・・・と、すでにカウントダウンが始まっていた私の目の前で、誰かの携帯が鳴りだした。放っておけば止まるだろう・・と思っていたのだが一向に止まない。
・・・ちっ、うっさいわねっ!!
「…はい?」電話に出る声も、苛立ちで自然と言葉の語尾があがる。
すると、電話の向こうで、かすかに物音が聞こえた。
「...あ、もしもし」
しばらくして電話の向こうで声がした。男の声だ。
「はい?」
「あ、す、すみません。俺、いや僕、ヨシノと申します」
コンビニのトイレにあった知らない携帯に電話をかけてきた男は、何と勝手に自己紹介を始めた。
ワケの分からないシチュエーションに困惑しつつも、さきほどまでの吐き気はどこかに吹き飛んでいた。
「あの...ですね、今あなたが手にしている携帯は、実は僕の携帯なんです」
ははん!...私はピンときた。
つまり、このヨシノ某はここに携帯を忘れたのだ。しかし、どこに忘れたのか思い出せないので、マヌケにも自分の携帯に電話している...そんなところだろう。
私は少しだけ、この誠実そうなヨシノという男に興味を覚えた。
軽薄で頭の悪い同級生にはもうウンザリだ。
「で、今から取りに行きたいのですが、そこはどこなんですか?」
私はちょっと意地悪がしたくなった。
「どこにあるのか当ててみなさいよ。当たったら、私があなたの望むところに届けてあげる」
「さあ、どこだと思う?ヨシノさん。」
答えに困って沈黙する彼を、急き立てるように私は問いかけた。
「あ、えっと・・・、コンビニかサービスエリアのどちらかと思うんですけど・・・」
「二つも答えるなんてダメ。それじゃ、届けられないわ。」
真面目に答える『ヨシノ』に私はますます意地悪に言ってしまう。
「あの、すみません・・・、僕本当に取りに行きますから、教えてもらえませんか?」
私は少し困ったように話す『ヨシノ』とのやり取りを、楽しみ始めていたんだと思う。
だから、
あんなふうに言ってしまったのは本当に勢いで、
きっといつもとは違う自分に少しなってみたくて、
「そうねぇ、取りに来るのなら1時間だけここで待っててあげる。
あたし、ケイ。 さぁ・・・どっちでしょう?
待ってるわ、『ヨシノ』さん♪」
そう言うと、私は一方的に電話を切った。
きっと今頃慌てているだろう『ヨシノ』のことを考えると、
彼に少し悪い気もしたが、私はこんな展開に胸を弾ませていたんだ。
ヨシノさんねぇ~。
声からすると同じくらいの歳かな。
ヨシノクンか。。。
どんな子かな?ちょっとオドオドした感じが
もしかしたらオタクっぽいのかも。
それにしてもありえない。
ハシャギすぎる亜沙子も美樹も遥も、しばらく会ってないユウヤも。
大学4年の夏だというのに、1個も内定をもらえていないのはアタシだけ。
みんなは文句を言いながらも、1社は押さえておきながら、まだ就活を続けている。
汗の染み込んだリクルートスーツは、もう見るのも嫌。
黒いパンプスも脚が痛くなるだけ。
ユウヤは早々と希望の会社から内定をもらい、
それ以来バイトに明け暮れ、その先の女子高生とすっかりデキてしまったらしい。
その報告と別れの意思は、メールであっさりと伝えられただけだ。
3年間彼氏彼女の関係でいたのは同じ環境だったから。
社会人になることが決まったユウヤには、アタシは必要のない存在になった。
いいことなんてなさそうな夏。
プチッ ツー ツー ツー・・・・無常に響く電話の音。呆然とする俺。
「・・・あ゛~っ!くっそぉ。なんなんだよぉぉ、あのオンナ・・・。ありえねぇ・・・。」
頭を掻き毟り、その場でしゃがみこんで溜息をつく。
こちらが下手に出てるのをいい事に、
場所を当ててみろだの、一時間以内に取りにこいだのって。
しかし、落ちてる場合ではない。とりあえず、携帯を取りに行かなくては。
もう一度携帯を鳴らして、彼女に場所を聞こうかと受話器を取ったが、
5秒程考えてやっぱり戻した。絶対に教えてもらえない気がした。
ケイとか言ったっけな・・・悪魔だ、やっぱり悪魔だ・・・。
ちくしょう、行ってやる。とりあえず一時間以内に、必ず行ってやる。
俺を小馬鹿にして試してるとしか思えないあの口ぶり。受けて立とうじゃないか。
間に合うか?どうなんだ?!時計をチラリと見る。自転車じゃ無理だな。
背に腹はナントカ。「すまんっ」と心で詫びつつ、兄貴のバイクを勝手に拝借し、飛び乗る。
サービスエリアか、コンビニ・・・。・・・さて、どっちだ?
加速したバイクを走らせながら、俺は今日一日の出来事をもう一度頭の中で反芻していた。
・・・・加速したバイクを走らせながら、俺は今日一日の出来事をもう一度頭の中で反芻していた・・・・
今日は「暇だから俺に付き合え!」とカズに言われるがまま、海までドライブに行ったんだ。
「俺に付き合え!」と言うのは口実で、失恋した俺を気遣って誘ってくれたって事、俺はちゃんとわかってる。
カズは口は悪いけど、友達思いの良いヤツなんだ。
まぁ、俺が失恋した原因の一つはカズなんだケドさ・・・
初夏の潮風は、俺の沈んだ心を癒すには充分だった。
隣では相変わらずカズが「女なんてモンはなぁ・・・」とか何とか言ってたケド・・・
それでその後、トイレをしにコンビニに寄って・・・
その時、カズから電話があったんだよな・・・
アレ?
そんで俺、電話をどうしたんだっけ・・・?
電話に出た後、手を洗って・・・
・・・・・・
あ~っ!!
コンビニだ!!
コンビニに携帯を置き忘れたんだ!!!
約束の時間までは後40分。
どうか間に合ってくれ!!
俺がコンビニに飛び込んだのは、制限時間ギリギリだった。
俺は慌てて店内を見回す。
客は3人。
その内女の子は・・・
一人だ!
窓際の雑誌コーナーで立ち読みをしている。
さっきまでは、ガツンと一発かましてやろうと思っていたのだが、
いざ目の前にすると、なんて声を掛けたらイイのかわからない。
だいたい、この子が本当にケイなのだろうか・・・?
俺がドギマギしていると、女の子と目が合った。
俺は思わず視線をそらしてしまった。
ツカツカと近づいて来る足音が、目の前で止まった。
「ひょっとして・・・ あなたがヨシノさん・・・?」
俺はソォっと視線を女の子の方に向けた。
ヤバイ・・・
超カワイイ・・・♪
「は、はい。携帯の・・・」
「遅かったじゃない!!で、ここまで何で来たの?」
「へ?あぁ、バイク・・・ですけど」
「こっから見えるあれ?で、何年乗ってる?」
「そうあれです。単車は兄貴のだけど、2…年くらいですかね」
「あ、そう。じゃあさ、行きたいとこがあるの」
「は?」
「うちすぐそこだから、メット取ってくるね、ちょっと待ってて」
「はぁ~?」
俺の経験上、顔がカワイイ女ってのは、突拍子もないことを言う傾向にあるらしい。
そして携帯を彼女が持ってる以上、逆らえない。
ってのは建前で、ちょっと流されてもいいかなという気分。
彼女が悪魔だとしても。
ケイ・・・名前しか知らない女の子と俺はどこに?
「お待ちどう。じゃ、この道右にまっすぐ。で、橋の信号を左。早く」
「携帯は・・・」
「はーやーくー!!!」
もう、どうにでもなれ。
ケイの言う道はただぐるぐると回るばかりだったが、
なんだか背中のぬくもりがさっきまでの勢いとは裏腹に優しい暖かさを伝えていた。
「その坂、登って」
いつの間にかケイの声からとげが消え、神社に向かう坂道は木々の合間から薄い月明かりをにじませている。
「ねぇ、止めて、ここね、思い出の場所なんだ」
そう言うとケイはゆっくりと歩き出し、足元に広がる街の灯りに眼を落とす。
どれくらいの時間が経っただろう。気がつけば小雨が降ってきていた。
「雨だよ。風邪、ひくから」
「うん」
何かを吹っ切るようにこちらを向いたケイの瞳が潤んでいたのは、雨に濡れたせいだったのだろうか。
雨宿りのために軒下に移動する頃には、ケイも俺も髪から雨の雫がほとりと滴り落ちていた。
軒下に避難しても、雨脚は一向に弱まる気配はなかった。
頬を伝う水の跡が、雨の所為なのか、それとも涙の所為なのかも分からない。
ただ、ユウヤとさえ来たことがない”この場所”に、
さっき出会ったばかりの男とこうしていることの意味を私は考えあぐねていた。
私がまだセーラー服を着ていた頃、そう全てが輝いていたあの夏...
あの人は言った。
『この神社の裏手ではね、昔は夏になるとたくさんの蛍を見ることができたんだって。今じゃここはおろか、限られた場所でしか蛍を見ることができない』
そう言うと、あの人は寂しげな眼差しを向け、はにかみながら私にこう言ったんだ。
『蛍(ケイ)、お前も自分の名前のように、俺がみつけることのできない遠い場所へ行っちゃう気がするよ』
「...嘘。いなくなったのは貴方の方じゃない...」
ふいに私の口から発せられた言葉に、ヨシノの身体が反応するのがわかった。
だけど私は、髪の毛から滴り落ちる水滴をただみつめているだけだった。
ヨシノの雨に濡れた手が私の方へそっと伸びていた。
その手を掴んで、こらえきれなくなった私は、その場でしゃがみこんだ。
小さな頃から、私の父と母は喧嘩ばかりだった。
二人の詰り合いの内容を、子どもだった私は初めは理解が出来なかった。
しかし、中学に上がる頃、家に帰らない日が多くなった父を見て、大体を察した。
たまにしか顔を合わせない父と母が始めるその喧嘩の声から
私は逃げる為に、いつからかこの神社に来るようになった。
ある日、いつもの様に神社の裏手に一人で座っていると、声がした。
「きみ・・・いつもここに来てるよね。」
顔をあげ、怪訝そうな目をやるとそこには、30代くらいだろうか・・・私の知らない男性が立っていた。
人の良さそうな優しそうなあたたかい眼差しと大きな体。
一瞬、警戒はしたものの、悪い人とは程遠い風貌であった。
「・・・学校は?うーん・・・今は・・・そうだな・・・ちょうど3時限目くらいなんじゃない?」私は黙っていた。
「言いたくない・・・か。ま、子どもにだって、そういう事もあるよな。」
そう言うと男性は小さく笑って、私と少し距離をあけて腰掛けて、ポケットから出したタバコにゆっくりと火をつけた。
「・・・・・。」
私は黙って、男のそんな姿を見つめていた。
「・・・ん?・・・吸うか?」
「・・・・す・・・吸うわけないじゃないですか・・・!」 私はジロッと男を睨む。
何者なんだ、この男・・・と思いながら。
「・・・そうか。そうだよなぁ。」 男は、またフッと小さく笑った。
「・・・ねぇ・・・・・お・・・おじさんも、サボり・・・?」
会話が止まって3分くらいだっただろうか、私は気まずさも手伝って、おそるおそる尋ねた。
「ふはっはっはっ・・・おいおい、"オジサン"は失礼だろう?これでも結構タフな男。"オイカワサン"って、ちゃんと名前で呼んで欲しいもんだ。」
「中学生から見たら、30過ぎてたら、充分オヤジよ。そ・・・それに、アタシは、もう子どもじゃないわ。」
失礼極まりない言葉を投げつけソッポを向いた私にも怯む事なく、彼は笑って言った。
「で・・・君の名は?」
セーラー服の赤いリボンが私の胸元で、夏風にそっと揺れていた。それが、私の14歳の夏の始まりだった。
『・・・変な人。』
そう思いはしたけれど、私はまともに自分の名前を答えてしまった。名前を聞く以外にこれといって何か詮索してくるわけでもなく、なんとなく雑談をした。
全く。変な人だ。
でも、このオイカワとか言う人と話しているうちに私はいつのまにかさっきまでモヤモヤしていた嫌なことも忘れてしまっていた。クラスの友達と過ごすのとは違っていて、なんだか楽になれた。学校は楽しい。友達も好きだ。
でも、ときどき悲しくなる。
楽しそうに笑っている同じ年の子供たちを見て、ふと思うのだ。
『なんで?どこが違うんだろう?どうして私だけ、こんななの?』『私も、本当は、普通に仲の良い家族に囲まれた幸せな暮らしがしたいのに・・。』・・と。
こんな風に思っているということも、私の家の状態も、誰にも言えなかった。
言うつもりもなかった。
だけど、誰かに頼りたかった。でも、頼れない自分がいた。だから、あんなに楽に、気を抜けたのは久しぶりだった。
『オイカワさん・・か。
出会いはいつも突然で、でもそれを一回性のものにしてしまうか否かは自分次第で。
「当たり前」を当然のことだと受け止めるクラスメイトと「当たり前」が普通に実感できない私とじゃ話が合わないのも当然でけれど今思えば何てマセた14歳だったんだろうと苦笑が零れる。
背伸びをしはじめた私と、背伸びに疲れたようなオイカワさんは七日後に神社で再会したのを機に、しばしば会うようになった。
石段に腰掛け、時折二、三段を軽く上り下りしながら話す内容は私のことが七割を占めた。急き立てるような蝉の声と、汗ばむ身体を包む木陰と、缶ジュースの甘ったるさと。いつしか、その密やかな対話を期待して神社に通う自分がいた。
それでも、次に会う約束は決して交わさない。会うことが「当たり前」になることが怖かったから。マセていたのは心の端っこだけで大人っていうのがどういうものなのか、知ろうともしなかったんだ。
・・また・・会えるかな?・・会えたらいいのに』
なんとなく、そう思い、その日、私は眠りについた。
「あの、さっきこの場所思い出って言ってたけどよかったら教えてくれないかな?
あ、でもその、言いたくなかったらいいんだけど。」
聞こえなかったのだろうか、反応がない。
「あ、ごめんなさい。
携帯返さなきゃ。ごめんねつき合わせちゃって。もうこんな時間だ。」
携帯のことなどすっかり忘れていた僕は彼女の一言で思いだした。
「あ、そうだった。携帯。そう携帯。そう・・・。」
「はい、コレ。本当にごめんなさい。あの、さっきのコンビニまで―――」
「うん。」
彼女が云わずとももちろんそのつもりだった。
俺は確かにタイミングも悪いし、女の子にモテない。
けど、こんな時間にこんな場所に女性を一人置いていくほど馬鹿じゃない。
モテなくてもそれぐらいはわかってるつもり。
このまま彼女と別れていいのだろうか?
今日会ったばかりだけど、はじめ悪魔かと思ったけど。けど。携帯を取りに来たことを忘れるくらい彼女の事が気になる。
あの涙は何を意味しているんだろう・・・。
背中に彼女を感じながらコンビニへとバイクを走らせた。
これってけっこうプレッシャーかも・・・。
話があらぬ方向へ進んじゃったらごめんねぇ。
でも、どうなるのかね。
楽しみだね♪
ききききき来たぁぁぁ~~!(叫んでます)
楽しみだけど怖いなぁ。
ホントおかしな事になったらごめんねぇ。
ψ(-▽-)ψウケケケ
とうとうですか。
いよいよなのね
プ、プレッシャー
でも...ウケウケ( ´ー`)y-~~
どうしようかなぁ。
ラジオから書き出すなんてうまいですね
ちょっと気分が↓気味だったもので、新しい事は楽しみ↑になりそう。