最初に読んだのは少年少女世界文学全集。
小学館だったと思います。
とてもとても挿画が綺麗で、紙も立派なもので、大きくって、子供ながらに親に感謝しながら、毎月楽しみにしていた覚えがあります。
その中の1冊として出会ったのが最初。
で、今回は大人向けの新潮文庫です。
『WHITE FANG(白い牙)と呼ばれた一頭の孤独な灰色オオカミの数奇な生涯を、ゴールドラッシュ時代の北の原野を舞台に感動的に描きあげた、動物文学の世界的傑作。』
白い牙
著者:ジャック・ロンドン
訳者:白石佑光
発行:新潮社
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動物文学ってのがあるんですね。
ドリトル先生とかがそう?
犬を飼うならWHITE FANGのような犬を、という野望が、母と私の共通項です。
でなければ名犬ジョリー。
どう考えても無理ですが。
子供向けに作られたものと、こんなに違うとは思わなかったです。
エピソードもずっと多いし。
もちろん、エッセンスは一緒ですけど、もっと厳しい物語になっていました。
描写も辛辣。(子供向けと比較してですから、当たり前ですが。)
訳のせいもあるかと思います。
最終的に彼を救い、愛を学ばせたスコットのことを、『愛の主人』を表現するんですけど、これって、ちょっと判りにくい。
判らないわけじゃないんだけれど、ちょっとなという感じです。
昭和33年11月発行。平成17年で46刷。(原著は1906年発表。)
そのせいでしょうか。
犬の視線から見た人間とはこういうものなのだろうかと、不思議な感じがします。
もちろん、犬たちに聞くわけにはいかないですから、犬の視線を借りた著者自身の人間観察ということでしょうけれど。
最後の幸せなシーンは、ここまで読んできて良かったと素直に思えるもの。
陽だまりの中でやんちゃな子犬たちに囲まれている彼を思い浮かべると、優しい気分になれます。
南極物語がリメイクされると評判ですが、これのリメイクもあればいいのに。
WHITE FANGのオーディションが大変?
4分の1だけ犬の血をもった灰色オオカミ。
かっこいいだろうなぁ。
絶対観にいきます。