ゆっくりと世界が沈む水辺で

きしの字間漫遊記。読んでも読んでも、まだ読みたい。

今頃ですが…。有川 浩【海の底】

2013-01-24 | 角川書店
 
自衛隊三部作といわれるものの最後の作品です。
『塩の街』、『空の中』、で、『海の底』。

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 海の底

 著者:有川浩
 発行:角川書店
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『4月。桜祭りで開放された米軍横須賀基地。停泊中の海上自衛隊潜水艦『きりしお』の隊員が見た時、喧噪は悲鳴に変わっていた。巨大な赤い甲殻類の大群が基地を闊歩し、次々に人を「食べている!」自衛官は救出した子供たちと潜水艦へ立てこもるが、彼らはなぜか「歪んでいた」。一方、警察と自衛隊、米軍の駆け引きの中、機動隊は凄絶な戦いを強いられていく―ジャンルの垣根を飛び越えたスーパーエンタテインメント。』

出だしのアイディアは、「潜水艦で十五少年漂流記」だそうです。
なるほどねー。
青年自衛官2人と、少女と、少年たちが潜水艦に籠城。
外は大荒れでも、内側にさえいればとりあえず安全ですが、その分、気持ちの柔らかい部分では大変な騒ぎになるわけです。
うー、艦長の腕に泣かされる…。
それでも、自衛隊というより機動隊の話と思って読んでしまったのは、好みの問題でしょうか。
実際のとこ、いかに速やかに自衛隊を武器を使用できる状態で出させるかがメイン。
何度か作中にも出てきたように「そういう国」ですから。
デリケートな問題ですねぇ。
前2作はそこまで思わなかったので、描きたいポイントが変わったのでしょうか。3作目ともなると、売り方も、想定する読者層も変わったのでしょうし。
私の場合、いずれも読んだのは文庫化されてからでしたけれど、たいそう評判になっていることにつられてでした。(そう、とにかく評判が良いので読んでみようかという気になっちゃうのですよね。)
読んだ順番は『空の中』→『図書館戦争シリーズ』→『塩の街』→『海の底』。
この順番で読むと、やはり「もう、堂上くんたちがいる」と思います。
ちなみに出版の順は、『塩の街』→『空の中』→『海の底』→『図書館戦争シリーズ』。

…最初が『空の中』じゃなかったら、続きは読んでなかったかもしれないなぁ。
『図書館戦争シリーズ』も、児玉清さん(稲嶺司令はこの方のイメージで読んでます。)が解説じゃなくって、文庫化一挙発売で、大々的に店頭に並ばなかったら…。
読めば面白いと思うのに、手にするまでの勢いがつかないというのはどうしてなのかと思います。
やっぱり恥ずかしいのかな。直球なのが、どうも。

解説に、バチスタシリーズが引き合いに出されていました。
ああ、そうねぇと思います。さすが解説。
でも、あっちがこんなにも気恥ずかしくないのは女の子が出ないからでしょうか。
バチスタシリーズは、むさくるしい面々の大弁論大会ですし。
少女マンガと少年マンガの違い?

いっそ、映画にしてくれればいいのに。
最近、怪獣映画もないし。
一時、いろいろ作られていたのになー。
いいじゃないですか、巨大ザリガニ。


[読了:2012-08-14]




…書いたまま、埋もれていました。


 

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