舞台はパリ。
主人公は、アメリカ大使館の外交保安部長ヒューゴー。
ヒューゴーは、セーヌ河岸の露店古書店主から本を買うが、その直後、その古書店主マックスは何者かにさらわれてしまう。
目撃者として警察に通報したヒューゴーだったが、事件の捜査は一向に進まない。
マックスの安否に責任を感じた彼は、自ら捜査に乗り出す。
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古書店主
著者:マーク・プライヤー
訳者:澁谷 正子
発行:早川書房
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パリに行ったことなどありませんが、主人公が歩くパリの街はとても雰囲気たっぷり。
事件も盛り上がりそうで、文庫本の厚さが先への期待にもつながろうかという序盤です。
古書というアイテムも、街のはらむ歴史も物語の背景として魅力的。
が。
なんだか、それ以降気分がもりあがらず、500ページ弱の文庫を読み切るのに、大層時間がかかってしまいました。(もう8月だよ…。)
これは、主人公のヒューゴーとそりが合わなかったからかも。
できる男過ぎて、どうも…。
かっこいいけれど、それだけしか思えないというか。
奥さんには三行半を突きつけられはしたけれども、仕事は文句なしにできて、上司とも秘書ともうまくいっている気配り上手で、力を貸してくれる友達もいて、魅力的な彼女も登場して、我慢強くて、終始「大人の対応」という感じ。
役割をきちんと果たしていますという感じがする。
主人公に限らず、登場人物たちもちょっとそんな雰囲気があります。
登場人物たちが役割をきちんと果たしているちゃんとした話なわけですから、主人公が出来過ぎていてどうもつまらん、とか、そういう気分に引きずられずに読めていたら、もっと楽しめたのかもしれません。
それとも、夏に読んだのかいけなかったか。
物語の中の季節、冬なのですよねー。
蒸し暑い夏の夜に読むべきじゃなかったのかも。
登場人物にひねりがありませんでしたよねえ。
この設定ならもっと面白くても良いはずなのに~。
まあデビュー作のようなので,今後に期待して……
って,偉そうですみませんw
デビュー作って、出来の良さうんぬんより、味重視で読む傾向が私はあるので、次回作を読むか、微妙ですわ。