不合理だからうまくいく…?
本当かどうかを疑うというよりも、それが学問として研究されていて、本にもなっていて、おそらくは読めばある程度納得できてしまうだろうことが不思議、と思いながらも、つい手にとってしまいました。
不合理だからうまくいく
著者:ダン・アリエリー
発行:早川書房
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合理的に、特に経済の観点から考えれば当然のことを、実は人は選ばないことや、人は思うよりも自分の不利益に寛容であることなどが、著者と共同研究者たちの行う実験から語られていくという本。
例えば、自分に頼みごとをしている最中の相手が、話の途中で電話に出てしまう。
そして、その後、何事もなかったかのように話を続け始めたら、その時のイライラはどの程度持続する?
もし、電話の後に、詫びの言葉が一言あったら、その気持ちはどう変わるか?
例えば、レゴで、ある形をつくることで報酬がもらえるとする。でも、レゴの数は限られていて、つくったレゴをバラして、また新しくつくらなければならない。
自分のつくったレゴを目の前でバラされた人と、見えないところでバラされた人とでは、完成させる数にどの程度の差がつく?
それらの実験結果をみると、タイトルのとおり、人って都合よくできてるものなのね、と思います。
ちょろいな、と。
一言、ごめんなさいって言われたら、ま、いいかと思っちゃいますもんね。…まあ、大抵は。
まれに、それに逆なでされることもありますが、逆に、自分自身が「ごめんなさい」の追加で乗り切ってるところがある気がします。
人の不合理さに自分自身が救われるのと同時に、それを利用もしているというわけで。
ああ、これが「うまくいく」ってこと?と、勝手にわかった気になってしまいます。
実際、「うまくいく」というより、そうやって、どこかでほどほどに自分を騙すことでやり過ごしているのだろうなとも思うわけです。
そうでなければ、つくったそばから壊されるとわかっているレゴをつくり続けることはそうそうできませんものね。
自分の見てないものは、ないものと同じに軽んじてしまう。
それでいながら、ちゃんとわかってはいる。
自分の狡さをあらためて思う1冊となりました。
…そうでもなきゃ、やってられんよと、思いますけど。
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