今年最後の観劇『パイレート・クィーン』。
といっても、今年は何も観にいけなかったので、正しくは「今年最初で最後の」となってしまいました。
ポスターの6人は同じ大きさ。
後列左から宮川さん、今井さん、石川禅さん。
前列左から山口さん、保坂さん、涼風さん。
保坂さんの帝劇初出演を除けば、いずれも帝劇で主役級の役どころを務めたことのあるミュージカル俳優さんたちです。
いずれ劣らぬ実力派揃い。
時は16世紀。
処女王エリザベスが君臨するイングランドの覇権と、それに抵抗するアイルランドの争いを背景に、アイルランドの一氏族の長の娘であり、海賊の女王と呼ばれたグレース・オマリーのたどった半生を描いた作品。
劇場にはいると、帆船の帆に見立てられた布が舞台を張られ、そこに浮かび上がっているのは、当時のイギリスとアイルランドの国旗。
時折、その上に水紋が広がります。
ただの緞帳が降りているより、気分が盛り上がります。
ただ、それも始まるまでのこと。
あらすじも確認せずに、保坂さんを応援する気分でいった作品でしたので、余分な期待もなく、飽きる暇もダレる暇もなかったはずなのですが、1幕の長く感じることといったら…。
どうにも乗り切れませんでした。
女だからと海に出ることを許されることがなかったグレースが認められていく過程、イギリスに対抗するための政略結婚と、そのために別れざるを得なかった恋人への思い、族長であった最愛の父の死に伴い譲られた長としての責任。
これらのことが、多くの場面と曲でつながれていきます。
舞台上には回り舞台の機構を活かした船のセット。
大掛かりなセットの好きな私には嬉しい要素ですし、物語も嫌いなタイプのものではなかったと思うのですが、肝心の音楽が問題。
耳に残る曲が1つもないのです。
それは、グレースの出産、捕縛、斜面のいきさつ、女王エリザベスとの対面と続くクライマックスの2幕にはいっても、さしてこの点に関してはかわりがなく、思わず頭の中で繰り返してしまうような旋律がありません。
ミュージカルとしては大きな欠点ではないかと思います。
可もなく不可もない演出で、キャスティングの問題とも思えません。
それが全くないとも言えませんけれど(山口さんのびっくりするほどの浮き具合とか…)、ところどころにさしはさまれるアイルランドダンスと、その旋律が一番印象に残るものだったというのはちょっとさびしいものがあります。
ミュージカルらしい場面で、気持ちを込めて拍手ができたのは、保坂さんと涼風さん、二人の女王のデュエットくらい。
保坂さんは癖があるのでお好きではない方もいらっしゃるでしょうけれど、私はいかにもミュージカル俳優さんぽくて好きですし、涼風さんの高音が綺麗になったように思います。
なにより、俺が、俺が、という感じのしない二人の歌いっぷりとバランスの良さで、素直に綺麗だとおもって聴くことができました。
ただ、その曲ですら、もう旋律が思い出せません。(見終えた直後ですら!)
私の好き嫌いによるものだけではないと思うのですよね~。
今回、和泉嬢と私が得た教訓。
「妙に豪華な(集客力に定評のある)キャスティングには、豪華でなければならない理由がある。」
一緒に観にいくことの多い和泉嬢とは好みが似ているので、観終えた後、良かったと思ったところ、気になったところがほとんど一緒なのがうれしいです。
でも、カーテンコールは熱烈で、最後には客席の人たちがほとんど立っていらしたので、むむむ、と。
今回は、劇場から離れたことろでなければ、うかつに本音は話せないなと思ってしまいました。
最近は自分の好きな作品の再演をみることが多かったので、初めて観る作品への心構えが悪かったのかもしれません。
でも、好きなものでもはじめてみる時はあったし、そのときに肌のあわ立つような感覚があったものがありましたから…。
そういえば、来年、期待の作品も再演ものです。
「レベッカ」。
ダンヴァース夫人がダブルキャストになります。
久々にキャストの違いを楽しみにしたい作品。
劇場も大きい帝劇へ移動ですから、評判が良かったのかも。
「キャンディード」も上演されるようなので、それも楽しみです。
いけるといいなぁ。
今年はいまひとつだったけど来年は面白そうな舞台たくさんあるみたいだし、チケット争奪戦が待ってそうだね。まずは新感線・キャラメルから年明け早々頑張らねば。その前にスタレビもあったね・・・。あ、ヤマトもお付き合いよろしくお願いします。
来年もよろしくお願いします!
チラシやポスターだけで今からわくわく。楽しみです~。
あ、ヤマトもね!大丈夫、忘れてないよ!