ちょっと遡って昨年末に読んでいた本を。
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虫とけものと家族たち
著者:ジェラルド・ダレル
訳者:池澤夏樹
発行:中央公論新社
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これは、ぼくと家族がギリシアのコルフ島で過ごした五年間の物語である。本来ならこの島の動植物に関する、甘い郷愁に満ちた思い出の本になるはずだったが、ぼくは最初の何ページかに自分の家族を登場させるという大変な間違いをやってしまった。
3部構成のこの本は「作者の言いわけ」と題された文章から始まります。
「大変な間違い」は読む方にとっては幸運。
著者がイギリスからコルフ島に渡って過ごした少年時代が、明るく、おおらかに語られていきます。
あふれる陽の光。
言いたいことを言い放題。それでもそういうものだと受けとめあっている家族たち。
無類の動物好きの末っ子ジェリーは、伸び伸びと野原を駈け、海に遊び、動物たちを追いかけます。
カメ、トカゲ、賑やかな鳥たち様々な虫たち。
思う様、自分の目耳を惹きつけるものたちと過ごす時間。
巡りくる季節、日々の出来事を追う多彩な言葉の高揚感に、こんな時間を過ごせるなら、もう一度こどもに戻りたいと一瞬思ってしまいます。
それとも、この少年と一緒に走り回る犬になるのも良いかも。
もちろん、そんなふうに夢想しながら、この本を読むほうが私にはよほど似つかわしいことはわかっています。
骨の髄までインドア派。
こんな田舎に住んでいながら、すいすいと飛んでいく夏のトンボですら目で追うばかりのこどもでしたから、たぶん、ジェリーのお隣に住んでいても、やっとついていくのが関の山。
それでも、しみじみといいなぁと思わずにはいられません。
豊かな少年時代に憧れをこめて。
もし、この本を読んで懐かしい気持ちになれるとしたら、それはたぶんとてもしあわせなことだろうと思います。
この作品。訳者の池澤夏樹氏のギリシア暮らしのきっかけともなったものだそうです。
そんな気持ちになるものわかる1冊です。
復刻されたのも納得の1冊でした。
私もぱせりさんもすっかり夢中になってぱせりさんはシリーズ3冊ともお読みになったはず。
私はあと1冊、大事にとっておいて(?)いるのですが。
続刊も復刊して欲しい!という願いをこめて、この文庫本も買いましたよ。(^^)
それと、この本を読んだらお兄さんのロレンス・ダレルの方も気になってしまって、今年こそ読んでみよう!と思っているところです。
もし、更夜さんとぱせりさんがここにいらしたら、笑ってくださりそう。
>お兄さんのロレンス・ダレルの方も気になってしまって
そうそう。『アレキサンドリア四重奏』ですよね。私も今年中に絶対読もうと心に決めております。
1年あればたぶん辿りつけるかと ^^;
今年こそ,どちらかに“着手”しようと思っているところです。
きしさんもご一緒とあらば,心強いわ!
なんだか年の始めから、読みたいリストがますます長くなりそうな一年です。
かもめさん、今年も楽しみましょう ^^
だんだん後に引けなくなってきました。
今のところ一人足りないけれど、こうなったら三人で…カルテットに挑戦?!ww
よろしくお伝えくださいませね ^^
1年がかりなんて、悠長なこと言ってられないかしら w
なんと、ロレンス・ダレルにもコルフ島のことを書いた邦訳本があるんですって!
ぱせりさんにもお知らせしたら、アレクサンドリアより先にコルフに行こう!と意気投合?!
なんだかこのところefさんにはのせられっぱなしなんですよ。。。
efさんのレビュー『予兆の島』
http://www.honzuki.jp/book/225956/review/136255/
efさん、私たちのためにレビューしてくださった?!と思うようなタイミング。なかなか、着かないなー、アレクサンドリアに…って w
でも、図書館にあるかな…より、今、図書館に行けるかな…なんですよね。
もう、買っちゃおうかな、全部。でも、そうすると安心して、なおさら遠くなりそう…。
買ってしまうと積んでしまうのが常なのですが,これはとても一気読みできそうにはないので,ちびちびと読んでいこうと思います。
ちなみにアレクサンドリアは……まだまだ遠そう…。
でも、まだとっつきやすい本でリハビリ中で、とっつきやすい本すら…。
…言いわけっていろいろあるわぁ…。
そういえば、アレキサンドリア、ご近所の本屋さんでは売ってませんでしたわ。驚くべきか、納得するべきか?