隠れもない有名作。
和泉嬢に薦められて手元に準備してからずいぶん…3年以上経ってしまいました。
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白夜行
著者:東野 圭吾
発行:集英社
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『1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。容疑者は次々に浮かぶが、結局、事件は迷宮入りする。被害者の息子・桐原亮司と、「容疑者」の娘・西本雪穂―暗い眼をした少年と、並外れて美しい少女は、その後、全く別々の道を歩んで行く。二人の周囲に見え隠れする、幾つもの恐るべき犯罪。だが、何も「証拠」はない。そして十九年…。息詰まる精緻な構成と、叙事詩的スケール。心を失った人間の悲劇を描く、傑作ミステリー長篇。 』
ベストセラーであることが納得できる作品でした。
観てはいないもののドラマ化も映画化もされ、おおよその筋書きがわかって読み始めているのに、ああ、これは読まされてしまうと思いながらの864ページ。
なんとなく、作品に何かを期待しながらずっと読んでしまったような気がします。
ほのめかしではなく種明かしがあるのではないかという期待。
でも、種明かしはないのです。
あるのは、明らかな犯罪と、彼女または彼に惹きつけられてしまった人々の姿。
それらに浮き彫りにされる彼女、または彼の姿は虚像と実像が混在した断片のみであり、それを集めて出来上がる一対の男女の在りようをどう捉えるかで、この作品に対しての好悪が決まるのだろうと思います。
他に違う道はなかったのだろうかとせつなく思うか、違う道が絶対にあったはずだと憤るか。
または、罪にまみれた道をあえて行く者のロマンとして酔うか。
「悲劇」と説明されるからには、これをせつないものとして売ろうという意図があったのでしょうか。
読んではっきりわかったのは、時分の花の盛りの女優さんに演じさせたいと思ってしまう話なのだということ。
だから、ドラマ化も映画化もされちゃったんですね。
でも、悲恋もののようにしたらしいドラマも映画も原作とは別物。
私としては想像だけでありえない!と思うような違和感ですが、これも好みに収束するところなのでしょうねぇ、たぶん。
でも、ガリレオは別。それもわかるなー。映画に興味はないけどね(笑)。